INTERVIEW

吉田美月喜

リアルがそこにはありました。
『今際の国のアリス』アサヒ役


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:20年12月24日

読了時間:約7分

 12月10日に全世界同時配信され話題を集めている、Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』。麻生羽呂原作の大ヒットコミックの実写化だ。今年17歳になった吉田美月喜は、圧倒的なスケールで描かれるこの世界に等身大の女子高生・アサヒ役として身を投じた。「漫画で描かれた世界が現場に本当に実在しているようで、皆さんのリアルな演技にも引き出され素直に演じました」。今の彼女だからこそ表現できたアサヒがいる。【取材・撮影=木村武雄】

新しい発見の連続だった3年間

 2017年に芸能界入り。2020年は、ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ)に始まり、映画『鬼ガール!!』、『たぶん』と話題作への出演が続いた。それまではテニス漬けのスポーツ女子だった吉田美月喜。この3年間はどのようなものだったのか。

 「事務所に入ってからは新しいことばかりで学ぶことが多くて。社会を知ることが出来たと言いますか、大人の方と話す機会が増えたことで学ぶこともあり、新しい発見があった期間でした」

 まだあどけなさが残る。「まだまだ何事もいっぱいいっぱいです。オーディションは毎回緊張しますし、撮影現場もこうした取材でも緊張しますし。一番緊張するのは入るまでの過程で、本番は意外と一瞬で終わるかもしれないです。本番に強いタイプなんですかね」とまっすぐな眼差しを向けて笑う。

 一つ一つが新鮮であり、挑戦でもある。『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』では、主人公の一人、レン(清野菜名)を一方的にライバル視する囲碁少女・東山楓を演じた。

 「楓は、明るくて年上にも臆することなくフレンドリーに話すキャラクターでした。コメディの要素もあって、それをバランス良く表現することができなくて、こういう役はできないかもしれないと自信をなくしました。でも、楓のことを考えることも楽しくて、色々な役を演じてレベルアップしたいと思うようになり、その時に何か乗り越えられた気がしました」

 普段の役作りで心掛けているのは、役柄との「共感」。男女の切ない別れと新しい一歩を描いた『たぶん』ではサッカー部のマネージャー・江口を演じた。意識したのは「清純さ」だった。印象的なシーンがある。夕日を浴びて浜辺を歩くシーンだ。その光を透過させるがごとく、吉田は透明感があり、そして光り輝いていた。

 吉田の出演が決まった時、メガホンを握ったYukiSaito監督は「吉田美月喜を夕日で撮りたいと思った」と言った。「すごく嬉しかったです。撮影は西伊豆で、すごく綺麗でした」

 「ロケーションに助けられました」とも語った。その体験は自身にとって大切なものだった。

 「そう感じたのはこの撮影が初めてかもしれないです。自分の中で役のイメージを作って現場に行きましたが、あまりにも綺麗だったので、あまり考えないで感じたものをそのまま表現してみようと思いました」

 その体験は『今際の国のアリス』でもあった。

木村武雄

吉田美月喜

セット、共演者が生んだリアル

 『今際の国のアリス』は、人生に夢や生き甲斐を見出せず曖昧に生きてきたアリス(山崎賢人)と、どんな苦境でも「生きる意味」を探し続けるウサギ(土屋太鳳)が、突然放り込まれた謎の世界“今際の国”で共に信頼を築き、「生き延びる」ために理不尽な現実に挑む姿を描く。

 吉田演じるアサヒも“今際の国”に放り込まれた女子高生。アサヒは、ボーシヤ(金子ノブアキ)が頂点に君臨する“ビーチ”から登場する。この“ビーチ”のシーンのキャストには他、村上虹郎、三吉彩花、桜田通、朝比奈彩、柳俊太郎、阿部力、青柳翔、仲里依紗らが名を連ねる。

 「漫画で描かれた“ビーチ”が本当に現場にありました。そのなかで尊敬する先輩方々の圧倒的な演技力と雰囲気に、演技していたというよりもリアルにそこにいることができたと思います。怖さや優しさ、素直に感じたものをそのまま出した感じです」

 良い意味で雰囲気に飲まれた。それは現場で生まれた感覚であり「リアル」な演技とも言える。ただ、アサヒと重なる点もあった。

 「私と同じように普通に高校生活を過ごしていたなかで、急によく分からない世界に来てしまった。だからこそ等身大の女子高生でいられるように意識はしました。自分に似ている部分もたくさんあったので、その部分も素直に出たと思います」

 憧れは「自立した芯のある俳優」。それはウサギにも重なるといい「今の私だったらアサヒみたいに流される部分もある。その辺は、リアルな女子高生という部分で私と似ていると感じました」

 一方、強い表情を見せるシーンがある。アリスとウサギが“ビーチ”に訪れた時で、鋭い眼光を放つ。

 「周りの環境に流されてはいけないという思いが目に表れたと思います。自分自身の弱さに負けてはいけないという覚悟を決めた瞬間だったのかもしれないです。“ビーチ”は周りの人たちが敵にも見えますし、誰も信用できないと思います。そういう中で新しいものが入ってきたときの恐怖感はどこかにあると思います。でもそれにも負けてはいけないという思いがあったと思う」

 アリスを演じるのは事務所の先輩、山崎賢人だ。

 「カメラが回っていない時は周りの方と本当に楽しそうにお話をされていて、現場を明るくさせる方でした。でもカメラが回ると一瞬でアリスになって鳥肌が立つくらい迫力のある演技をされていた。その役への切り替えのすごさと、現場の周りを見る目は尊敬しかなかったです」

 この3年間で感じたのは「シリアスな場面はまた違いますが、現場は明るい方がポジティブにスムーズに進むこと」。そして、本作での山崎賢人の立ち振る舞いで感じたこと。「いずれは周りを明るくできる人になりたい」

木村武雄

吉田美月喜

豊かな感受性を作った幼少期

 現場で何かを感じる。それは豊かな感受性を表しているとも言える。『たぶん』での夕焼けシーンにしかり、『今際の国のアリス』の“ビーチ”のシーンにしかり。何かを感じ取るのも才能の一つだ。

 「家では、テレビやゲームが禁止されていました。本を読むのが好きだったので、もしかしたらその影響もあるかもしれないです。それとクラシックバレエをやっていたのは、表現するものなので大きかったかもしれないです。本を読んだりバレエで表現することをやっていたのは、良かったなと思います。親には感謝しています」

 来年3月には高校を卒業する。「自立した芯のある人」それは俳優としての目標で、山崎賢人は憧れの一人でもある。そして、もう一人、大事な存在がいる。

 「今までとはまた違う、新たな事に挑戦できることも増えると思うので、今はいろいろな経験をしてみたいと思っています。母は色んなことを経験していて、かっこいいと思っています。沢山経験してきたからこそ出てくる選択に対する自信や、自分を信じられる気持ちはあると思います。私もそうなりたい」

 そして、こう続ける。「覚悟をもってやっていきたい。女優として活躍できるようになりたい。それが今生活の中心になっています」

 きっと『今際の国のアリス』も自信につながる一つの大きな経験となるだろう。

※山崎賢人の「ざき」は「たつさき」が正式表記
※柳俊太郎の「やなぎ」は旧漢字

(おわり)

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Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」
Netflixにて、全世界独占配信中
(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

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