INTERVIEW

中条あやみ
 ×
本郷奏多

『56年目の失恋』時を超える愛、内に秘める強さ


記者:木村武雄

撮影:

掲載:20年07月08日

読了時間:約4分

 中条あやみ(23)と本郷奏多(29)が、7月11日放送のNHK BSプレミアムの特集ドラマ『56年目の失恋』で共演する。2020年と1964年の東京を舞台に、2つの時代を生きる男女の恋模様を描きつつ、56年間での変化と普遍的な価値観、愛を問いかける。【木村武雄】

強く生きる沙織、中条あやみ

中条あやみが演じる中川沙織

 中条あやみは、一流レストランでシェフの見習いとして働く中川沙織(21)を演じる。2020年から1964年にタイムスリップ。そこで出会うのが本郷奏多演じる西洋料理店のコック・菊池隆一(26)。ひたむきに料理に向かう姿に恋心を抱く。しかし、ある事件がきっかけで再び2020年に戻ってしまう。

 二人の前に立ちはだかる「56年」という時空の壁。作品のタイトルからも期待感が膨らんだという中条。「時空を超えた恋愛に切なさを感じました。当時をこうした物語を通して学べるのは良いことだと思いました」

 フランス料理のコンテストで優勝経験がある沙織。しかし、2020年の東京では評価されず皿洗いばかりの日々で自信と情熱を失いつつあった。そんな彼女には「負けず嫌いな所もあります」と語るのは中条。女性の社会進出が現代よりも進んでいなかった時代。価値観の違いもあるなかで挑み続ける彼女の姿から感じたのは強い信念。「今でこそ女性のコックは沢山いると思いますが、当時は決してそうではなく大変だったと思います。そのような環境でもチャレンジする。内に秘める強い信念、情熱を持っています」

 本郷もそこに沙織の魅力があるとする。「沙織は未来からやってきた人ですので、隆一の常識では考えられない行動を起こします。でも、女性は一歩引くという社会的価値観があったであろう時代に、自分の意見をはっきりと伝え、時代が異なっても強く生きていく彼女の姿に惹かれていきます」

 役作りのためピーラーを使わず包丁でジャガイモの皮をむいたり盛り付けなどを練習した中条。役柄を通して気づきもあった。「沙織にとっては生ごみと思っていた野菜くずも、スープの材料として使い、それを近所に提供する場面や、互いに支え合って暮らしているところは考えさせられました」

昭和の男・隆一、本郷奏多

本郷奏多が演じる菊池隆一

 一方、1964年に生きる隆一。食材も限られ、十分な調理器具もない時代に、ひたむきに料理に挑む。脚本を読んで「面白い」と感じた本郷。「タイムスリップというSF要素だけにフォーカスするのではなく人間ドラマとして描かれています。昔ならではのシンプルな社会だからこそ気づける人間の温かさもあって、見ていてほっこりすると思います」

 脚本と演出を務めた戸田幸宏は、沙織を「くるくると表情が変化して一瞬たりとも同じ顔をしない」と表現し、隆一については「偏屈で口下手な“ミスター昭和”といった渋さがある」とその人柄を紹介している。沙織と隆一が醸し出すそのコントラストも見どころだ。

 本郷も、昭和な男気を感じる隆一を「一見、不愛想でぶっきらぼうに見えますが実は優しい人。仕事にもプライドを持っていて、昔のかっこいい男らしいキャラクターでしたので好感を持ってもらえると思います」とする。中条も「妹のために仕事を頑張る隆一さんに男らしい包容力があり素敵だなと思いました」

コロナ禍で身近に

 最近「地震・雷・火事・親父」ということわざを聞かなくなった。習慣や価値観はゆっくりと変化している。しかし、新型コロナウイルス感染症は急激に人々の暮らしを変えた。それは時空を歪めるかのように強引なものだ。本作の物語は、起因こそ違うものの人生を急激に変えられた2人が描かれる。

 本郷「こういう社会になってしまったことで、人と人とのつながりを考えますと、会いたくても会えない人、大切に思うからこそ会わないでおこうということが今まで以上に出てくると思います。内容こそ異なりますが、この作品でも沙織が元の時代に帰ってしまったらもう会えなくなってしまう。タイムスリップならではの切なさが描かれています。今回の事で会いたくても会えないというメッセージ性はより共感して頂けるのかもしれないなと思います」

(おわり)

番組情報

放送予定:2020年7月11日(土)午後9時~10時29分
BSプレミアム
脚本・演出:戸田幸宏(NHKエンタープライズ)
出演:中条あやみ、本郷奏多、岩谷健司、水橋研二、戸田昌宏、志田彩良、小野花梨、品川徹、赤座美代子、大空眞弓ほか
制作統括:寺園慎一(NHK)、村松秀(NHKエンタープライズ)、橋立聖史(ランプ)

あらすじ

2020年、東京。フランス料理のコンテストで優勝経験もある中川沙織(21歳/中条あやみ)は、一流レストランに入ったものの、自身の料理が評価されず皿洗いばかりの日々に自信と情熱を失いつつあった。そんなとき、突如1964年の東京にタイムスリップしてしまう。そこで西洋料理のコック・菊池隆一(26歳/本郷奏多)と出会い、その下で修業することになる。食材も限られ、十分な調理器具もない時代に、ひたむきに料理に挑んでいく隆一。その姿を間近に見ながら、沙織はしだいに、料理にとって本当に大切なものは何か、そして料理人として自分には何が足りないかに気づいていく。いつしか沙織は料理人としての尊敬を越えて、隆一に恋心を抱く。しかし、ある事件がきっかけで、突然沙織は再び2020年に戻ってしまう。すべては夢だったのか? そして、再びの東京オリンピックを翌年に控えた56年後の世界で、沙織の恋は突然、終わりを迎えることになる。

この記事の写真

記事タグ

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事