BiS「アイドル像を壊さないといけない」アーティストとしての覚醒と進化
INTERVIEW

BiS

「アイドル像を壊さないといけない」アーティストとしての覚醒と進化


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:21年03月05日

読了時間:約10分

 BiSが2月24日、メジャー2nd EP『KiLLiNG IDOLS』をリリース。本作は90年代ロックやエモーショナルなオルタナティブロックなどのテイストが印象的な全6曲を収録。プロデュースは渡辺淳之介(WACK)×松隈ケンタ (SCRAMBLES)で、メンバー自身の想いを書き綴った作詞や英詞で彩ったBiSの新たな世界観を掲示した。“KiLLiNG IDOLS”という本作タイトルには様々な意味が込められており「アーティストとしてのBiS」というスタンスを表すという。本作の話題を中心に、激動の2020年を経て進化したBiSにあらゆる角度から迫った。【取材=平吉賢治】

BiSにとっての激動の2020年

『KiLLiNG IDOLS』通常盤ジャケ写

――昨年は色々と大変な年でしたが、どんなことが印象的でしたか。

イトー・ムセンシティ部 無観客で持ち曲を全部やったライブが凄く楽しかった思い出です。31曲ぶっ通しでやったんです。

チャントモンキー 2019年はデビューから立ち止まって考える暇もなく凄いスピードで過ぎて行ったので、去年は考える時間がありました。自分を見つめ直して一つひとつ考えながら色々とできた時期でした。2019年はライブをやって映像を見返して反省することしかできなかったけど、去年は「動きが大きく見えるか」など、もともとある振り付けをどうしたらもっと良くなるかと考えることができたんです。

トギー コロナ禍になって初めて自分を見つめ直しました。そこで何が駄目なのかということを知れたからこそ、どうしたらいいかわかりました。考える時間ができて自分を磨く時間ができたのは良かったことだと思います。ライブができない期間で体力が落ちるのが嫌だったので、筋トレをしていたり走ったりして鍛えていました。

ネオ・トゥリーズ お仕事など色々な面で止まってしまった人が多かった中、私達はこういう状況の中でもCDのゲリラリリース、配信ライブ、新曲をカセットテープでリリースするなど、色んなことをやらせて頂いたんです。その時だからこそできたこと、楽しんでもらえるような企画もいっぱいやらせて頂きました。コロナ禍という状況下でも止まらないで走り続けていられることが本当にありがたいことだと思いました。

トギー Blu-rayの商品をBlu-ray-Rに焼き直して、表紙もコピーして自分達で全部梱包するという作業もありました! 初めてのことで楽しかったです。

アイドル像を“KiLLiNG”、BiSの新たな世界観

――収録曲について、「I ain’t weak maybe..」はネオ・トゥリーズさん作詞ですね。どのような想いを込めて書きましたか。

ネオ・トゥリーズ 歌詞を書いていた当時の自分を助けるために書いた曲です。あまり言葉では言えない内容で、もしこれを言ったら傷つけてしまうのではないかという内容だと思っているんです。だけど歌詞になら書けるなと、誰にも言わないメモにある言葉があって、それがこういう形として出たものです。そういう内に秘めているものが初めて人の前に出ると考えた上で、自分をさらけ出した曲です。

――「どっきゅんばっきゅん」の作詞はトギーさんですね。こちらはどのような想いのもと書かれたのでしょうか。

トギー メロディが攻撃的で「これは何でも言えるな」と思って、何でも言っちゃいました。学生さんや、今ブラック企業にいて大変な人、今いる場所から他の所に行きたい、現状を変えたいという人はたくさんいると思うんです。この曲はそういう人達に向けて、「そこだけが人生の全てじゃないから、いつでも動き出せるし変われるんだよ」と、伝えたくて書いた曲です。

