山中拓也×柳沢進太郎×すぅ、時代担う3人に問う これから求められることとは
INTERVIEW

山中拓也×柳沢進太郎×すぅ

時代担う3人に問う これから求められることとは


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年07月21日

読了時間:約7分

 シーンを牽引する3バンドから山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)、柳沢進太郎(go!go!vanillas)、すぅ(SILENT SIREN)の3人が都内某所で、「Reebok CLUB Cスペシャルギターセッション」を行った。「CLUB C」とは80年代のテニス界やカジュアルファッションを代表するスニーカーとなった、リーボックのアイコニックなモデルを指す。ファッションにも造詣が深い3人がスタジオでセッションした楽曲は、クラシックの「アメイジンググレイス」。プライベートでも仲が良い3人が揃ってのパフォーマンスは初めてのことであり、貴重なセッションとなった。MusicVoiceでは撮影が終了した3人に、このセッションで気づいたお互いの印象や、コロナ禍でこれからアーティスト、ミュージシャンが求められることとは何なのか、など話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

撮影をして気付いたこととは

――グループの垣根を越えてセッションをしてみいかがでしたか。

柳沢進太郎 普段は自分のバンドのボーカルに合わせてコーラスはしているのですが、他のバンドのボーカルと一緒に歌うというのは、凄い身の引き締まる思いでした(笑)。

すぅ 自信満々に熱唱してたよ!

柳沢進太郎 やっぱり歌うとなったらプロ根性でやりますけど、実際に歌うまでは「2人はどういう歌い方をするんだろう」「どう混ぜたらいいんだろう」とか凄く考えました。また、スキルアップのキッカケになると思ったので、自分を改めて見直す機会にもなりましたし、勉強になったセッションでした。

すぅ 2人とは面識はあったんですけど、こういうセッションは初めてでした。3バンドは音楽性も違うので、各々の手癖だったりだとか、ニュアンスの違いだったりとか、歌い方も違うので、それがセッションで見れて凄く楽しかったし、勉強になりました。でも、やっぱり歌うのは緊張しました(笑)。このセッションについて数日前から色々やり取りをしていたんですけど、2人ともすごく忙しいはずなのに、朝まで作業していたのはすごいなと思いましたし、改めて尊敬しました。

山中拓也 僕はひたすら照れちゃいました。すぅちゃんも可愛らしいし、進太郎は子供みたいな笑顔でギター弾いてるし、なんかこう直視できないみたいな。なので、僕は終始照れてました。

山中拓也

――この3人で撮影されてみて、改めてお互い気づいたことはありましたか。

すぅ 私はたくさんあったんですけど、その中でも2人ともすごく真面目だなと思いました。

山中拓也 マジメ(笑)。

柳沢進太郎 恥ずかしい(笑)。

すぅ オンラインで会議をしていたんですけど、その時から感じていて、撮影について「どういう曲をやるのか」など細かくディスカッションしていたのが印象的でした。もう、朝までやってましたから。でも、こういった露出する場所ではそういう面は見せないようにしているのかなって。

柳沢進太郎 僕も拓也さん、マジメだなと思いました(笑)。こちらの意図も汲んでくれたり、細部まで拾ってレスポンスしてくれるんです。そのおかげもあって深みのある撮影になったんじゃないかなと思います。

山中拓也 2人とも僕より歳下だから持ち上げてくれるんです(笑)。僕も新しい発見はありました。こうやって歌録りとかやってみないとわからないこともあって、すぅちゃんだったら、「こんな声も出せるんだ」と驚きましたし、進太郎に関しては改めて、良い意味で“ギターバカ”だなって。それをすごく実感させていただいたセッションでした。

すぅ すごく、楽しそうにギター弾くもんね。

山中拓也 あと、こういった取材や撮影の合間の場の空気をすごく大事にする2人だなというのを感じました。周りに気を遣えるというのはすごく素晴らしいなと思いました。

これからアーティストが求められることとは

「Reebok CLUB Cスペシャルギターセッション」

――今回自粛がコロナの影響であったと思うんですが、「おうち時間」でハマったことや変化などがあればお聞かせください。

柳沢進太郎 僕は大掃除を年に4回くらい、普段もめちゃくちゃ掃除するんですけど、その頻度があがりました。上半期が終わる現時点で、既に大掃除3回くらいはやっているので、通常の1.5倍くらいの頻度で今掃除をしています(笑)。

