WOMCADOLE「生きるという事、業火を伝えたい」ロックバンドとして突進し続ける信念
INTERVIEW

WOMCADOLE

「生きるという事、業火を伝えたい」ロックバンドとして突進し続ける信念


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:21年01月20日

読了時間:約9分

 WOMCADOLEが20日、ニューアルバム『共鳴howRING』をリリース。本作は、2019年リリースの2ndアルバム『黎明プルメリア』でメジャーデビューしたWOMCADOLEのメジャー2作目となるアルバム。また、ギタリストにマツムラユウスケ(Gt/Cho)を迎えての現体制としては初のアルバム作品となる。「共に鳴らしたい」という強い願いが込められているという本作の話題を中心に、現在のWOMCADOLEの想いに迫る。【取材=平吉賢治】

2020年はバンドのサウンドがより洗練された年

『共鳴howRING』ジャケ写

――2020年はコロナ禍という世界規模の出来事があり、現在もその状況が続いていますが、WOMCADOLEの活動、心境として昨年を振り返っていかがでしょうか。

樋口 ライブが出来ない日々が続いて、ちゃんと自分を見つめなおしました。物理的ではない所でどうやって皆と繋がれるかを考えながら制作に打ち込んでいましたね。
音楽に救われたからこそ、出来る事をやってきた年でした。

マツムラ 6月に加入してから新型コロナウイルスの影響で全然ライブができませんでした。ライブがない分、制作に集中はできたかなと思います。加入後最初のライブが8月の配信ライブだったんですが、初ライブが配信ライブになるのも今の時代じゃないとあり得ないようなことなので経験としてはいい意味でも一生忘れないライブになったと思います。お客さんを実際に入れての最初のライブは9月の「KANSAI LOVERS」で故郷の大阪でできて嬉しかったです。コロナ禍は誰にも予想できなかったことで、辛かったこともたくさんありましたがその時その時にできることはできたかなと思います。記憶に残る一年でした。

黒野 ライブが満足にできなかったり、思うように活動出来なかった年だったけど振り返ればシングルやアルバム制作、自分の音やプレイを見つめなおしたりなど色んな事が出来た年でした。

安田 (マツムラ)ユウスケが加入してくれて、よりバンドのサウンドが洗練された年だったと思います。確かに思うようにライブ活動が出来たかと聞かれると難しいですが、その分曲作りだったりスタジオだったり、表立った活動以外の時間が増えたのでバンドの基盤を固められた有意義な一年でした。

――2020年にマツムラユウスケ(Gt/Cho)さんを迎えて現体制となりましたが、バンド内ではどのような変化がありましたか。

樋口 面白いアイデア、閃きが止まらなくなりましたね。音楽を始めた時みたいな感覚で楽しんでます。

黒野 全員同い年ということもあるのか、ユウスケが加入した事によって友達同士でやってるみたいな、よりラフにバンドができるようになりました。

安田 一番は曲作り時の引き出しがすごく増えたと思います。以前よりもっとメンバー間でアンサンブルに対する意見交換が増えたし、他のパートからインスピレーションを受けて自分のパートもより良いものになっていっている印象があります。

ハウリング、不安、葛藤、バンドの“共に鳴らしたい”という想い

――本作『共鳴howRING』のテーマ、中核となる想いやコンセプトは?

樋口 会えない日々、ライブが出来ない日々からきています。生活の中でハウリングが聞こえました。葛藤であったり、不安であったり。けどそれも表現したかったんです。ハウリングの綴りをあえて“RING”にしているのは、輪っかというモノを大事にしたかったからです。大きさは関係ないけどちゃんと繋がりたいという想いを込めてます。共に鳴らしたいと強く願っています。

――1曲目「応答セヨ」からパワフルで鋭いロックアンサンブルが轟く本作、サウンドやアレンジ面において特にこだわった部分は?

