DJ DARUMA「皆さんの生活に寄り添える存在に」“PLAYLISTER”としての未来
INTERVIEW

DJ DARUMA

「皆さんの生活に寄り添える存在に」“PLAYLISTER”としての未来


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年09月26日

読了時間:約6分

 DJ・デザイナーとして活動中のDJ DARUMA【PKCZ(R)】が9月18日、ディレクションするファッションブランド『FULL-BK』のWEGO限定ライン『MUTATION OF YOUTH』の第2弾・新作アイテムをリリース。『FULL-BK』ディレクターでもあるDJ DARUMAが、WEGOの店内ミュージックをプロデュースする新プロジェクト、『PLAYLISTER』企画も2020年秋より新たにスタートする。インタビューではPLAYLISTER企画を始めたきっかけ、そこへのこだわり、これからのことなど話を聞いた。【取材=村上順一】

音楽を大音量で体感するという事の尊さ

――Stay Home期間でどのようなことを考えていましたか。音楽やエンタメ、人生観など気づいたことなどあれば教えてください。

 Stay Home中は、色々な事を再度見つめ直す良いきっかけになりました。例えばクラブDJという仕事について、更にクラブ単位のパーティからドーム規模の興行まで、エンタメ業界の全体の未来など本当に色々な事を考えていました。その中で思ったのは、規模は関係なく実際にアーティストを目の前に、パフォーマンスと共に音楽を大音量で体感するという事が、いかに尊い事だったかという事です。演者としてもフロアのヘッズとしても、自分以外の誰かとその空間と時間を共有出来る事のありがたさが、身に染みて分かりました。これからしばらくは大人数で音楽と空間を共有する事が、高級品もしくは秘密裏に行われる(勿論コレに僕が参加する事はないですが)という立ち位置になると思います。その新しい価値の中で、様々な方法を使いサバイブしていく覚悟を決めた次第です。

――ファッションブランド『FULL-BK』についてお聞きします。DJ DARUMAさんがこのブランドを立ち上げた経緯はどのようなものでしたか。

『FULL-BK』

 以前運営していた『CREPEMAN』というブランドと『ROC STAR』というブランドの良い所を合わせて、新しいブランドを始めたらよいのでは? とLDH会長のHIROさんからお声がけ頂き始まりました。

――『MUTATION OF YOUTH』の第2弾・新作アイテムをリリースされますが、新アイテムでこだわったところや、注目して欲しいポイントなど教えてください。

 MUTATION OF YOUTH(若者の突然変異)というコンセプトにもあるように、若い世代に向けてのアイテムという事は常に意識しています。アイテムそのものは、デイリーに使っていただけるようにしたいので奇をてらった事はせずに、プリントの意味やカラーで少しだけ毒っ気を入れるようにしています。アイテムがデイリーな分、ルックやムービーはある程度振り切り、エッジを効かせて世界観を出すようにしています。

――その中でPLAYLISTER企画が始動されますが、この企画の特色など教えてください。

 買い物をしている時や美容室で髪を切っている時など、フとした時にその人にとってのイカした音楽に出会う瞬間を演出出来るのがPLAYLISTERだと思っています。その人が音楽を聴こうとしていない時、つまり今回の試みでいえばWEGOさんで買い物をしている時に『あっ、この曲いいな』と少しでも感じて貰えたら嬉しいです。

 そして近々大手音楽サブスクリプションと連動して、全く同じプレイリストをショッピングの帰りやご自宅でも楽しんで
貰えるようにしたいと考えています。

――WEGOの店内ミュージックをプロデュースされるとのことですが、どのようなコンセプトで選曲されたのでしょうか。

 まず僕の前任で店内音楽を担当していた方がEDMを中心に選曲していた方との事でしたので、”ノリが良い音楽である事”というのが大前提です。世界のクラブミュージックの潮流を考えて、ハウスやテクノから数多く選んでいますが、WEGOさんのお客さんの雰囲気を考え、ポップに感じて頂けるように心がけ、具体的には渋くなりすぎてしまわないようにボーカルモノの楽曲を数多く選んでいます。また全編ずっとエレクトロニックだと飽きてしまうので、隙間で『!!!』のようなオーガニックな雰囲気の楽曲を挟んだりする事で少しグルーヴを変えています。

