ベイビー・ブー、コロナ禍の1年振り返る 彼らが思う今年の“漢字”とは
INTERVIEW

ベイビー・ブー

コロナ禍の1年振り返る 彼らが思う今年の漢字とは


記者:編集部

撮影:

掲載:20年12月14日

読了時間:約8分

 五人組コーラスグループのベイビー・ブーが14日、今年の漢字を公開し一年を振り返った。コーラスグループということで、メンバーだけでなく観客とも「声を合わせて歌う」ことが出来なくなった事態から始めたSNSでの歌唱動画投稿は、これまで300日を超え現在も継続中。エンターテイメント業界において様々な影響を及ぼした今年のコロナ禍で、彼らは何を思い活動してきたのだろうか? 5人に話を聞いた。

笑顔でいられる力となっている

Twitterでの歌唱動画

――今年の春先から緊急事態宣言に至る頃、様々なコンサートやイベントが軒並み中止や延期となったわけですが、その時皆さんはどんなことを思いましたか?

チェリー 2月末に自分たちの恩師であるプロデューサーの方が他界し、気持ちにぽっかりと穴が空いてしまいました。そんな中、世の中がコロナの影響でどんどん変化していき、決まっていたスケジュールはすべて中止。これからどうなってしまうのだろう? と不安で堪りませんでした。

ユースケ これほど長引くものとは思っていなかったので、イベントやコンサートが中止になっていく中、今まで考えもしなかった事態が起きているのだと思いました。

シノブ 歌える環境以前に、自分の生活や生きていく為にどうすればいいかということまで考えました。

ケン コロナウィルスの実態もほとんどわからず不安でしたが、それでも音楽や歌で自分たちに何かできることを見つけなければと思いました。

ユウ 歌うことが出来ない中、僕らは今後必要とされるのかと不安になりました。

――音楽や自分達が「今必要なのか?」ということまで思った中、3月5日から「今日も歌ってみた」と題してTwitterで歌唱動画を公開し始めましたね。

チェリー 昨年から不定期で『今日は何の日?』と題して、その日にちなんだ歌を歌った動画をTwitterに上げていました。皆さんの一日が少しでも明るく豊かなものになるようにという思いでやっていたのですが、世の中全体が自粛で落ち込んでしまっている中、今僕たち5人で出来る事をしようと。そして、やるからには『毎日365日続けて上げよう』と決意しました。

シノブ ミュージシャンとして生きている証を何か持続していかないと、自分たちの存在意義を見出せずに落ち込んでしまいそうでしたので、日々大変ですが継続してできるものに巡り合えたことは良かったと思います。

チェリー メンバーが集まらずにリモートで声を合わせる環境が整えられていたのは、2月に亡くなったプロデューサーの方が、メンバーがスキルアップする為にそれぞれの家に機材を用意して録音出来るようにしたらどうか?と言ってくれていたおかげだったので、いち早くリモート録音に対応出来ました。

ケン 自分たちのハーモニーで少しでも笑顔にしたいと明るく元気になれる歌を選びました。音楽や歌がどんな力になるか分かりませんでしたが、ハーモニーは温もりや安らぎを与えるものだと信じていました。

ユウ 動画を見てくださる方に少しでも喜んで頂けたら嬉しいとは思いましたが、それ以上に自分たちが何かをしていないと不安で押し潰されそうになっていたのが正直な気持ちです。

ユースケ このSNSでの投稿は、自分たちができることでもあり、日々応援してくださる方にも喜んで頂けるという2つが叶った取り組みになっています。頂くコメントやメッセージに励まされ僕たちも続けることが出来ていると思います。

――すでに連続での投稿が300日を超えましたが、SNSを通じ毎日歌唱動画を上げていく中、何か変化や反響はありましたか?

チェリー 見て頂いた皆さまに少しでも笑顔になって頂きたいという想いで始めたことですが、こうやって日々皆さんと繋がっている事で、僕自身が笑顔でいられる力となっている事に気がつきました。

ケン 5月5日のこどもの日には、みんなで『こいのぼり』を歌おうと歌唱動画を募り、参加された方がリモートで歌った合唱の動画を作り公開しました。

ユースケ 以前MVで共演させて頂いた子役の白鳥玉季ちゃんをはじめ、多くのアーティストの方が賛同して頂きました。外出制限が重なり、今年はこいのぼりが泳ぐ姿を見ることが出来ないと思い企画しましたが、子供たちをはじめ多くの方に届けることが出来たと思います。

シノブ テレビ番組などで共演させて頂いた方が『Twitter見ているよ!』といって頂いたことが嬉しかったです(笑)。

――そういった歌唱動画投稿で毎日歌に向き合う中、オリジナルソングの「みんなのメロディー」が生まれましたがどういった思いで制作されたのですか?

「ともしび」最後の日にスタッフの皆さんと

ケン ベイビー・ブーの故郷ともいうべき、新宿の『うたごえ喫茶ともしび』さんがコロナの影響を受け大ピンチだという事を伺い、自分たちに何かできないかと考え『みんなのメロディー』という歌を作りました。『声を合わせて歌う』ということが出来ない状況で、みんなで歌う事の喜びや楽しさ、そしてまた皆さんと歌いあえる日が来ると信じ未来への希望を込めました。

ユウ 1954年から営業を続けている『うたごえ喫茶ともしび』は、9月30日をもって新宿での66年の歴史にいったん幕を閉じましたが、新店での再起に向けて動き出しています。僕たちは毎月1回『ともしび』で歌わせて頂いていたのですが、早く皆さんと歌い合える日が来ることを願っています。

今年を漢字一文字で表現するなら?

