木暮”shake”武彦「扉を開いてくれた」セルフカバーで気づいた自分らしさ
INTERVIEW

木暮”shake”武彦

「扉を開いてくれた」セルフカバーで気づいた自分らしさ


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年12月21日

読了時間:約6分

 RED WARRIORSのギタリスト・木暮”shake”武彦が、ソロアルバム『Birthday Song』をリリースした。コロナ禍により還暦ライブをはじめ、すべてのライブが延期になるなか、STAYHOMEを楽しめるようにと、6月にサイコデリシャス以降のソロ作品をカバーした前作『たまには弾き語り~ギターを弾いて歌うことができるCD』をリリース。今作はRED WARRIORSの楽曲をセルフカバー。当時1stアルバム『LESSON 1 』の収録曲の中で、唯一、作詞・作曲を一人で担った「GUERRILLA」を含む全12曲を収録した。MusicVoiceではアンケートによるインタビューを実施。RED WARRIORSのナンバーをセルフカバーすることで感じたことから、シンガー、ギタリストとしての”shake”の二面性に迫った。【村上順一】

自分が演奏して最高に楽しいものにしたかった

『Birthday Song』ジャケ写

――2020年を振り返って、改めてどんな年だったと思いますか。印象的だったことや考えていたことなどお聞かせください。

 コロナの影響で、自分の還暦ライヴやその後のツアーが延期になりました。しばらくはライヴはできないということで、レコーディングをやることにして、アルバム2枚作ってるうちにライヴをやってもいい雰囲気になってきたので、少しずつやり始めています。ライヴは少なかったけど、いつも何かに向かい続けることができた。歌やギターにじっくり向かうことができて音楽的には実りのある時間でした。

――今回、RED WARRIORSの歌をセルカバーしようと思われた背景を教えてください。

 40歳を過ぎたあたりから自分で歌うアコースティックライヴをやるようになって、その頃からRED WARRIORSの曲を少しずつやるようになり、50歳を過ぎたあたりから、いつかは自分が歌うアルバムを作るのもいいかなと思ってた。

――選曲、曲順はどのように決められたのでしょうか。そして、今作をどのような作品にしたいと考えてましたか。

 基本的には自分が作詞もしたもので、いい感じで歌えて、リアレンジして面白くなりそうな曲を選びました。今の自分が演奏して最高に楽しいものにしたかった。

――初めてお一人で作詞された「GUERRILLA」ですが、当時制作した時のエピソードがありますか。

 自分にとってロック以外に正しいものはなかった。大事なのはロックをやることだったけど、デビューしてからは「売れそうなものをやれ、好きなことは売れてからやれ」という大人のビジネスの世界からの圧力があり、それと戦って、全てが無くなりそうだった時にこの曲ができた。自分の気持ちを歌詞に書くってこういうことなんだと思った。

――実際に歌われてみて、改めて気づいたことなどありましたか。

 この頃の体験が大きなバネになったのかなと感じました。自分らしさに向かう扉を開いてくれたと思う。

――今作でアレンジや、レコーディングで一番こだわったところを教えて下さい。

 各曲がどういう方向に向かうと良いものになるのかを見極めて、あとは遠慮なしにアイデアを出しました。

――収録曲の中でご自身の想像を超えた楽曲はありましたか。

 「GUERRILLA」、「Outsider」、「Wild Cherry」、「Summer Days」かな。

――今作で使用したギターやアンプなど機材について教えて下さい。

 アコギはブルーリッジのカッタウェイがメインで、アルペジオ用にはブルーリッジのノンカッタウェイを使いました。エレキはフェンダーストラトキャスターがメインで、プロヴィデンスのストラト、ビル・ローレンスのハムバッキングとギブソンのES-335を使いました。アンプはZinkyです。エフェクターは1箇所、ロータリースピーカーのシミュレーションを使ってるだけで、ほぼ歪み系、リバーブ、ディレイだけです。

――ご自身にとって「歌う」ということはどのように捉えていますか。

 もうソロになって25年経っていますが、ずっと「ギタリストだけど歌もちょっと歌う」という気分でしたが、ここのところはわりとシンガーという気持ちにもなってきました。

もっと自由に弾きたい

――ギターを始めたきっかけ、エピソードを教えて下さい。

 一時期、兄弟のように暮らしていた2つ上の人がある時「教えてやる」と言って教えてくれました。自分としては嫌だったけど、やったら楽しかったですね。初めて弾いたのはアニマルズの「朝日のあたる家」です。

――キャリアの中でギターで衝撃を受けた、人生や考え方が変わった曲などありましたら教えて下さい。

 レッド・ツェッペリンの「天国への階段」のギターソロは、こんなに決まってるソロがあるんだと驚きました。ピンク・フロイド「Time」は宇宙を優雅に飛び回っている大蛇のように感じました。ジェフ・ベック グリーン・スリーヴス アコギの和音がとても気持ちよかった。

――ギタリストとして、今どんな理想像を浮かべていますか。

 作曲としてもそうだけど、絵や風景、物語を描くような音が好きです。美しいものでも、恐ろしいものでも、現実ではなかなか感じることができない魅惑的な世界に向かっていけるような音を出したいです。まだまだ。もっと自由に弾きたい。

――ギターを弾く時に一番大切にされていることは何でしょうか。

 気合いと気楽な気持ち。

――最後に今どんな使命を持ちながらアーティスト活動をされていますか。アーティストとして大切にしていることなどありましたら教えてください。

 使命ではありませんが、最後まで本当に好きなことだけをがんばりたい。

(おわり)

作品情報

 作曲してから30数年、還暦にしてshakeが初めて歌うRED WARRIORS のセルフカバーアルバム。「今」のshake が、自身のバンドBig Mountain Blue の自由な演奏と共に転生させた。発売に先駆けMV にて公開された「Guerrilla」「Casino Drive」の他、「Outsider」「Another Day,Another Time」など全12 曲が収録される本作、作曲者自らが、オリジナルをここまでアレンジすることができるのか、という驚き満載のセルフカバーアルバム。

RED WARRIORS Cover Album「Birthday Song」 2020.11.25 now on sale

1.Casino Drive
2.Guerrilla
3.Outsider
4.Wild Cherry
5.バラとワイン
6.Day After Day
7.Morning After
8.Old Fashioned Avenue
9.Another Day,Another Time
10.眠らない森のように
11.Summer Days
12.Birthday Song

◇PROFILE 木暮"shake"武彦 ギタリスト、作曲家
1984 年デビュー。レベッカ、レッドウォーリアーズで活躍したのち、1989 年、渡米。カリフォルニアで、5 年半の音楽活動。帰国後、2003 年、富士山麓へ移住、アートと宇宙をテーマにした、Mt デリシャス、地球の自然をテーマにしたアコースティックシリーズなど多数発表。現在、再結成レッド・ウォーリアーズの活動と並行して、Big Mountain Blue と共にソロ活動中。2019 年、27 枚目のオリジナルアルバム「楽園の向こう側」を発売。

ライブ情報

1月8日(金)【BMB6】西川口・LIVE HOUSE Hearts

1月22日(金)【BMB6】高円寺・HIGH

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