Non Stop Rabbit、なぜバンドマンがYouTuberに? その真意に迫る
INTERVIEW

Non Stop Rabbit

なぜバンドマンがYouTuberに? その真意迫る


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年12月09日

読了時間:約13分

 総チャンネル登録者数71万人以上、総動画視聴回数2億回超というY(YouTuber)系バンドのNon Stop Rabbit(ノンラビ)が12月9日、メジャー1stアルバム『爆誕 -BAKUTAN-』をリリース。2016年11月バンド結成。翌年3月にライブ活動を自粛しYouTuberとしての活動を開始。以降、アーティストとYouTuberの二つの側面を持ち活動。バンドで国民的な存在になるためにYouTubeを始めたノンラビ。その異色の流れもあり当時はバンドが「なんでYouTubeなんかやるの」と言われ、元々いたファンが離れて行ったこともあったという。

 今年2月にメンバー田口達也(Gt.Cho)が豊洲PITワンマン中止にまつわるファンへの想いとバンドの経済状況が悪化することに対して赤裸々に語ったツイートがSNSやTVなどメディアで話題になったのも記憶に新しい。彼らがなぜ音楽にここまで情熱を燃やせるのか、どんな想いでYouTuberをやっているのかなど田口、矢野晴人(Vo.Ba)、太我(Dr)の3人に話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

それぞれの売れ方があることに気づいた

――メジャーデビューが決まった今の心境はいかがですか。

田口達也 フィールドは変わったという意識はありますが、根本は変わらないです。レコーディングも変わっていないですし、普段やっていることも変わっていないので。良い意味で変わらずにメジャーデビュー出来るのかなと。メジャーは通らなければ僕らの目標には辿り着けないんです。

矢野晴人 やることは変わらないです。メジャーへの憧れというのはもちろんあります。実感はまだないんですけど、こうやって聞いていただく度に実感していく感覚があります。より身が引き締まる思いと、ここからもっと広げていけるワクワク感があります。

太我 まだ実感はあまりないです。学生の時に音楽でプロになりたいなと思っていた時は、メジャーデビューってどうやってやるの? といった感じでした。でも、自分たちだけでやってきて、その限界もわかったんです。ドラマのタイアップだったりTVに出演することだったり。

――ノンラビはバンド活動の場所としてYouTubeを選んだ異色のバンドだと思うのですが、そうなったのはなぜですか。

田口達也 僕らはライブハウスで活動することをやめていたんです。それは売れていないインディーズバンドで対バンして、お客さんが10人もいない中でやり続けても僕らがスターになる事はないと思って。それで路上でライブをしていたんですけど、音が大きすぎて出来なくなって。

――どれくらいの大きさの音を出していたんですか。

田口達也 生ドラムを持っていって、15万円のスピーカー2本設置してライブハウスと同じような感覚でやってました。それはみんなと同じようなことをやってもダメだと思ったので。その効果もあって人が立ち止まってくれるんです。有名なアーティストのライブがある場所でやっていたので、デモCDとかも受け取ってくれるんです。でも、音が大きすぎたので、だんだんやれる場所がなくなってしまって...。それでYouTubeに移行したんです。

――場所を移すというのは簡単に聞こえますが、実際は難しいと思うんです。でも自信はあったんですよね?

田口達也 3人で路上ライブに向かう時にも話をしながらいくんですけど、面白いんじゃないかなと思っていて。その時にYouTuberがバズっていたんですけど、トークだけでいったら、絶対俺らの方が面白いと思っていたので、イケると思ってました。

太我 そんなに有名じゃないYouTuberでもフォロワーが沢山いて、母数が違うなと思っていて、僕はYouTube好きだったのでやりたいなと思っていました。

――でも、バンドからYouTuberになると色んなことを周りから言われると思うんですけど、そこに葛藤もあったのでは?

