安斉かれん「“無”でいよう」2020年で変化した心境とは
INTERVIEW

安斉かれん

「“無”でいよう」2020年で変化した心境とは


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:20年12月08日

読了時間:約8分

 安斉かれんが2日、7thシングル「Secret Love」を配信リリース。前作「GAL-TRAP」では、ギャルの二面性をテーマに多感な若者の言葉にならない心象風景を自ら作曲を手掛けた“チルなヒップホップ”という意外性をもって表現した。今作では心に秘めていた『気持ち』が思わず声に出てしまったかのような、ある種のストレートなアプローチで、前作とのコントラストの楽しい作品。まだ始まったかどうかさえわからない甘酸っぱい秘密を散りばめた“ガールズポップ”だ。本作について込められた想いについてインタビューし、今年1年を振り返りつつ現在の安斉のアーティストとしてのスタンスに迫った。【取材・撮影=平吉賢治】

今年1年最も難しかったこと

安斉かれん

――今年1年振り返り、印象的なことは?

 全部が印象的でした! 初めてのことだらけだったので1日をどう乗り越えるかということばかりでした。楽しかったという記憶です。

――とても忙しかったのでは?

 ドラマなどはけっこう大変でした。撮影は全体で4カ月くらいで。振り返ると楽しかったというのが一番です。ドラマはお金では買えない経験をしたと思いました! 普段出会わない方々とお仕事をさせて頂いてありがたかったし、みんなで一つの作品を作るのは凄く楽しいと改めて思いました。

――またドラマに出演したいという意欲はある?

 機会 があれば是非チャレンジしてみたいですが、軸はアーティストでありたいなと思っています。

――アーティスト面において今年最も大変だったと感じたことは?

 アーティストとなると「アーティストの安斉かれんを出す」という感じで、ドラマは「また別のキャラクターになる」と真逆のアプローチで、バラエティとなるとまた違って。色々と挑戦させて頂きましたが、バラエティでの歌でも役でもない、自分の言葉で喋る、自分の感情を出すというのが初めてで新鮮でした。アーティスト、ドラマ、バラエティの3つの面の違いのようなものがとっても難しかったです。

――歌や役柄ではなく、ある種の素の自分を出すこともあるからバラエティはまた違う面がある?

 アーティストとして表現する世界観を崩してもいけないし、だけど自分を隠しても続かないじゃないですか? そこを凄く考えたし難しかったです。用意されたセリフでも書いた歌詞でもない言葉で喋るのが難しいというか。色んな人とのやりとりもあるし、どう捉えられるかもわからないし、バラエティが一番難しかったです。

――なるほど。ところで、今年一番衝撃的だったことは?

 いっぱいありすぎてわからない(笑)。凄く色々経験させて頂いた年なんですけど、感覚的に空白な気もして。

――ずっと没頭していた?

 そうかもしれません。あまり覚えていないくらいなんです。でも全部楽しかったです!

――今年最もピンチと感じたことはある?

 ないです! コロナ禍もピンチですけど誰のせいでもないですし…。

――では、本当にまずいというくらいのピンチがきた時どうしますか。

 寝ます(笑)。座右の銘を聞かれた時は「なんとかなる」って言うんです。

――今年、様々な人との出会いがあったと思われます。そんな中で変化していった心境はある?

 今まではavexの音楽が軸でまわっている方々とお仕事させて頂いているんですけど、ドラマやバラエティをやらせて頂いて、軸が違う方々と出会うようになって「色んな人がいるな」と思いました。考え方や色が違うというか。それを色々感じて楽しかったです。どこでも楽しかったんです!

――常に楽しんでいるというのは一貫していますね。ヘコむ時もあるのでしょうか。

 ありますけど、寝れば忘れちゃいますね(笑)。ヘコむのが嫌だから、自分で「“無”でいよう」と思っちゃうんです。一人の時は色々考えたりするので歌詞を書いたりするんですけど、人と喋っていてあまり感情的になりたくないんです。人前であまり泣いたり怒ったりしたくないというか。人前で悲しい感情をみせて心配させたくないんです。楽しいは別なんですけど。だから「無でいよう」と。だから、例えば「悲しかったことはなんですか?」と聞かれても覚えてないんです。「あったっけな…」みたいな(笑)。

――とてもいい意味で無の境地ですね(笑)。

 基本的には楽しくしています!

一番照れた作詞

安斉かれん

――本作はキラキラとポップなテイストで前作とガラッと変わりましたね。

 はい。また違う感じです。初めて甘い恋愛の歌詞を書かせて頂いて、今回の曲は恋の始まりのような、“キュンキュン、ドキドキ、照れ”のみたいなものを意識して書きました。全然自分の実体験というわけではないけど、ドラマ『社内マリッジハニー』のオープニング主題歌というお話を頂いて、原作からちょっとずつヒントをもらって考えた歌詞なんです。

――原作からはどういったインスピレーションを得たのでしょうか。

 恋の始まりのワクワク感みたいなものです! メロディも今までで一番アップテンポでルンルンしている曲なので、歌詞も書きながら、思わず照れちゃうような(笑)。

――特にどのあたりが照れポイント?

