INTERVIEW

鈴木保奈美

魅力は「幼さ」。
『おとなの事情』六甲絵里役


記者:鴇田 崇

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掲載:21年01月15日

読了時間:約7分

 人気ドラマ続編に映画、昨年には初エッセー集も刊行、女優として活躍を続ける鈴木保奈美が、映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』(公開中)で、また違った表情を見せている。本作は、イタリアのアカデミー賞で作品賞・脚本賞を受賞。世界中で驚異的な大ヒットを記録した『おとなの事情』(原題:Perfetti sconosciuti/17年公開)を、豪華キャスト共演で日本版にアレンジした作品。中国、韓国、フランス、ドイツ、ロシアほか18か国でリメイクされ“世界で最もリメイクされた映画”と言われている注目度の高い作品だ。

 主演の東山紀之をはじめ、常盤貴子、益岡徹、田口浩正、木南晴夏、淵上泰史という国民的な豪華キャストたちが、“スマホの秘密をバラし合う”世界が戦慄した大人のゲームに参加していく展開の中、鈴木はテレビ出演もする売れっ子精神科医・六甲絵里役を、独特の存在感で好演している。劇中ではさまざまな人間模様が繰り広げられ、観る側の共感度も高そうな内容だが、鈴木本人も、「これでいいんだって、思ってもいいと思うんです」とポジティブにメッセージを受け取ったと明かす。本人に話を聞いた。【取材=鴇田崇】

おとなの事情 スマホをのぞいたら

とってもやりがいのある作品

――本作は世界18か国でリメイクされたイタリアのコメディ映画、『おとなの事情』の日本版リメイクでもあるわけですが、出演が決まった時、どういう心境になりましたか?

 やる気満々で、ぜひやらせてくださいと言いました(笑)。オリジナルの作品も観ましたし、いくつかのリメイク版も観ましたので、これはとってもやりがいのある作品だなって思いました。プロデューサーさんや脚本家さん、共演者のみなさん、いろいろな要素を含め、すべてのことが楽しみで、一刻も早くやりたいという感じだったことを覚えています。

――中でも一番楽しみだったことは何でしたか?

 やはり、ワンシチュエーションという構成ではないかなと思います。舞台のように会話劇が進み、2時間くらいの間に、最初と最後ではまるで違う関係性や感情が生まれていって、とってもお芝居として面白いと思いました。リハーサルもきちんとやるというお話でしたが、リハーサルってすごく面白いんですよ。緊張しましたけどとても楽しみで、そこでほかの6人のみなさんと初めて知ることも多いんです。自分で脚本を読んでいただけではわからないことが多く、「このセリフ、そういう風に言うんですね」とか。いろいろな化学反応があるので、それはとても楽しみでした。

――光野道夫監督からはどういうリクエストがありましたか?

 人間的にとてもスイートな方なので、信頼して進めることができました。とにかくスイートな方なので、わたしが彼女を嫌な女にてしまいそうなところを、監督が必死に引き留めていました(笑)。

鈴木保奈美

鈴木保奈美

“六甲絵里”の魅力は幼さ

――キャストのみなさんと長時間いることが多かったと思いますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

 基本的に毎日、あの場所に全員が行っていて、もちろん多少、場所が変わったりはありましたけど、でもそれも本当に少なくて。基本的には全員同じテーブルにいました。なので本当にチームみたいになりましたし、わたしのイメージでは、ちょうどテーブルが丸かったので、「さあ!今日もリングに上がるぞ!」みたいな感じでしたね。リングに上がったら今日も7人でファイト!みたいな感じでした。

――夫役の益岡徹さんとは、多少のすり合わせはしましたか?

 そうですね。それはもちろんしました。この夫婦はどういう感じなのか、益岡さんも気にされていたと思います。絵里さんのほうが裕福で、六甲さんのほうが苦労人であると。でも学生時代から人気があった先輩で…みたいな設定があったので、そういう話をしながら、非常に知的で楽しい空間でした。

――とても個性的な大人たちがたくさん登場しますが、精神科医の六甲絵里役については、どのような準備をしたのですか?

 役作りという意味では、精神科医という職業の人なので、あの世代の女性で開業していて、どういう家庭環境で育ったのだろうか、どこで六甲さんと出会って今に至るのかという部分を中心に、いろいろとリサーチしました。脚本の岡田惠和さんが、かなり丁寧に人物設定を全員にしてくださっていたので、それも手がかりにしっかり考えました。華やかさも出しつつ、ちょっと気楽さも出しつつ、という感じです。

おとなの事情 スマホをのぞいたら

――彼女の魅力は何でしょう?

 彼女の幼さですね。以前にもどこかでコメントしたのですが、たぶんわたしが今まで映画やドラマでいただいた女性の役のなかで、たぶん一番ダメな女性の役だと思うんです。見た目にはお金もあるし、余裕があるセレブな感じで、知らない人には羨ましがれる立場ではありますが、実は本人は幼い。その中心には、幼い感じがあるような気がしています。精神科医という職業をしつつ、本人的には精神的には幼い部分があるものの、でもかしこい人なので自分でそのことに気が付いてはいるんです。

しっかりした女性の役が多い

――三谷幸喜さんの「総理と呼ばないで」の総理夫人のキャラクターもかなり性格的に幼い印象の役柄でしたが、確かにそういう役柄を演じることはめずらしいのかもしれませんね。

 そうでした。彼女も幼かったですね(笑)。わたしはしっかりした女性の役をいただくことが、自分では多いような気がしています。そういうイメージで思われているのかなって。

――正反対の役柄でオファーが来ると、うれしいものですか?

 自分としてもうれしいですし、絵里さんの幼さに限らず、けっこうこの映画って、7人それぞれの人間的にダメなところが描かれていますよね。ちょっと足りないところ、面倒くさいところだったり。でもそれは否定しなくてもいいのではないか、そこがチャーミングなところじゃないかっていうメッセージがあるような気がしています。絵里さんの幼さ、頑なさみたいなものが、それが彼女のチャーミングなところでもあるわけです。だから修正しなくてもいいのかなっていう。それは自分自身の役という意味でもそうですし、観てくださるお客さんがそういうポジティブな感じを受け取っていただけたらいいなと思います。

鈴木保奈美

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それぞれに個性

――映画では夫婦間の問題も炙り出されていってこじれてしまいますが、その点についてはどう思いますか?

 この映画には、それぞれ3組の夫婦のそれぞれの問題が出てくるのですが、「あの時こうすればよかった」という話ではないと思うんです。それぞれに個性があって、完璧な人間もいないわけで、だからいろいろな問題が生じてくる。「こうすれば円満だった」という論点ではないと思う。それぞれがこじれた関係になっていくけれど、それこそが彼らの夫婦象であり、個性なんですよね。

――面白いですよね。正解の夫婦しか出てこなければ、ドラマとしては面白くならないですよね。

 人間の関係性において、何が正しくて、何が正しくないかってないと思いますし、こうすれば上手くいくから問題なかったのに、って考えると、面白くないと思いますね。

――世の中、聖人君主ばかりではないというか、むしろそこに向かって努力を重ねていくものですよね。

 これでいいんだって、思ってもいいと思うんです。特に今の時代、人に迷惑をかけまくることはダメですけど、完璧に何でもできなくていいんだって、この映画が何かそういうメッセージにもなればいいなって思います。

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