a flood of circle「15周年もやりまくる」トライ継続姿勢と留まらぬスピード感
INTERVIEW

a flood of circle佐々木亮介

「15周年もやりまくる」トライ継続姿勢と留まらぬスピード感


記者:平吉賢治

撮影:村上順一

掲載:20年10月24日

読了時間:約7分

 a flood of circleが21日、10thフルアルバム『2020』をリリース。前後編で構成する本インタビュー、前編ではステイホーム期間の過ごし方、“普遍的な音楽”について、アルバムの“物語性”の捉え方について、そして本作のリードトラックについて佐々木亮介に話を聞いた。後編では彼らが“得意技”と表現するトラックの詳細や音楽、アートのあり方について、そしてバンド15周年に向けての想いについて語ってもらった。【取材=平吉賢治】

a flood of circle の“得意技”とは

『2020』ジャケ写

――アルバム8曲目「Rollers Anthem」はセルフライナーに“得意技”と書かれていましたが、これはバンドとしての?

 来年バンド15年目でアルバムも10枚目ですし、3、4年くらい前は得意技が決まっているのが少しジレンマに感じていたというか…下手すると「同じじゃねえ?」みたいな(笑)。たぶん自信が持てなかったんだと思うんですけど、今はそれがあることのよさ、「それがあるから迷わなくて済むな」ことがあるなと思って。例えば、トリビュートなどに呼ばれて人の曲をやってもa flood of circleになっちゃうんです。

――それは強みでは?

 そうかもしれないなと最近思えるようになってきて。そう思った時に「Rollers Anthem」をアレンジする時は“自分達に向き合うモード”みたいなものに入っていたので迷わず作ることが出来たんです。外に向き合うということではなく、この4人であることで前回のアルバムから始めていたので「Rollers Anthem」はそのバンドの流れで出来た曲という。

――それもあって「この曲はリードトラックでも」と思った?

 そうです。そのイメージがあったので「Beast Mode」と「Rollers Anthem」は得意技満載でいっている感じはあります。ここまで培ってきたものをあえてやめる選択肢もあるかもしれませんけど、今はその時期じゃないかなと。

――“自分達に向き合うモード”で新たな発見などはありましたか。

 「自分がこうでなければいけない」というのがどんどんつまらなく感じていて。もっと色んな可能性やトライすべきことがあるのかもしれないと思いました。配信ライブもそうで、薄々感じたけどそれが決定的に間違っていないと思えた時期でもありました。新しい発見ではなく再確認かもしれないけど、「色々やってみよう、間違いない」と。

 「このままじゃダメかも」とは全く思わなくて、自粛期間中もあまり不安にはなってなかったですね。コロナ禍じゃなくても不安なことはあるから、不安の2020年バージョンがこれだと思ったのもあって。あと、ライブがないと生業的に時間の使い方がだいぶ変わるので自分的には考える時間ができたし、外に出なかったり人に会わないぶん情熱がクリエイティブな方に行きました。

音楽がリアルタイムに更新されていく重要性

佐々木亮介

――アルバム最後の12曲目「火の鳥」は、まずタイトルに深い意味を感じます。

 手塚治虫さん的なことなのかというのはあるんですけど、実は最初はあまり考えていなくて。

――確かに手塚治虫さんの『火の鳥』が最初浮かびました。

 僕も大好きなんですけど、この曲のデモは去年か一昨年に作ったんです。6/8拍子でわりと大きなビートとサウンド感だったので、英語の適当な歌詞を入れていたんです。適当というか、そういうのをよくやるんです。デモの歌詞は他の人の曲の歌詞で歌うんです。「phoenix(フェニックス)」と検索して誰かの「phoenix」という曲の英詞を勝手に歌うという(笑)。

――大胆ですね(笑)。

 もちろんそのまま出さないですけど適当な英語よりはいいかなと(笑)。あと、歌詞が決まっているから新しい制限が生まれて、その文字数で自分のメロディを当てはめるみたいな実験をたまにするんです。この曲はそういう感じで曲のサウンドや雰囲気の大きさでなんとなく「火の鳥」とつけて。その時は手塚治虫、アルバムラストの曲、ということは考えていなかったけど、アルバム候補曲を並べた時にa flood of circleの音やアルバムの世界が広がっていってほしいと思っていたんです。

 去年作ったアルバムから流れで意識していたというのもありました。だからアルバムの最後に「火の鳥」というでっかい言葉がくると気持ちいいのかなと。スケール感もそうだし、そこで手塚治虫さんの『火の鳥』を連想し直すんです。漫画『火の鳥』は宇宙の始まりから終わるまでを描いている。だからそのスケールの大きさというのはしっくりきているかなと思っていて。

――壮大ですよね。

 壮大すぎて、人によってはいい意味で何を言っているかわからないような漫画でもあるかと思うんです。

――確かに『火の鳥』を読んだ時、壮大すぎるし謎と感じる部分も感動もあり、何故かいい意味で内向的にへこんだ記憶があります。

 食らったんですね(笑)。わかります。あれが僕が好きな物語のあり方なんです。それは物語、文学的パワーとか。世の中で起こっていることなどを言葉で伝えるとぶつかるところを、音楽や絵で伝えれば、感動したり共有できると思う。だから物語などは「こういう方が面白いでしょ?」と決まっているより、謎めいた部分があった方がいいんじゃないかと思います。

――直接伝えるより文化的な手法、作品で表した方が繋がるかもしれないと。

 そうですね。ダメかもしれないけどやってみようということ、ダメだったら次の作品を書けばいいと。だから僕はロックンロールが好きなんです。繋がっているものだから「なし」にしたくないんです。もっといい曲を書いて、それだけじゃ変わらないと思う人もいるかもしれないけど、何かは変わるかもしれないからトライしたいなと思います。

――ある種、歴史を紡ぐことにも繋がるのではないかと。

 ビートルズやマーヴィン・ゲイ(米ミュージシャン)などを聴いた時に、彼らは歴史のことを歌ってるんだなっていうのがわかって。その時にどういうことがあって、どうネガティブに捉えてどう思ったかと。だから音楽がリアルタイムに更新されるのは凄く大事だと思うし、そこからエスケープして「見てられない」「もっと気楽にやりたい」「関係ない世界をつくりたい」というのもある意味反動だと思うからありだと思うし。僕はアートは何でもありだと思っていて、アートが生まれる状態は大事だし、今作も根底の部分はこうして言葉で出てくるくらい繋がっていると思います。

――なるほど。さて、来年15周年を迎えますが今後の展望としては?

 ライブはやりたいと当然思っているけど状況的にツアーができるか不透明なので…まず11月に恵比寿LIQUIDROOMでワンマンライブをやろうと思っています。お客さんを少なくして配信ライブで状況に応じたスタイルでやります。普段はツアーをやってアルバムの世界をどんどんライブで確かめたり広げていったりするのが楽しいけど、今回はその一発に懸けなきゃいけない。でも配信できることによって、普段行けない場所の方々も観られるということもあるので、まずはしっかりやりきります。で、来年の15周年のことは色々考えてるので楽しみにしていてください。

 この先のライブに関して、どこまでできるかは進んでみなければわからないけど、どうせ生きていくなら楽しい方がいいなっていつも思うんです。計画を立てておいたものにどれだけ近づいて爆発させられるかだと思っています。今言えるのは「15周年もやりまくります」ということです。あえて溜めるとは全く思ってないので、勢い、スピード感は壊さずに行きたいなと思っています。

(おわり)

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村上順一
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