――曲順も大切な要素だと思うのですが、楽曲を並べる時に気をつけていることなどありますか。

 曲順は来店して頂いたお客さんのタイミングでスタートポイントが変わるので、曲の前後感をかなり考えて並べました。なので人によってはいきなりアンダーワールドのBorn Slippyから買い物が始まるっていう(笑)。でもそれもドラマチックで良いかと思っています。

――店内で流れる曲は6時間近い長さとのことですが、約6時間をワンパッケージとして提示されたのは、どんな意図がありますか。

 6時間近いリストになったのは、働いている店員の方達が飽きないようにしたかった為です。1時間のリストだと1日に同じ曲を何度も聴く事になり、それだと働いていてテンションも上がらないと思いますので。

――PLAYLISTERは新たなジャンルだと思うのですが、PLAYLISTERというものは今後どのような役割を担っていくと思われていますか。

 生活の様々な場面に『イイ感じの音楽とリズムは欲しいけど、細かく選曲して並べる時間までは作れない』という方が本当に多いと思います。そんな方達の生活に寄り添うカリスマプレイリスターや、プレイリスターチームという存在が今後たくさん出てくると思っています。全ての音楽ジャンルや音楽の雰囲気を網羅する事は難しいので、リスターそれぞれの特性にあったリスト作成をしていく事になると思いますが。

――その中でご自身はどのようなことを追求していきたいと思っていますか。

 音楽リスナーと僕がリストした音楽をどんどん共有していき、皆さんの生活に寄り添える存在になりたいですし、リスターさんをまとめて皆さんにご紹介できるようなチームを作っていきたいです。個人プレイリスターはDJとしての感覚とかなり近いですし、プレイリスターのブッキングはパーティオーガナイザーの仕事に近いのかな? と思っています。

音楽に対する愛と情熱をキープ

――DJ DARUMAさんがクラブDJを目指したきっかけはどんなものだったのでしょうか。

 DJ自体は15歳の時にテレビでDJ BEATさんが、PUBLIC ENEMYの”Welcome To The Terrordome”を使用して2枚使いしているのを観た事がきっかけでした。…その後トリック系は早々に諦めましたが(笑)。

 そこから趣味の延長でDJを続け10年以上経った頃、2006年『WIRE』at 横浜アリーナのフロアで踊っている時に、ジェフミルズさんのプレイを眺めながら『このままフロアでヘッズとして踊り続けるのか、DJとしてあそこに立つ為に本気で努力するのか?』と自問自答して本気で目指す決意を固めました。

――DJ DARUMAさんがクラブDJになるために、過去にはどんなことをされていましたか。

 周りの友達に対して僕のDJ内容の評判を上げる事から始めて、その次は僕の知らない”友達の友達”の評判を上げられるようにジャケットと独特な選曲にこだわったMIX CDを配ったり、109のショップに行って『営業中に流してください!』と言って飛び込み営業したりと、様々な事は努力しました。そうしてるうちに、僕のDJの評判を聞きつけたパーティオーガナイザーから自然に声が掛かるようになりました。

――その過程で起きた印象的だった出来事、ターニングポイントなどあればお聞かせください。

 まずはリアルなファーストステップとして、フジロックのレッドマーキーにDJとして立つ事を目標としていたので、達成した時の感動は忘れられません。

――DJというのは音楽に精通していないと難しい職業だと感じているのですが、DJを目指している人にアドバイスを送るとしたら、どんな言葉を送りますか。

 音楽に対する愛と情熱をキープし続けましょう。「好きこそものの上手なれ」ですから。

――最後に、今後どのような活動していきたいか、展望などお聞かせください。

 最初にも書きましたが “価値”や”答え”がとてつもなく早いスピードで変わる世界になったので、流動的にスタイルを変えて順応していきたいと思います。僕はDJでもあり、幸いにもストリートファッション界で様々な経験をする事が出来たので、その経験を活かし今回のPLAYLISTER業務のような新たな挑戦を今後も続けていきます。

(おわり)

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