 全部です(笑)。照れちゃうような初恋の感じを連想させる歌にしたいと思って。

――最近照れるようなことはあった?

 この歌詞を書いている時が一番照れました! 「ええ〜!」って言いながら書いて(笑)。ここまでの恋愛を書くというのが初めてというのというか“匂わせ恋愛”みたいなものばかりだったので。「あなたが好き」というようなものはやったことがなかったので、ちょっと恥ずかしかったです(笑)。今までの歌詞は自分がその時に思ったことや内面のこと、昔から書き溜めていたものを出す感じでしたから。歌詞の取り組み方、アプローチが全く違うんです。そういう意味でも自分の実体験を書くというものではないんです。

――『社内マリッジハニー』に寄せた部分もある?

 原作の内容としては、社内恋愛の話で交際ゼロ日結婚するんです。ネットで知り合ってその日に結婚するみたいな。その話の中の女の子があざといキャラというか凄く可愛い感じだったので、そういう部分からちょっとずつヒントをもらいました。

――今作のレコーディングの感触はいかがでしたか。

 この曲はサビのキーがずっと高いのでレコーディングはけっこう大変でした。最終的には自分らしく歌えたかなと思います。

――MVの方はいかがでしょうか。

 超可愛いんです。オールディーズと未来感を合わせたテイストの洋服だったり、カラフルなバリエーションの部屋のセットだったり。世界観に深い意味があるというより、曲のテンションに合った可愛らしさがたくさん登場します。ちょっと不思議な空間なんですが、最後に意味がわかるような流れにもなっているので、それは観て頂いてのお楽しみです!

――なるほど。ところで、前回「GAL-TRAP」の時のインタビューで、「『安斉かれんはこれ』というような軸みたいなのはまだいらないなと思っていて――」と仰っておりましたが、これからアーティストとしての表現としてどんな音楽をやっていきたいでしょうか。

 その時々のテンションでやっていたいという想いがあるんです。「数カ月後にこういう曲をやりたい」など、具体的には考えていないんです。ハマっている音楽などもその時々で違うじゃないですか? そういった感じでその時楽しいと感じる音楽やテンションを大切にしていきたいです。

――その時々の感情を大切にしているのですね。では、現在好きなことは?

 映画音楽が好きです。『ANNIE』や『ボヘミアン・ラプソディ』の曲など、それにハマってその音楽しか聴かなくなっちゃったりした時がありました。映画とリンクしている音楽を聴いていることが最近多かったです。

――その時々の“好き”に対して柔軟でいることは大切?

 正解はないと思うんですけど…自分の生きやすいように生きていくのが一番かなと思います。目標があるから頑張れる人もいるけど、私もそういうタイプではないというか。応援されたい人もいればされたくない人もいると思うし。だから人それぞれだと思います。私は、その時々で好きなことをやりたいなって思います。

――「応援されたい人もいればされたくない人もいる」という点、なんとなくわかるような気がします。褒められるのは嬉しいけど、応援されるのはあまりそうでもないというか。

 めっちゃわかります(笑)。“頑張れは嫌い”という感じなど、私の歌詞によく出てくるというか。それがダメというわけじゃないですけど。“頑張ろうね”はわかるんです。人それぞれの「普通」があると思うので、「普通こんなのできるでしょ?」というのもあまり…。「普通ってなに?」と思ったりすることもあるんです。とにかくそんな感じで、その人が生きやすいように生きていけばいいんじゃないかなって思います。

――「普通こんなのできるでしょ?」と言われるのは、言った人にとってはそうでも、言われた人にとっては全然違ったりすることがありますよね。

「Secret Love」ジャケ写

 「それが私の普通だもん」って思っちゃう(笑)。みんなけっこう自分に厳しすぎる気がしてます。もちろん、やらなければいけないことはやるけど、それは自分が一番わかるじゃないですか?

――そういった考えもアーティストとしてのスタンスに表れている?

 表れているのかな…色々あっていいんじゃないかと思います。

――さて、2021年の展望はいかがでしょうか。

 まず、音楽の幅を広げたいというがあります。あと、今年1年は初めてのことがたくさんあってそれについていくのに必死だったので、来年は今年経験したことを活かしつつ、もっといい作品を作っていけるように頑張りたいなって思います!

(おわり)

12月2日配信曲「Secret Love」
サブスクリプション音楽配信ストリーミングサービス限定リリース
https://KalenAnzai.lnk.to/SecretLove

ミュージックビデオ

「安斉かれん / Secret Love(ドラマ Ver.)
※ドラマ特区「社内マリッジハニー」オープニング主題歌」

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