樋口 WOMCADOLEが持つ武器を最大限に使いました。死ぬんじゃないかと思うくらい叫びながら歌っています。油断した声なんか出さない決意の唄でもあります。

マツムラ サビのオクターブ奏法はかなり気に入っています。ファズでギターソロをハモったり、誰かのひらめきにメンバーがついてきてくれることによってスーパーパワフルアレンジになっていると思います。

黒野 この曲の刻み方はパワーが出るようなピッキングを意識しました。イントロは馬が爆走してるイメージで弾いたのを覚えてます。

安田 ドラム的にはテンポが早く手数も多い曲なので、他のパートの邪魔にならず尚且つ破壊力がでるように意識しました。
レコーディングではクラッシュシンバルを全て穴が開いているものに変えたり、より破壊力があるようにしました。

――「再生」はマツムラユウスケさん作曲で、リードギターのパートやノイズサウンドなどが特に印象的な楽曲と感じます。どのような着想で書かれた楽曲でしょうか。

樋口 再び生きると書いて再生。息を吹き返した感触がありました。

マツムラ 自分の趣味全開の曲を作ろうと思ってできたのが再生です。
歌メロも全編作らせてもらったんですが、完成したらちゃんとWOMCADOLEになっていて面白い体験でした。こんな趣味全開で受け入れてもらえるかなとも思ったんですが、メンバーにデモを送ると好評でマスクの下はニヤニヤでした。

――「DANGER」の強烈なサウンド、歌詞のメッセージ性からは強い情念を感じます。歌詞の<ハウリングした心>が表すもの、この曲に込められた想いとは?

樋口 得意とする曲の一つです。我々にしか出せない重いサウンドに強烈な叫びをのせてます。葛藤をグーパンでぶつけてる感覚です。ガラクタになった訳でもないし、俺の頭はおかしいぐらいが丁度いい。インスピレーションに従った曲です。

マツムラ サビにコードが存在しないのがこの曲のポイントです。(黒野)滉大の思いつきでこのアレンジになったんですが、レコーディングしてみたらカッコ良すぎて笑った覚えがあります。

――「kate」は本作収録曲の中でもメロディアスや切ない曲調が映えていると感じますが、この楽曲の着想は?

樋口 kateは冬の唄で、描写が鮮明に浮かぶように歌い方なども今までにない感じです。
今作では“あなた”を物凄く大事にしています。大事に、大事に、僕が感じた感触を伝えたい曲です。

マツムラ しんしんと降る雪を想像してギターを考えました。Aメロのシンプルなアルペジオ、サビの中で展開していくギターなどこだわりポイントは多いです。僕はレコーディングの時もギターソロを決めうちせずにアドリブや思いつきを取り入れて弾きたいタイプなんですが、この曲のギターソロは2つともかなり決めて演奏したので僕としては不思議な感覚で、苦戦した覚えがあります(笑)。

――「軌跡」は『歴史迷宮からの脱出 ~リアル脱出ゲーム×テレビ東京~』のOP曲ですが、ドラマの内容に寄せた部分もある?

樋口 ドラマタイアップのお話を頂いて、現在について、未来について、改めてしっかりと考えました。未来とは僕たちが追いつく場所です。この世の中になって別にジッとなんかしていないし、考えは止まらない。与えられた切符は絶対に捨てたくはない。僕たちで必ず追いつきたいという強いメッセージを入れました。

マツムラ ギターは他曲同様歌詞に寄り添っています。

――本作のレコーディングで、前作アルバム『黎明プルメリア』と変化した点などは? 