田口達也 始めた当初はもともといたファンが減りました。ただ好きなことをやって稼いでいるとか、YouTuberが叩かれていた時でもあったので、「堕ちた」と言われたり。バンドが好きな人からすると「なんでYouTubeなんかやるの」って。やり始めた頃は僕らも気にするところがあってダメージはありました。でも、批判的な言葉もだんだん慣れていきましたし、やっていくうちにそれぞれの売れ方があることに気づいたんです。

――どんなことですか。

田口達也 僕らが憧れたアーティストの後を追ってもダメだということです。それはその人たちたがら上手くいったことで、誰も通っていない道を開拓するしかないと思いました。それに気づいてからは、YouTuber、バンドマン、どう形容されても気にしなくなりました。

「いいね」の数の獲得方法がわかった

――YouTuberとしての手応えを感じた瞬間は?

矢野晴人 僕は登録者数が1万人を達成した時です。沢山の人が観てくれているという意識がすごく出ました。緊張するんですけど、やりがいをより感じられた瞬間でした。 

太我 僕はワンオク(ONE OK ROCK)さんの曲で架空請求業者を倒す、という動画がバズった時です。最初はそんなに伸びなかったんですけど、1週間後ぐらいにワンオクさんのファンの方でフォロワーが多い人がリツイートしてくれたんです。そうしたら1万リツイートくらいされて、YouTubeも連動して再生回数が伸びていきました。そこで音楽ファンも獲得出来るんだなと思って。そこからライブにもワンオクさんのファンが来てくれるようになって動員も伸びたんです。

田口達也 僕はTwitterで「いいね」の数の獲得方法がわかった時です。「荒野行動を爆音でやったら、寝ている人は戦争が始まったと思う説」という動画は、いらないところを削ぎ落としてテレビのような作り方をしたんです。それがしっかり当たったので、自分の感覚が確信に変わった瞬間でした。

――誰がやっても当たるというわけではないですよね?

田口達也 テンポ感だったり色々あるんです。例えば口を開けて笑うというのも、今では癖になって自然となっちゃうんですけど、当時はわざとやっていて。それはダウンタウンの松本(人志)さんが『笑ってはいけない』の時に笑っていないのに「なんで面白いのかな」と思ったら、口を開けていたんです。

――洞察力がすごいです。でもYouTubeで成功すればするほど音楽をやる意味を見失ったりしませんでした?

田口達也 僕らの目標は国民的な存在になることで、その象徴の一つとしてドームツアーがあるんです。何百万人と登録者がいるYouTuberでもドームツアーは出来ないじゃないですか。でも、アーティストは出来ていると考えた時に、音楽でドームツアーをしたいんです。YouTuberとしてトークで埋めたいとか全く思わなくて。音楽でというのは揺らぐことはないです。

――今年はコロナ禍でライブが中止になることも多かったのですが、ノンラビもその一つでしたが、達也さんがファンへの想いとバンドの経済状況が悪化することに対して呟いたものへの反響が凄かったですが、それも予想していたこと?

田口達也 バズることは確信していました。伝えたいことを伝えたい、自分が会社の社長だというところとアーティストとして現状を発信したかったんです。そこにもちろん嘘はないですけど、反響があるだろうなとは思っていましたし、予想通りでした。広まらなければ発信する意味もないですから。

ただバズるだけではダメ

Non Stop Rabbit

――音楽としての目標はドームツアーがありますけど、YouTuberとしての目標はありますか。

矢野晴人 登録者数100万人は目標の一つではあります。人気のあるYouTuberはサブチャンネルも人気なんです。なので、メインだけにとどまらずもっと色んな事をしていきたいと思っていて。

大我 長く続けることです。例えば100万人の登録者がいる人でも再生回数が10万回にも満たない人もいるんですけど、僕らは常にホットでいたいと思っています。

田口達也 あと自分たちが楽しくないとダメです。もちろんネタを考えたり、編集するのは大変なんですけど。楽しい事をやったらちゃんとレスポンスが返ってくるので、苦ではなく楽しいですから。

――ここからもっとバズらせることになっていくと思うんですけど、そのプランはあるんですか。

田口達也 良い意味で同じことを続けていくことです。まずはこのジャンルのスタンダードにならなければいけないと思っていて、だからいまは都市伝説をテーマにやり続けていて。それが定着したら全く別のことをやると思います。

