今年3月2日でメジャーデビュー5周年を迎えた大阪発、青春文學ロックバンドのBURNOUT SYNDROMESが、3月3日にライブ映像作品『THIS IS BURNOUT SYNDROMES -Live in JAPAN-』をBlu-rayでリリース。2010年、TOKYO FM 『SCHOOL OF LOCK!』主催イベント「閃光ライオット」に出演し、準グランプリを獲得。結成10周年となる2016年3月、シングル「FLY HIGH!!」でメジャーデビュー。以降『ハイキュー!!』、『銀魂』、『Dr.STONE』など多くのアニメ主題歌を担当し、2020年にはアーティストVtuber「HXEROS SYNDROMES」のプロデュースなど活動の幅も広げてきている。

 これまでもCDの初回盤にはライブ映像も収録されていたが、ライブをフルで収録したのは初めて。Blu-rayには昨年2月、大阪なんばHatchで行われたツアーのフル映像に加え、ライブヒストリーとして過去のツアーからファンのリクエストで選ばれたライブ映像を収録した。MusicVoiceでは過去に「花一匁」のミュージックビデオや、今作にも収録されているライブ『明星~We have a dream~』に密着取材を行ってきたが、リリースされた『THIS IS BURNOUT SYNDROMES -Live in JAPAN-』を観て、改めてより外側への意識が強くなったことを感じさせてくれた。

映像作品としてみるBURNOUT SYNDROMESの魅力

 『THIS IS BURNOUT SYNDROMES』、何ともアイデンティティをシンプルに打ち出したタイトルだろう。この言葉だけでライブ、本作品への想いが伝わってくる。

 昨年より続くコロナ禍の影響で、2021年になった今も、多くのライブイベントは集客人数など制限した中での開催となっている。だが、この映像作品で観れる2019年から2020年の年を跨いで行われた15th Anniversary Tour 2019→2020『Who am I?』の大阪なんばHatchで行ったツアーファイナルは昨年の2月11日に行われたもので、満員のお客さんの前でパフォーマンスする3人の姿が確認できる。キャパに対し50%ほどの集客で行われている今となっては貴重な光景だ。多くの観客で溢れる活気に満ちた空間が本当に懐かしい。

 さまざまな想いがめぐるなか、今作を観て改めて彼らのライブ、音楽の魅力を再認識した。

 BURNOUT SYNDROMESのライブといえば、石川大裕(Ba&Cho)のアイデアを元に構築された多彩なストーリーや演出も魅力。それも単純なストーリーではなく、人間の本質にも迫る部分があるのも彼らの特徴だ。15th Anniversary Tour 2019→2020『Who am I?』ではメンバーがライブ前に記憶をなくすというストーリーで、人が生きていくにあたって重要な「記憶」にフォーカスしたライブだった。演奏をしていく中でライブ後半で記憶を取り戻し、大団円を迎えるというもので、改めて彼らのスケール感の大きさを感じさせた。これまでも全国ワンマンツアー2019『明星~We have a dream~』でタイムマシン、時間をテーマにしたり、SFが好きな石川の趣向も反映されたスペクタルな演出で楽しませてくれる。

 廣瀬拓哉 (Dr&Cho)はファンとバンドの一番の掛橋になっている。映像制作やライブ前の時間を楽しめるような特設サイトの制作など、ネットを通じたコミュニケーションを担っている。筆者が取材してきた中で、ツアーリハーサルでデスクトップのパソコンを持ち込み、リハの合間を縫って作業していたのも印象的だった。ライブ本編だけではなく開演前から終了後まで、余すことなくエンターテインメント、という気概が彼の行動からも垣間見れた。

 そして、この5年の軌跡は音楽面を一手に手掛ける熊谷和海(Vo, Gt)の精神面での成長でもある。彼の音楽制作へのモチベーションの高さ、一曲一曲に対するこだわりがすごい。取材を行うたびに驚かされる。そのためライブでも完璧を求めてしまう、純粋にステージを楽しむよりもプレッシャーの方があったことを明かしていた。それが2019年のツアー『明星~We have a dream~』の時には、ステージを純粋に楽しめるようになってきたと笑顔で話す熊谷の姿が印象的だった。それは、納得のいく楽曲が作れてきたこと、ファンからのレスポンスなどが彼の背中を大きく押したのではないか。2018年~2020年と熊谷のライブへのスタンスの変化も画面を通して感じ取れるのではないだろうか。それをこのBlu-rayでも確認できるはずだ。

 そして、フルで収録されたというところにも大きな収穫があった。これまでは一つのライブから楽曲をいくつかセレクトしCDに付属したDVDやBlu-rayで彼らのライブ映像として楽しんでいたが、この構築されたライブの流れを余さずパッケージしたことで、一曲一曲の重みも増していた。改めてオープニングからエンディングまでで一つの作品だということを痛感させた。彼らのライブは綿密なストーリーがあるため、より一つの作品という傾向が強い。

 今作の本編15th Anniversary Tour 2019→2020『Who am I?』は、約2時間全16曲が収録されているのだが、ストーリーも相まって良い映画を一本見たかのような充実感を与えてくれる。筆者は同ツアーの東京公演を体験したのだが、これは生でライブを観ている時とはまた違った感覚で、映像になったことによって新たに得られた感覚だった。

次なるフェーズへ向かう兆し

 今作は「-Live in JAPAN-」とサブタイトルがついているのも意味深で興味深い。ここから海外を見据えた活動が始まっていくのではないか、ということを示唆しているようだ。

 実際、海外から多くのレスポンスがある。2020年「海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」をランキングにした Spotifyのプレイリスト「Global Hits from Japan」で「FLY HIGH!!」が15位、「ヒカリアレ」が50位にランクインするなど、海外での反応も良い。加えて昨年リリースされた「PHOENIX」(TVアニメ『ハイキュー!! 』OPテーマ)。同曲のMVはYouTubeで公開されているが、そのコメント欄には「 burnout syndromes really did a good job and always create a masterpiece」(良い仕事をし、毎回傑作を生み出す)など、海外から賛辞のメッセージも多く見られ、現在900万回再生を超え、まもなく1000万回再生に届こうという勢いを見せている。

 この海外での反響は人気アニメ『ハイキュー!! 』のOPテーマということもあるが、それだけアニメ作品とリンクした力強さを感じさせる楽曲だという証だろう。純粋な日本語で綴られるBURNOUT SYNDROMESの音楽が海外のアニメファンに新鮮な感覚として届いている。この現象も含めて彼らの音楽がグローバルに認知されてきていることがわかる。

 海外への認知とともにBURNOUT SYNDROMESの代名詞でもある青春文學ロックは、次のフェーズへ突入していくことを予感させた。ライブ会場が大きくなっていけば、彼らの演出はもっとスケール感を広げていくことも可能で、どんなストーリー、パフォーマンス、そして音楽を届けてくれるのか。2021年、さらに飛躍していくだろう3人の活動を考えるだけでもワクワク感は高まっていく。

 そして、3月14日には『THIS IS BURNOUT SYNDROMES -Live in JAPAN-』をメンバーのコメントともに体験できる、オンライン同時視聴会「#バーンアウトのライブカフェ」も予定されている。メンバーの解説とともにまた新しい発見があるのではないだろうか。

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