マツムラ 僕個人としてはアルバムをレコーディングするのが人生で初めてだったのですが、すごく楽しくできました。自分の演奏の弱点やクセとも見直すことができて勉強にもなりました。

黒野 今回のアルバムの曲はどの曲もノリを出すのがすごく難しいのでノリを出すのに凄く苦労しました。特に「レイテンシー」はメンバー同士で結構話し合った覚えがあります。

安田 そもそも『黎明プルメリア』時と違うスタジオ、違うエンジニアさんでレコーディングをしているのでサウンドは大きく変わっていると思います。自分自身も昔と比べると好きな音の方向が変わってきているので、現時点の自分が好きで尚且つ一番曲に合っていると思う音を追求出来ました。

――各メンバー、各パートの演奏において、本作で特にこだわり抜いたという点があったら教えてください。

樋口 息をする音、脈打つ声、全部ど真剣に鳴らしています。

マツムラ この曲のココ!っていう点はありません。遠慮せずに演奏するというのはこだわりと言えるかわかりませんが、貫きました。WOMCADOLEの初期メンバーであるギターが脱退して、今までの演奏とはガラッと変わったと思います。今までの曲を愛している人からすると今作のギターはアレルギー反応がでて簡単に受け入れれない人もいると思います。演奏する人が変わったらもちろん曲も変わるのがバンドなので仕方ない事だと僕も思います。演奏家である以上自分の演奏は貫きました。でも僕もまた一人の人間なので、今受け入れられない人にもいつかゆっくり今のWOMCADOLEを愛していただけると喜びます。文章にすると暗い感じになっちゃってますが演奏はもちろん自信マックスでやらせていただいてるのでよろしくお願いいたします(笑)。

黒野 「Noah's」はWOMCADOLE史上最速の曲というのもあるのでフレーズ的にも勢いに凄く重きを置いていて、流れるようなベースラインを意識しました。

安田 どの曲も同じくらい音もフレーズも拘っているので一つ挙げるのは難しいですが、「綴リ」のドラムは実際のレコーディング時に細かいことを抜きにして勢いだけで叩き抜いたのでその時の空気感が感じられると思います。

――作詞面において、コロナ禍という時代背景を含む内容もあるのでしょうか。

樋口 もちろんあります。本当に瞬間というものを大事にしているバンドなので、是非感じとってもらいたいです。

常に最新が最高で最強というロックバンドとしての信念

――昨年から開催の頻度が高くなったオンラインライブについての印象は?

樋口 画面越しであろうと我々がやる事には変わりはなくて、いつだって全力投球の音を鳴らしていました。ただやはり皆とライブをしたいと強く思いましたね。

マツムラ 面白いです。ライブとは全くの別物ですが、こういう文化もアリやと思います。配信なら全国で観れるし、ライブハウスに行くのが億劫な人でも自宅で落ち着いて観れるのでそういう選択もいいと思います。自分でやった感想としてはカメラで撮られるのは人の目を見るのよりなんだか恥ずかしいので少しずつカメラ慣れしたいなと思いました。

黒野 なにも変わらないようでお客さんの前でするライブとはやっぱりちょっと違う気がします。どちらかというといつもメンバーだけでわちゃわちゃやってるスタジオ練習に近い感覚があります。

安田 いい意味で有観客のライブと比べると全く違うものだと思います。そもそもライブに行きたくても用事があって中々会場に足を運べなかった人達にもライブを楽しんでもらえるし、アーカイブが残る配信であれば好きな時に何度もライブを観れるのでそこは強みだと思います。以前はお客さんに向けて放っていたエネルギーが、オンラインライブでは目の前にいるメンバーに放つ事になるのでそこもメンバー同士でお互い触発しあって普段と違うものが生まれていると思います。

――現在、WOMCADOLEが最も世の中に伝えたい想いは?

樋口 生きるという事、そういう業火を伝えたいです。

――『黎明プルメリア』リリース時の前回インタビューで、「突進するしかない」と最後に仰っておりましたが、それはこれからも?

樋口 もちろんです。ずっと現在想うことを真っ直ぐ伝えていきたい。その連続で未来に追いついていきたい。突進はやめません。

安田 常に最新が最高で最強なのがロックバンドだと思うのでその姿勢はずっと変わらないと思います。今後はもっと色んな人に我々の音楽を聴いて欲しいし、やはり何よりも今のメンバーで待ち続けてくれている人に実際にライブを届けに行きたいです。これからもいい曲を作り続けて良いライブを届けられるように頑張ります。

(おわり)

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