 でも、他人に向けて書いたとしてもわからない部分もあるから、昔の自分にあてて書きました。学生時代の私は学校だけが全てだと思っていて、凄くつらかったのに何もできなかった自分がいたんです。その昔の自分に向けて「そんなことないよ」と伝えたくて書いた曲でもあります。一番近い他人が昔の自分だと思うので、だからこそ歌詞にした時に心に届きやすい、伝わりやすいと思いました。

――「そこだけが人生の全てじゃない」というのはとても響きます。

トギー <反論聞くな やられるぞ>という歌詞の部分はそれも表しています。今いる場所が全てじゃないとわかって、何か新しいことをやろうとしたら絶対反対されると思うんです。それは聞かない方がいいよって思って。本当に自分の信じた道を進んでほしいと思います!

――いいですね。そして「一番近い他人が昔の自分」というのも凄く深い言葉です。

トギー それは社長の渡辺さんが前に言ってたのをちょっとパクリました(笑)。

――(笑)。リード曲「つよがりさん」の印象はいかがでしょうか。

チャントモンキー 疾走感がありつつ、最先端な感じの曲調だと思います。それで内容は人間味があって。渡辺さんの心の内でもあるし、誰が聴いてもそう思っている部分、重なる部分があると思います。

――歌詞が全てひらがな表記というのも印象的ですね。

チャントモンキー 歌詞として読んだ時にパッと意味がわからないというか、あえてひらがなにしていると思います。あまり意味を持たせないようにしているというか。

イトー・ムセンシティ部 漢字などにすると部分によって言葉の意味が強く見えてしまうというのもあると思います。

――確かにそうですね。全てひらがなだと一部分だけで意味を汲み取ることができず、最初から最後まで全部読まないと内容がわからないという部分もありますし。今作のレコーディングはいかがでしたか?

イトー・ムセンシティ部 全曲難しかったです…。語りやラップが難しかったりと。

チャントモンキー 早口言葉かなというくらいのものがたくさんあって。「つよがりさん」だったらBメロが凄く早かったり。

ネオ・トゥリーズ 私は「HiDE iN SEW」は英語で、「COLD CAKE」はラップで、「GOiNG ON」は語り口調と、初めてのことに挑戦したのが多くて、短時間で練習して習得するのが大変でした。

トギー 「COLD CAKE」のラップの部分がちょっと噛んでいて。甘噛みしたようなテイクが採用されていて、それがいい味に聴こえていたらいいなと思っています。

――拝聴して自然に聴こえたので良いニュアンスの部分と感じます。

トギー よかった! たまに「噛んでた」と言われたりもするので。甘噛みというニュアンスです。

根底にある強い想い“音楽を届けることはずっと続けたい”

『KiLLiNG IDOLS』初回生産限定盤ジャケ写

――全国10都市をまわるツアー『KiLLiNG IDOLS TOUR』の感触はいかがでしたか?

チャントモンキー 新しい楽しみ方を色々考えていてくれているなって感じます。私達のライブはお客さんも一緒に踊ってくれることが多いので、サビは誰が観ても真似できる動きにしているんです。なので、今は前よりも目を合わせてくれたり、より一生懸命に、そして、楽しそうに踊ってくれていたり、お客さんそれぞれの楽しみ方をしてくれていると感じます。

――従来よりも客席にスペースができたぶん、そこを活かした楽しみ方をされていると。

チャントモンキー そうなんです。サビだけではなく、他の部分の振りも覚えて踊ってくださっている方もいて凄いなって思います!

――逆に今の時期でしかできない楽しみ方もあるのですね。ところで、みなさんが最近メンバー内で流行っているトピックなどはありますか。

トギー 最近ぬいぐるみに話しかけちゃうようになっちゃって。ネオがパグ犬のLサイズのぬいぐるみをくれて、それが私の体の半分くらいの大きさなんです! それが凄いかわいくて…。今日も家を出る時に「パグちゃん、行ってくるね! さみしいね!」って言ってきたんです。でも我に返ったら「なにやってるんだろう?」って思うんですけどやめられないです。

――ネオさんはトギーさんにあげる物のチョイスとして何故パグを?