 僕らも10万人くらいまでは他のYouTuberと同じように色んなことをやっていたんですけど、都市伝説に切り替えてから40万人まであっという間に行けたんです。なのでそれを繰り返していくことで上に行けると思っています。大事なのは次バズるものを見極める目が重要です。

――極端な話、YouTuberをやめて他のプラットフォームに移ることすらも考えられる。

田口達也 それはあります。収益が見込めなくなったら違う場所を探すと思います。僕らは単純に再生数が伸びれば良いとは考えていなくて、どのくらいの期間でここまで行って、収益を上げたかというのが重要なので。ただバズるだけではダメなんです。

――プロYouTuberですね。もしYouTubeをやめたらY(YouTuber)系バンドという肩書きが使えなくなるくらいで。

矢野晴人 それなら違うYを探しにいきます。Yシャツ系バンドとか。

――その称号は手放さないんですね(笑)。ちなみに今YouTubeはどんな流れになって来ていると思いますか。

田口達也 いずれトーク力が重要になると思いながら活動してきたんですけど、まさに今そのトーク力の時代が来たなと思っています。お笑い芸人さんも参戦してきましたし、企画の時代ではなくなってきたなと。なので、僕らも何をやるにしてもトークが主軸にあるんです。

――ちなみにドームツアーが最終目標として、今何パーセントぐらいのところにいると思いますか。

田口達也 今は10%ぐらいです。ドームツアーをやるだけでは意味がなくて満員にした上でやりたいんです。今、コロナ禍で満員のライブも出来ない、それでは意味がないので、僕らは今ライブをやっていないんです。ライブハウスでも半分のお客さんでやることに意味を感じていないので。それはファンのみんなにも公言していることで、配信もやらないと決めていて。YouTubeをやってるからこそ動画で終わって欲しくないという気持ちが強いんです。

――今この状況も長引きそうですけど、どう考えていますか。

田口達也 バンドマンがバンドだけをやっていて売れる時代が終わっただけなんです。僕らは「YouTubeやってないの?」と言われる時代が来ることを見越してやってきました。音楽だけなんだという考え方が古くなっていくと思います。

――ノンラビは先見の明がありますよね。

田口達也 僕らの会社「UNorder music entertainmen」のロゴは目なんですけど、先見の明という意味も入っています。8割の人間の言うことを聞かない、2割の人間の先を見ていますという、多者に染まらない意志があるんです。

“羽”を折られた強烈な出来事

――「BIRD WITHOUT」はここまでの葛藤を曲にした一曲ですが、どのような思いで書かれたのでしょうか。

田口達也 メジャーデビューでより羽ばたくという事を想像した時に、羽を折られたことしか想像出来なくて。順風満帆ではなくて、羽を折られては新しい羽を生やしてというの繰り返してここまで来たんです。それはこれからも変わらないなと思って、それは自分たちだけではなくて、僕らも才能はないけど、そう思っている皆さん自身もやるしかないんだ、というメッセージを込めました。

――羽を折られた強烈な出来事は? 

田口達也 これはみんな共通していると思うんですけど、YouTubeのアカウントを停止された時です。昔は一つのアドレスでいくつもアカウントが作れて、使っていないアカウントがルールに引っかかって、1万8千人くらい登録者がいたんですけど、メインのアカウントも道連れになってしまってこれは心折れました。僕と大我は泣きましたから...。

大我 ゼロから積み上げた1万8千人だったので、へこみました。ぶっちゃけ50万人突破した時よりも1万人超えた時の方が嬉しかったので。 

――私からすると登録者10万人を超えて、YouTubeから銀の盾(シルバー クリエイター アワード)をもらえた時も嬉しいイメージもありますが。

大我 実は僕ら銀の盾、つい最近貰ったんです。何か忘れられていたみたいで(笑)。でも、当時は全然気にしないで活動していました。

――アカウント停止に対して晴人さんは?