すぅ お料理をするようになりました。あと、私はワンちゃんを飼っているんですけど、ワンちゃんについての資格を取りました。実は1年半前から勉強していてやっと1つ取れたんです。あと半年でもう一つ取れるので、今も勉強中です。

すぅ

山中拓也 僕は色々手をつけてしまってめちゃくちゃ忙しかったんです。一番最初に手をつけたのが生け花でした。花見が外で出来ないというところから、それならば家でやろう思って、花屋さんから通販で取り寄せて始めました。

 あと『サウスパーク』という、ちょっと口が悪い英語のアニメがあるんですけど、そこから英語を習得して、外国人の友達と喋ったりしてました。1日4時間くらい英語で喋ることを、1カ月半くらいずっと続けてました。

すぅ じゃあ、もう英語ペラペラだ。

山中拓也 まだまだ、全然ダメですね(笑)

――この自粛期間で音楽や自分自身と向き合った方もいるんじゃないかなと思うんですけど、その中で気づいたことはありましたか。

山中拓也 僕はこれまで全部自分で作らないと気が済まない性格でした。でも、最近他の人に「曲を作って欲しい」という話をすることが増えてきたんです。前回のアルバム『Kisses and Kills』あたりから思い始めていた部分はあったんですけど、自分だけで完結させるより、いろんな人と曲を作る楽しみ、面白さをこの期間で気づけたかなと思います。自分の想像していないものが出てきたりするので。

――進太郎さんはいかがでしたか。

柳沢進太郎 平時は自分の中でルーティンというものが染み付いていたのかなと思いました。曲を作るにしても、流れみたいなものがすごくあって、1曲1曲に向き合う時間も分散してしまっていたんじゃないかと思って…。今回は時間があったということもあり、1曲に対して向き合える時間が多くなったので、今まで考え付かなかったようなアレンジが思いついたり。これまでのアレンジに対しても今の解答が出せるようになったのは、自分にとってすごい進歩だったと思います。

柳沢進太郎

――ここからの作品に期待しても良いって事ですね?

柳沢進太郎 すごいと思います。期待して頂いて大丈夫です!

――楽しみにしています。さて、すぅさんはいかがでしたか。

すぅ SILENT SIRENはバンド結成10周年なんですけど、「解散を考えた事は?」とか「ケンカしたことはないの?」などよく聞かれるんです。それもあって、自分にとってSILENT SIRENはどんなバンドなんだろう?と向き合う事が増えてきた中でのコロナでした。もともと音楽は好きでしたが、バンドじゃなかったら音楽をやっていなかったと思うんです。仲間の大事さ、音楽を求めてくれる人の大切さが自分の力になっているんだなという事が改めてわかった事です。

――バンド、仲間というものの尊さに気づいて。

すぅ そうなんです。もう、「バンド最高! みんな、バンドやろうぜ」みたいな(笑)。ライブハウスで音は出したいですけど、今ならZoomでバンド組むのもアリだと思います。

――このコロナ禍の現状、アーティストやミュージシャンは、これからどんな事が求められていくと思いますか。

山中拓也 何が重要かと問われたら柔軟性じゃないかなと思います。僕は固定観念を取り除かないといけないなと思っていて、いかにそれを捨てて次の新しい事に取り組めるか、ということです。こだわりというのは美しいと思うんですけど、それを違うこだわりに変えていく、プラスの思考回路があれば柔軟に環境に対応していけると思っています。

柳沢進太郎 まずやっている僕ら自身が楽しめるようにしていかないとダメかなと思っています。今はなかなか生でライブが出来ないという状況で、リアルを届けられないというのはすごくダメージが大きい。じゃあ諦めて普通のテンションでやるのか、といったらそれはカッコ悪い。リモートで喋っていても、そこにはリアルあるんです。配信ライブは目の前に人は見えないけれど、そこにはいない人にも届くほど、こっちが楽しんでいる姿を見せていく事で、向こう側にいる誰かに刺さるものが出来ると思っています。それもあって僕は今、これまで以上に楽しんでいますから。

すぅ まず、あきらめずに音楽を続けていく事が大事で、ライブハウスで以前のように出来ることを願って、今はコツコツやっていくしかないと思っています。テレビ撮影がリモートになったり、ライブが出来なくなるなんて、半年前には想像も出来なかったけど、今考えられなかった事が現実に起きてしまっているのは事実です。その中でSNSにあげた曲が日本中の人が歌う曲になったり、良い化学反応も起こるんです。この機会を活用してSNSで音楽を発信して、より多くの人に知ってもらえる活動ができたらいいなと思っています。

(おわり)

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