「毎日どこかに、嵐がいた」――。『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)最終回が放送された夜、流れたTVCMで使用されていた言葉だ。パッとテレビをつけた時にある5人の笑顔や、合間に流れるCM…本屋には表紙を飾っている雑誌がずらりと並び、街を歩くと広告でニッコリと微笑む彼らがいた。デビュー曲「A・RA・SHI」の<You are my SOUL! SOUL! いつもすぐそばにある>という歌詞のように、いつも人々に寄り添ってくれていた嵐。そんな彼らの21年に及ぶ活動が、今日一つの区切りを迎える。

 【写真】今年12月、5人の姿

 2019年の活動休止会見で、「(休止までの)およそ2年近くかけて感謝の思いを伝えていく」と話していた櫻井翔。その言葉通り、活動休止までの約2年間は、これまで以上にファンファーストの精神を強く感じる期間となった。

 例えば、東京ドームで行われた、デビュー20周年のアニバーサリーツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』では、ファンクラブ会員が必ず1回は参加できるようにと、全50公演・総動員数237万5000人の日本史上最大規模で実施。2018年から2019年にかけて行われた同ツアーの最中に、活動休止が発表された。ファン一人ひとりに感謝を伝えたいという気持ちがあったのだろう。個々の仕事も多くあるなかでの50公演は、「この決断は命懸けだった」と話すほどの過酷な挑戦となったが、「ファンの笑顔がみたい」という一心で彼らは駆け抜けた。

 また、2019年7月からは、「いつも応援してくださるファンの皆さんに、“ありがとう”の気持ちで何かできないかな?」という想いから、グループ初の展覧会『ARASHI EXHIBITION "JOURNEY" 嵐を旅する展覧会』を開催。コンサートの衣装や、20年の歩みを振り返ったオフショットなどが展示され、それぞれがプロデュースしたブースも用意された。「ファンが喜んでくれること」を常に考えている彼らが考えたこの展覧会は、ファンにとって、特別な思い出となったことだろう。

 同年11月には、国外にいるファンにも感謝を届けるために、これまでライブで訪れたことのないアジア3都市(ジャカルタ・シンガポール・バンコク)、そして多くのファンがいる台北の4都市を専用ジェット機で回り、会見を行うキャンペーン『JET STORM』を行った。また、同月のCDデビュー日には、Twitter・Facebook・ Instagram・TikTok・weiboの公式SNSを一斉に解禁。初投稿では、“今までよりもより身近に”とファンへの想いを馳せていた。

 日本のみならず、全世界にいるファンへも感謝の想いを伝えた嵐。本来なら今年の4月から、中国・北京でのライブを開催し、5月には新国立競技場のこけら落としとなるコンサート『アラフェス2020 at 国立競技場』が行われるはずだった。だが、新型コロナウイルスの猛威により、ライブは軒並み中止に。今年は、彼らにとって活動休止前ラストイヤーだ。メンバーたちは、ファン以上に歯がゆい想いを抱えていたことだろう。

 しかし、思うような活動ができないなかでも、YouTubeでは、外出自粛中の人々が少しでも楽しく過ごせるようにと、5大ドームツアー『untitled』と、国立競技場で開催したライブ『アラフェス』の期間限定の無料配信を行ったり、子どもたちやその親世代のために、『リモート紙芝居』をする試みを行った。また、Instagramのストーリー機能では、メンバーがそれぞれ順番で自粛期間中の私生活をアップ。“いつでもそばにいるよ”という彼らの想いが伝わってきた。

 まさに、ファンと共に、ファンのために…と歩んだ嵐の21年間。昨年の『24時間テレビ42』(日本テレビ系)で、相葉雅紀が読んだ手紙には、「まだかなってない夢、この5人で絶対にトップになろうね」と書かれていたが、今月26日に放送された『嵐にしやがれ』最終回では、いつも謙虚な大野智が「うちら、トップじゃん」と言い切っていた。2004年に初めて、「トップになりたい」と宣言した時は、「鼻で笑う人も少なくなかった」というが、17年の時を経て、自他ともに認める“トップアイドル”になった。

 9月に始まった嵐と賛同企業13社によるプロジェクト『HELLO NEW DREAM. PROJECT』では、未来が見えにくい今だからこそ、夢を持つことを応援したいという想いのもと、デビュー曲「A・RA・SHI」にある“夢だけ持ったっていいでしょ?”をキーメッセージとしたさまざまな施策が行われた。このキーメッセージは、嵐も背中を押されたフレーズだという。彼らは、活動を通して、夢は必ず叶うということを体現してきた。

 21年間、人々の“日常”であり続けた嵐。ファンはもちろん、ファンではない人にも、「嵐っていいよね」と思わせる力がある5人は、文字通り嵐を巻き起こした。来年からは、一旦それぞれの活動を行うことになるが、「“休止”と書いて“パワーアップ”と読む」という相葉の言葉のように、再び集まった時に、誰にも止められない嵐をまた巻き起こして欲しい。5人の弾けるような笑顔に、また出会えることを祈って。【かなぴす】

筆者紹介

かなぴす メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動行っていた。エンタメとファッションが大好き。ツイッターは@kanawink

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