矢野晴人 誰のせいでもないし、もちろん悔しかったんですけど、そんなくよくよしても意味ないと思ったので、もう一回やろうと話しました。

田口達也 良い意味で鈍感なんですよ。こんなに清々しいやつもいるんだなと(笑)。僕も大我もすごい引きずっていたんですけど、晴人の一言ですぐにリスタート出来て。

大我 それもあって5千人がすぐに戻って来てくれましたから。

――すぐに始めたのが良かったんですね。他にはどんな辛い経験が?

田口達也 3年くらい前に路上ライブでチラシを配っていた時のことです。あるアーティストのライブが終わったあと、そのファンの女の子たちが座っていたので、チラシを渡そうと声を掛けたら「びっくりしたなあ。こんなことやって恥ずかしくないの?」と言われて…。

矢野晴人 すごく迷惑がられて、「恥ずかしくないの?」と言われたショックと恥ずかしさが込み上げてきて...。

大我 いま一番会いたい人を問われたら、その女の子たちに会いたいですね。もしドームで僕らがやれるようになったら最前列に招待したいくらい。その時のことは鮮明に覚えています。

等身大でいることが楽しく活動出来るコツ

――アルバムのラストを飾るのは「偏見じゃん」ですが、これを最後に持ってきたのは?

田口達也 〆のラーメンみたいな感じです。今までの僕らだったら「BIRD WITHOUT」みたいなメッセージ性の強い曲を最後に持ってきたと思うんですけど、メジャーアルバムということで、僕らが次に向かっている姿勢を見せたいなと思って。

――この偏見を歌詞に落とし込むのは大変そうですね。

田口達也 めちゃくちゃ大変でした。良いのがあってもメロディに乗らなかったり、あと、みんながそうだよねと共感してもらえるものではないとダメだったので。移動中とかずっと考えたましたから。その中でも半分悪口なんですけど<ゴルフ行く女 社長の愛人>のところは良いのが書けたと思っています。

矢野晴人 僕は<LINE のトプ画が自撮りじゃない子は美人の確率高いとかって>のところは偏見というよりもマジです。これは統計的にもその確率はかなり高いと思っていて。

田口達也 これは実体験から書いていて、花のアイコンは美人の確率かなり高いです(笑)。

――(笑)。大我さんは?

大我 <iPhone の画面割れてるヤツ部屋汚いとか>という歌詞は僕がモデルになっているんです。まあ、これは本当に僕の部屋が汚くて。MVで僕の部屋が使われているんですけど、僕としては十分汚かったのに、監督さんが「汚さが甘い」とゴミを足してさらに汚して...。それで片付けないで帰っちゃったので、撮影が終わったあと僕が一人で泣きながら掃除して。

――それは泣きますね。ちなみに<ギターソロで別の曲弾くやつはイキってるとか>はどういう意味で?

田口達也 この曲のソロでヨハン・パッヘルベルの「カノン」のメロディを弾いているんですけど、こういった名曲のメロディをギターソロで弾くのがすごく嫌いなんです。自分のメロディじゃないものを気持ちよく弾いているのが嫌いで、あたかもこのアイデアを自分が考えました、みたいなのが見えてしまって。自分の中ではめちゃくちゃ寒いんですけど、それが言いたかったのであえて自虐したんです。

――こうやってお話を聞いていると皆さんすごく楽しんでいるのが伝わって来るのですが、楽しむコツみたいなのはありますか。

田口達也 イメージをカッコいい方に作り過ぎるから、それとのギャップで引かれてしまう。本当はめちゃくちゃ遊んでいるのに、クールな振りをしたりするから崩れてしまうんです。でも、最初から崩れた人間だということを世の中にしっかり発信しておけばいいんです。そうすれば真面目な事を言った時も、それは良い方向のギャップにしかならないので。等身大でいることが楽しく活動出来るコツです。

――最後に読者へメッセージをお願いします。

田口達也 変わった連中ではあるのですが、これがいま変だと思っていたとしても、スタンダードになったときにお会いできると思うので、いま毛嫌いしてもらっても全然OKです。必ず皆さんの目に触れるところに出ていくまで、僕らはスターを目指してやり続けていくので、このインタビューを読んで面白いなと思ったら応援してもらえたら嬉しいです。ちょっと先で待ってます!

(おわり)

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