ネオ・トゥリーズ 私もぬいぐるみを集めるのが大好きで大量にあって、とっておきのをプレゼントしようと思って(笑)。

――選りすぐりのパグなのですね。

トギー 最高のパグだよ!

イトー・ムセンシティ部 ネオは本当に丁寧にぬいぐるみを扱うんです。ちゃんと手洗い、もみ洗いをして綺麗に干して。

チャントモンキー 私はぬいぐるみは通ってこなかったから凄いなと思って(笑)。

トギー 抱いて寝ると可愛くなってくるよ。手に負えないペットだから!

チャントモンキー へえ、すごい…。

――あまり共感なされていないようですね。

チャントモンキー 親がぬいぐるみ嫌いだったから家に全然なかったんです。

イトー・ムセンシティ部 私はそういう愛情を注ぐ相手が幼い妹だったから。

トギー 私、幼少期に犬のぬいぐるみを連れて歩いてたよ!

チャントモンキー タイヤが付いてるやつ?

トギー 手持ち派だった(笑)。スイッチがあって押すと鳴くの!

――なるほど(笑)。さて、最後に今年の展望をお伺いしたいと思います。

トギー 今年はいっぱいライブしたいです! どんな形でもいいんですけど、生のライブ以外に替えられるものはないと思っているので、やっぱり生で伝えられたらそれが一番なので、何もできなかった期間を取り戻して、とにかくいっぱいライブがしたいです! ライブに行きたいけど行けないという人もいると思うので、音源リリースだったりと、音楽を届けることはずっと続けたいと思っています。

(おわり)

作品情報

■2nd EP「KiLLiNG IDOLS」
2021年2月24日(水)発売
・初回生産限定盤(CD+Blu-ray+写真集付ブックレット50P)
:CRCP-40620 / 5,500円+tax
・通常盤(CD):CRCP-40621 / 1,818円+tax

【CD】※初回生産限定盤、通常盤共通
1. HiDE iN SEW
2. COLD CAKE
3. GOiNG ON
4. I ain't weak maybe..
5. どっきゅんばっきゅん
6. つよがりさん

【Blu-ray】※初回生産限定盤
「The DANGER OF MiXiNG BiS」2020.12.18@LINE CUBE SHIBUYA
1.STUPiD 2.BASKET BOX 3.I WANT TO DiE!!!!! 4.少年の歌 5.LET'S GO どうも
6.DESTROY 7.DEAD or A LiME 8.SURRENDER 9.IT'S TOO LATE 10.GETTiNG LOST
11.LOVELY LOVELY 12.DiRTY and BEAUTY 13.HiDE iN SEW 14.KiSS MY ASS
15.イミテーションセンセーション 16.thousand crickets 17.teacher teacher teacher
18.FUCKiNG OUT 19.テレフォン 20.this is not a love song 21.TOUCH ME
EN1.BiS-どうやらゾンビのおでまし- EN2.CURTAiN CALL EN3.CURTAiN CALL

■『「KiLLiNG IDOLS」 REPRODUCTiON STREAMiNG LiVE』詳細
<イベント概要>
【日時】3月9日20:00~
内容:EP「KiLLiNG IDOLS」再現/無観客ライブ

<無観客ライブ視聴方法>
タワーレコード店舗でご購入の場合
■[シリアルNo.付きライブ視聴応募券付]ご購入期間 
2021年2月22日(月)各店商品入荷時~3月4日(日)閉店時まで 

【ライブ視聴応募期間】
2021年2月22日(月)正午12:00~3月4日(日)23:59まで

■WACK TOUR2021"TO BE CONTiNUED WACK TOUR"
・2021年
03/17@東京・Zepp Tokyo ※BiSH/BiS/GO TO THE BEDS/Wagg
03/18@東京・Zepp Tokyo ※EMPiRE/豆柴の大群/PARADISES/Wagg

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