岩崎宏美「無駄なことはなかった」デビュー45周年“歌”への想い
INTERVIEW

岩崎宏美

「無駄なことはなかった」デビュー45周年“歌”への想い


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年10月20日

読了時間:約5分

 今年デビュー45周年を迎えた歌手の岩崎宏美が、12月2日にライブ音源ベストアルバム『LIVE BEST SELECTION 2012-2020 太陽が笑ってる』をリリース。アルバムは2012年以降のライブから厳選した、岩崎が今皆さんに聴いて欲しい楽曲を選曲した。代表曲から最新のレパートリーまでこの一枚で岩崎宏美を体感できるアルバムに仕上がった。インタビュー後編ではコロナ禍によりライブができなくなってしまったことで気付いたことや、同アルバムのボーナストラックに収録されている「太陽が笑ってる」の歌に込めた想いなど話を聞いた。【取材=村上順一】

「太陽が笑ってる」歌えている事に感謝できる曲

『LIVE BEST SELECTION 2012-2020 太陽が笑ってる』通常盤ジャケ写

――45周年を迎える2020年でしたが、コロナウイルスで、コンサートも中止や延期になってしまいましたが、どのような心境だったのでしょうか。

 去年からは想像もしていなかった1年になってしまいました。3月からライブが一斉に中止になってしまって。12月2日にリリースする「LIVE BEST SELECTION 2012 2020太陽が笑ってる」に収録した「奇跡~大きな愛のように」は、今年8月に半年ぶりにCOTTON CLUBで歌ったときの音源なんです。半年ぶりだったので人前で歌うことにプレッシャーを感じていました。こんなに歌わない期間が続いたのは45年間で初めてでしたし、何もかもがリセットされた感じでした。

――ステイホーム期間はどんなことを考えていましたか。

 歌も含めて色んなことを考えました。3月に引っ越しをしたんですけれど、その時に45年分の音源とか、ファンの方がくれた写真だったり、矢野顕子さんから初めて頂いたお手紙とか改めて読んだりしていました。整理しながら大事なものも沢山見つけました。歌えないという複雑な思いはありましたけれど、そういう意味では良い時間をもらえたなと思いました。

――当時のお手紙を読まれてどんなお気持ちでしたか。

 このお手紙に対して私はどんなお返事を書いていたんだろうと思いました。今でこそ何かを頂いたらすぐにお礼状を書く気持ちになっていますけれど、当時は忙しさにかまけてあまりお返事出せていなかったと思うから。自分の文字にもコンプレックスがあるし。

 16歳でデビューさせていただいて、今では子供も2人いて、まだ歌い続けているなんてあの時は想像もしていなかったことです。この飽き性な私が良くここまで続いたなと思います。結婚した時に「歌を辞めてもいいかな」と思った時期もありました。でも、家庭に入った経験も歌に反映されていると思いますし、無駄なことはなかったと思うんです。続けてきたからこそ、今の想いがあるんですよね。コロナ禍で本当に私は歌いたいんだ、ということに気付かされました。

――「LIVE BEST SELECTION 2012 2020太陽が笑ってる」はどのように選曲されたのでしょうか。

 この45周年を振り返って、私のコンサートに中々足を運べない方もいらっしゃると思ったので、今皆さんにお届けしたい曲を収録しました。コンサートにいらした皆さんが聴きたいと思っていただける曲を選びましたので、きっと喜んでいただける1枚になったと思います。レコーディングとはまた違った趣きのある、ライブの音源で今の私の想いを届けたいと思いました。

――今作で特に思い入れのある楽曲は?

 うーん、難しいですね。どの曲も私と一緒に歩んできてくれた曲ばかりなんです。振り返れば、「よくぞここまで育ってくれました」という曲もあります。「ロマンス」は45年間一緒に歩んできた曲ですから。でも、代表曲ばかりではなく映画のサントラにしか収録されていなかった「美女と野獣」、さだまさしさんの曲をカバーした「いのちの理由」、そのさだまさしさんが書き下ろしてくださった「残したい花について」など、新しい曲も聴いて欲しいんです。「いのちの理由」や「奇跡~大きな愛のように~」は、この時代になって、またもう一度見直されている曲だと思います。

――その「奇跡~大きな愛のように~」は8月に行ったCOTTON CLUBでのライブを収録したテイクなんですよね。久しぶりのライブはいかがでした?

 ガイドラインに沿ってのステージだったので、会場には90名しか入れることが出来なかったんです。最初は、やっぱり客席はスカスカなのかな...と思っていたんですけれど、集まってくださったお客様から温かい拍手をいただき、その光景を見ただけでウルウル来てしまいました。

――無観客の配信ライブというのは考えていたのでしょうか。

 全然考えていませんでした。少しでもお客さんを入れてライブが出来るのであれば、そちらの方が良いなと思っていたので。でも、この前あるバンドの配信ライブを息子と一緒に観ていたんですけれど、無観客でもすごいパフォーマンスでびっくりしました。客席にまで照明を入れていて、無観客だからこそ出来るすごいライブでした。

――さて、アルバムのリリース日の12月2日にはコンサートも決定しています。

 本当なら4月に行う予定だったコンサートでしたが、その振替公演として大阪のフェスティバルホールで歌わせて頂きます。もう、この日は思いっきり楽しませて頂きたいと思っています。今回のライブの前半は筒美先生の楽曲ばかりで、しっかり届けたいと思っています。「泣いてなんかいられない」感謝を込めて歌い上げたいと思います。

――ボーナストラックに収録されている「太陽が笑ってる」は温かい楽曲ですね。

 これは昨年暮れに亡くなられた池間史規さんが、私のデビュー45周年の記念に書いてくださった曲なんです。この曲をいただいた1週間後に池間さんは亡くなられてしまって...。昨年行われた池間さんの還暦記念ライブで一緒に、池間さんに作っていただいた「シアワセノカケラ」という曲を歌ったことが忘れられません。

――レコーディングはどのような気持ちで臨みましたか。

 この曲は池間さんの人柄が滲み出ている、穏やかな曲だなと感じたので、私も気負うことなく歌うことが出来ました。悲しい歌にはしたくなかったので、レコーディングの当日にテンポも少し上げさせて頂きました。歌い上げるといった感じではなく、じっくりと長く歌っていける曲、いま自分が歌えている事、歩けていることに感謝しながら歌うことのできる1曲だと思います。そして、今皆さん、コロナ禍もあって気持ちが沈んでいると思いますが、少しでも皆さんが元気になっていただける歌になれば良いなと思っています。

(おわり)

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