田中圭

 9月11日に放送スタートした、山田涼介主演の新ドラマ『キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木』(TBS系)。初回放送の視聴率は11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で2桁台の好発進となった。

 同ドラマは、山田涼介演じる新米刑事・神崎隆一と、田中圭演じる破天荒な刑事・黒木賢司がバディを組み、池袋の街で巻き起こる凶悪事件に挑む痛快なストーリー。1話ラストには、2人が異母兄弟だったという衝撃の事実が明かされた。

 テーマは、「事件は一人では解決できない。人間だって一人だけでは生きていけないんだ――」。ポスタービジュアルにも、「助け合うから、人間だろ」と添えられている。新型コロナウイルス禍で当たり前だと思っていた日常がそうではなくなった現在。人と人との繋がりの尊さをテーマにした本作は、時代にマッチするドラマとも言える。そんな『キワドい2人』の現状にマッチする魅力を探っていく。

 「刑事ドラマ」と言えば、“ドキドキ”、“ハラハラ”とした印象を持つ人が多いかもしれない。しかし、『キワドい2人』は、スリリングな中に温かみを感じさせており、「刑事ドラマ」と言うよりも、「ヒューマンドラマ」と言った方がしっくりくる気さえする。

 もちろん、「刑事ドラマ」らしいスリリングな場面も多く存在する。田中圭演じる黒木が監禁され、燃え盛る火・放出されるガスと戦うシーンや、誘拐犯に立ち向かっていくシーンなど池袋の街を舞台にスケールの大きいシーンも満載。1話は、誘拐事件を追うストーリーなだけにドキドキする場面も多々あった。

 しかし、視聴後は、“ドキドキ”とするスリルよりも、“ほっこり”とした温かさの方が強く残った。犯人が誘拐事件を起こした理由や、神崎(山田涼介)が、「根っからの悪人なんて、そういるわけじゃない」とかけた言葉、そしてHey!Say!JUMPが歌う主題歌「Your Song」の温かいメロディーが混ざり合うことでそのような気持ちを抱かせるのかもしれない。

 刑事ドラマであり、凸凹バディという設定は、同作の前枠に放送されていた『MIU404』(TBS系)と同じだが、社会的な問題を掲げて視聴者に考えさせるきっかけを作った『MIU404』に対して、『キワドい2人』は、人々の心のなかにある悩みと向き合っている。同じ設定にも関わらず、全く違う雰囲気を感じさせることから、TBSドラマの振り幅の広さを感じた。

 また、バディものの成功に必須なのが、2人の掛け合いのテンポ。普通は、回を重ねて撮影を進めていくほどに良くなっていくものだが、神崎と黒木は初回から、何年も連れ添ったバディのようなテンポの良さがあり、圧巻だった。「こんなベビーフェイスに俺の相棒が務まるわけありません」と言う黒木と、新人にも関わらず、「僕だってごめんです。こんな塩顔ハラスメントと組みたくありません」と言い返す神崎。なかでも、「同じ船に乗るんだぞ! 相性大事だろうが!」「僕も我慢するんで、そっちも我慢して下さい!」「は? 船長は俺なんだよ! お前もう降りろ! 歩いていけ」「無理です。僕はカナヅチですから」と言い合うシーンを見ていると、山田に“生意気だが憎めない”後輩をやらせたら、天下一品だと確信した。そして、そんな神崎の生意気さに怒りつつも、“実はいい奴”を垣間見せる田中の演技。初回からここまでお互いの魅力を引き出す彼らのバディに、期待が募る。

 ただ、黒木の「犯人を捕まえるためには、手段は選ばない。結果が全て」と言うスタンスに対して、神崎は「結果が大事なのは分かっているが、それまでの過程も大事にしたい」という考えを持っている。そんな凸凹な異母兄弟が、難事件を通して家族の絆を築いていけるのか――、コロナ禍でギスギスとした空気感が漂うなか、観ている人をほっこりとさせる温かい雰囲気や、クスッと笑えるテンポの良い掛け合い。新感覚な刑事ドラマ『キワドい2人』はこの秋、人が持つ温かさを再確認させる作品となるかもしれない。【かなぴす】

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