8月に行ったコンサートの模様

――毎日動画を投稿してきたことでレパートリーもだいぶ増えたのではないでしょうか? 現在までコーラスのレパートリーは何曲になりましたか?

シノブ コロナ以前が約800曲のレパートリーでしたが1000曲は超えたはずです。これまであまり取り組まなかったポップスや、洋楽、さらにはゲーム音楽などすべてのコーラスアレンジを行ってきましたが、自分にとっても良い勉強になっています。

ユースケ 私たちは師匠のボニー・ジャックスさんから5000曲のコーラス譜面を受け継がせて頂き、様々な名曲を歌い継ぐという思いで活動しています。今回のコロナ禍で歌うことの意味や自分たちの存在を考えたこともありましたが、こうやって新たなレパートリーが増えたことはSNSでの動画投稿を続けてきた甲斐があったと思っています。

――NHK R1「らじるラボ」のレギュラーや、BS朝日「人生、歌がある」へのレギュラー出演など、今回のSNSへの動画投稿だけでなくメディアでも皆さんの歌声を聞く機会が増えた2020年でしたが、改めて特別な一年となった今年を振り返り、漢字一文字で表現すると、どのような漢字が思い浮かびますか?

チェリー 今年の漢字は『縁』ですね。コロナ禍で様々な距離が出来てしまったことで、ファンの皆さんをはじめ、これまで応援して頂いた方々との「縁」があって今の自分たちがあることが再確認できた一年でした。

ケン 人との出会いや繋がり、そして『縁』の大切さや大事さを知りました。応援してく頂く方々との『縁』があったから今があると思います。久しぶりに皆様の前で歌った8月のソーシャルディスタンスコンサートで、会えなくても待って応援し続けて頂いたファンの皆様の温かい拍手に心が震えました。

ユースケ 私たちは『武道館で一万人の大合唱』をすることを目標にこれまで活動してきました。去年の年末には、『あともう少しで手が届く!』と2020年を迎えましたが、思い描いていた未来とは少し違う一年となりました。改めて『人との距離』について考えることが増えた特別な一年で、人との繋がり、すなわち『縁』について強く考えました。これまでに出会った『縁』が、いつか武道館に繋がっていくと思っています。

――ラジオやテレビでは様々なアーティストの方々とのコラボといった「縁」もあったのでは?

シノブ 毎週金曜日に出させて頂いている「らじるラボ」(NHK R1)では、いつかアカペラで一緒に歌いたいと思っていた由紀さおりさんや、音楽の中で会話をするような感じだったクミコさん、声を出した瞬間にカラフルな世界に導いてくれた岩崎宏美さん。素晴らしい歌手の方々が『アカペラ』というベイビー・ブーのフィールドの中で一緒に歌って頂けたことは、番組で作って頂いた『縁』ですね。

ユウ 「人生、歌がある」(BS朝日)に出演させて頂くことで、多くのアーティストの方々とコーラスで共演させて頂いています。ベイビー・ブーの中では振り付け担当なので、その振りによって共演された方が盛り上がった時や、番組スタッフの方に褒めて頂けた時は喜びとともに次も頑張りたいと力が湧いてきました。番組を通じて出会った『縁』から生まれる力を改めて実感しています。

――さて、12月19日には感染予防対策を行ったうえでクリスマスコンサートを行います。どういった思いでコンサートを行いますか?

チェリー ベイビー・ブーのコンサートスタイルは『うたごえ喫茶』のようにお客様と一緒に声を合わせて歌うことが持ち味だと思っています。お客様も声を合わせて歌うことで、笑顔になり元気になっていただけると思っていますが、今はまだ会場一体となって大合唱するということはできません。是非心の声で歌って頂き、そしていつの日か大きな声でまた『歌い合える日』が来ることを信じ、未来への希望が溢れるコンサートにしたいです。

ユウ 皆さんも常に不安を抱えていると思います。そんな不安を吹き飛ばして『来て良かった!明日からまた頑張ろう!』と思って頂けるように頑張ります。以前のように声を合わせて一つになる事が出来ないのは寂しいですが、来ていただいた皆さんと一緒に楽しみたいです。

ユースケ 今年の締めくくりになるコンサートですので、今まで頂いてきたご縁、そして、今年頂いたご縁を全て来年に繋ぐようなコンサートに出来ればと思います。常にテーマとしている『笑って泣いて元気になるコンサート』を味わっていただければ幸いです!。

コンサート情報

ベイビー・ブー ソーシャルディスタンスコンサート2020 クリスマスコンサート~クラシックの殿堂で歌う!~
【会場】東京文化会館 大ホール
【日時】2020年12月19日(土)12:30開場/13:30開演
【料金】全席指定
S席5,500円/A席4,500円
【住所】東京都台東区上野公園5-45
【交通アクセス】JR「上野」駅公園口改札徒歩1分
【お問合せ】Ro-Onチケット 047-365-9960
*当公演はコロナ感染対策を行い、ソーシャルディスタンスに配慮して開催されます

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