King & Prince

 ジャニーズ所属グループのうち、今年のNHK紅白歌合戦に出場するグループにスポットをあて、今年の活動を振り返る連載。第1回目はKing & Prince。

 今年は、シングル2枚とアルバム1枚をリリースしたKing & Prince。今月発売されたシングル曲「I promise」では、初動3日間でハーフミリオンを達成し、グループ史上最高の好発進を記録するなど、その勢いは止まることを知らない。そんな彼らが今年リリースしたシングル曲とアルバムのリード曲は、どれもが全くテイストのちがう楽曲なのが興味深い。

 まず、2020年一発目に出した「Mazy Night」では、グループ史上最高難易度のヒッポホップダンスに挑戦。それまでの彼らと、大きくイメージを変えた楽曲とも言えるだろう。平野紫耀が、Sexy Zoneの中島健人とともに主演を務めた『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)の主題歌でもある同曲は、英語を多用した歌詞や、ダイナミックなサウンドが印象的だ。彼らがデビュー当初から掲げていた「海外進出」への夢に、急速に近づいていると強く感じた「Mazy Night」。グループの持つ「暗」の部分を全面に押し出した同曲は、“どんなテイストでも決まるKing & Prince”を体現した作品のように感じる。

 続く9月には、2ndアルバム「L&」をリリース。“King & Princeの居る場所、みんなで楽しめる場所”をテーマとした同アルバムは、コロナ禍真っ只中に制作されたこともあり、人々に寄り添い、励ます楽曲が多かったように思う。そんな同アルバムの初回限定盤Bに収録されていたのが、アメリカ武者修行の様子を捉えたドキュメンタリー映像だ。Hip Hopの世界大会で優勝経験を持つメルビン・ティムティムや、ブルーノ・マーズの振り付けで知られるフィル・タイヤとのダンスレッスンに挑む彼らの目からは、「海外進出」への強い想いが伝わってきた。また、表題曲の「&LOVE」は、ポップでキュートな世界観のMV(ミュージックビデオ)が印象的だ。これまでのMVとは異なるラフな表情。「王子様」、「クール」という彼らの強みに、「ポップ」や「キュート」が追加されたように感じた。

 そして、今月16日にリリースした「I promise」は、初の冬ラブソング。デビュー曲の「シンデレラガール」をはじめとし、「Memorial」「koi-wazurai」などハッピーテイストなラブソングのイメージが強い彼らだが、「I promise」は、成就しない恋と感じながらも、変わらぬ愛を誓う男性の一途な想いを歌った切ない楽曲になっている。初回限定盤Aには、5人それぞれが演じるラブストーリーも収録。彼女をバイクの後ろに乗せるシーンや、ビデオ通話をするシーンなど“彼氏感”を堪能できるシーンが盛りだくさん。だが、喧嘩をする場面など、“リアル”なシーンも登場するのが面白い。恋を叶えてくれる“王子様”ではなく、恋にもがく“等身大”の彼らを堪能することができる。これも、King & Princeの新たなテイストへの挑戦と言えるだろう。

 今年の彼らのリリース曲を振り返ると、王子様イメージを一新するというよりも、当初のイメージを大切に守りつつ、新たな可能性を広げた一年だったように感じる。2021年は、どんなテイストに挑んでいくのだろうか。彼らの可能性が未知数であることを実感した2020年。来年のKing & Princeの挑戦にも期待が募る。【かなぴす】

筆者紹介

かなぴす メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動行っていた。エンタメとファッションが大好き。ツイッターは@kanawink

記事タグ

コメントを書く(ユーザー登録不要)