THE BACK HORNが6日、先月2日にスタジオで開催した「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(スタジオ編)に続く″特別編 第2弾”として、昨年12月の「KYO-MEIワンマンツアー」カルペ・ディエム〜今を掴め〜<仙台公演>以来となるTHE BACK HORNの主戦場ライブハウスで無観客配信ワンマンライブ「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(ライブハウス編)を開催した。

「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(ライブハウス編)

 5月27日から「KYO-MEI MOVIE TOUR」-2004〜2019-と題し、新型コロナウイルスの影響により、再延期となってしまった全国ツアー13公演と全く同じ日時に合わせ、これまでに発表してきたライブ映像の中から13作品を厳選し、YouTubeで一夜限りプレミア公開していくムービーツアーを開催。

 本公演は昨年オープンしたVeats SHIBUYA から生配信され、新型コロナウイルスの感染予防対策に基づき無観客配信ライブという形式で開催。先月のスタジオ編では4人が向き合う形でパフォーマンスを行い、普段は見ることのできない角度でライブを体験することでオーディエンスを楽しませたが、今回のライブハウス編ではステージの上からでライブハウス公演本来の迫力と魅力が引き出された配信ライブ公演となった。

 開演時刻を迎えSEが流れると、青く包み込むライティングに照らされるステージにメンバーが姿を現す。先月のライブ同様に裸足で手を叩きながらステージに登場した菅波栄純(Gt.)は早くも胸の高ぶりを抑え切れない様子で、今日を誰より楽しんでやろうという意気込みを伺える。画面越しでも既にメンバー4人から熱気が立ち込めるのが分かった。SEが鳴り止んだ後の一瞬の静寂を突き破るように松田晋二(Dr.)がドラムを打ち鳴らし、菅波が張り裂けんばかりにギターをかき鳴らし、岡峰光舟(Ba.)がベースをうならせる。山田将司(Vo.)は開口一番「こんばんは、THE BACK HORNです」とカメラの向こうに居るファンに向かっておなじみの挨拶をした。ステージに登場した4人が1曲目にセレクトしたのは2015年リリースの「その先へ」。

 印象的なギターリフをはじめ、プレイヤーとしての4人の魅力が凝縮されたサウンド。イントロを鳴らした瞬間にSNSからは歓声が沸き起こり、山田(Vo.)のシャウトが早くも熱狂をもたらす。イントロから入るマリンバの音が生命力をも感じさせる「Running Away」。力強いコーラス、そしてサビの疾走感や爆発感が更に観る我々のギアを1段階引き上げ、続くライブアンセム「シンフォニア」では早くもトップスピードにまで持ち込む。山田(Vo.)がオーディエンスを煽り、菅波(Gt.)、岡峰(Ba.)はステージ上を激しく動き回る。松田(Dr.)はフロントの3人を引っ張るような重厚なリズムを刻んでいく。ここにオーディエンスが居たなら大合唱が巻き起こり、一体感に包まれたことは間違いなく、画面越しであろうとこの高揚感は変わらない。

 MCでは「今回はライブハウスからお届けできるということで、自分たちもステージに立てたことを嬉しく思います。そして会場にはお客さんはいませんが、皆さんの元へ音楽を届けたいと思いますので、たっぷりと楽しんで欲しいと思います。最後まで宜しくお願いします!」と松田(Dr.)が本公演への思いを込めて挨拶をした。

 次のブロックでは「白夜」「暗闇でダンスを」とジャジーな曲が続く。トリッキーなサウンドとエモーショナルなヴォーカルによって思わず体がスイングする。6曲目は打ち込みを使ったイントロから始まり、ダンサブルなビートと虚無感漂う歌が渾然一体となって、様々な思いが絡み合う「がんじがらめ」。山田(Vo.)が激しく叫び、「静と動」の一面が観る者を圧倒させる「ジョーカー」でTHE BACK HORNのダークサイドへ傾倒していく。それに呼応して菅波(Gt.)、岡峰(Ba.)、松田(Dr.)も激しくのめり込む。そして妖艶な歌声が会場を包み込む「ガーデン」、「ヘッドフォンチルドレン」と演奏は止まることなく続いていく。

 MCでは本日、九州にきている台風の影響で本公演を観られない方を気遣う場面があった。また新型コロナウイルスの影響で生活が一変してしまったことについても山田(Vo.)から語られた。「変わらなきゃいけないとか、強くならなきゃいけないとか、そこを無理してやる必要はないと思う。最低でも無理するのは生き続けることで、当たり前の事だけど皆が優しさを持って寄り添い合いながら、支え合いながら生きていけたら。″音楽の力“はそこに楽しいことがあること、生きていれば良いことあるから大丈夫だと伝える力がある」と力強いメッセージが伝えられた。

 本編後半では緊急事態宣言中に誕生し6月に緊急配信リリースされた「瑠璃色のキャンバス」が演奏され、画面越しにでもメンバーとオーディエンスの魂を重ねあう瞬間を感じさせられる。続いて小説家・住野よるとのジャンルを超えた全く新しい形の共作として話題となっている新感覚コラボ作品『この気持ちもいつか忘れる』に収録される「ハナレバナレ」、攻撃的な曲の世界を彩った定番曲「戦う君よ」と続き会場内に熱気が渦巻いていく。フロントメンバーはステージを縦横無尽に動き回り、髪を振り乱しながらパフォーマンスする。そして間髪入れずに松田(Dr.)のカウントから滾るようなキラーチューン「コバルトブルー」となだれ込み、山田(Vo.)が「どうもありがとう!また会おう。また生きて会おう!」と画面越しに再会の約束を語り掛ける。力の限りの声を振り絞って歌い叫ぶエネルギッシュなナンバーがヘッドフォン越しに脳に響き渡る。会場に熱気が渦巻く中で「さあ笑え 笑え ほら夜が明ける 今」という歌詞に呼応するかのようにオーディエンスのSNSの反応もまるで狂喜乱舞する。

 アンコールでは4人からライブアンセムである「無限の荒野」をオーディエンスにプレゼントした。渾身のプレイを繰り広げるメンバーを画面越しに観て思わず拳を突き上げてしまうのは私だけではなかったはずだ。

 オーディエンスと″ライブ″で再会することを約束した無観客配信ワンマンライブ「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(ライブハウス編)。画面を通して心の共鳴を体感できる唯一無二のパフォーマンス合計15曲を披露。激動の今を様々な局面で救われ、行き場のない気持ちや心の隙間を埋めてきた楽曲群。そしてTHE BACK HORNにとって主戦場ライブハウスでのパフォーマンスが本来の姿であり、そこに彼らの表現者としての生き様があった。

 『君の膵臓をたべたい』を世に送り出した人気作家「住野よる」が初めて描く恋愛長篇で、小説家とミュージシャンのジャンルを超えた新感覚コラボ作品『この気持ちもいつか忘れる』のリリースも近くとなり、出版・音楽史上初の試みに挑戦していくTHE BACK HORNの今後の活躍に期待してほしい。

セットリスト

2020.9.6(日)

THE BACK HORN「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(ライブハウス編)
[OPEN/START]19:00/20:00
1.その先へ
2.Running Away
3.シンフォニア
4.白夜
5.暗闇でダンスを
6.がんじがらめ
7.ジョーカー
8.ガーデン
9.ヘッドフォンチルドレン
10.泣いている人
11.瑠璃色のキャンバス
12.ハナレバナレ
13.戦う君よ
14.コバルトブルー
EN-1.無限の荒野

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