4オクターブの音域を持つシンガー・遥海が7月6日、TBS系音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』に出演。ビヨンセのカバー「Listen」とメジャーデビュー曲「Pride」を歌唱した。

 遥海は今年5月20日に「Pride」でメジャーデビューを果たした24歳のアーティストだ。日本人の父とフィリピン人の母を持ち、日本語・英語・フィリピン語を話すマルチリンガル。

 音楽の原体験として、フィリピンに住んでいた幼少期、物心が付き始めた3歳からクワイヤに参加し、自然と音楽がそばにある生活を送り、早くから音楽の魅力に惹き込まれていった。

 13歳でフィリピンから日本に移住し、言葉が通じず悩んだという。それを逆手に取り「歌で言葉を伝える」、歌での感情表現を追求することになった。その彼女の歌はエモーショナルで、語りかけるような優しさ、訴えかける強さ、喜怒哀楽を歌というツールを使って表現していく。

 遥海にとって歌は感情表現のひとつ。世界に出ると“言葉の壁”というものが立ちはだかる。だが、音楽、歌はその壁を壊し、世界共通認識となり、感動を共有することができる。

 それがわかる出来事に、彼女が2013年に出場した『X Factor Okinawa Japan』に続き、2018年にOne Direction等を輩出した世界的オーディション番組『The X Factor(UK)』に出場し、番組審査員であるサイモン・コーウェル、One Directionルイ・トムリンソンから称賛。オーディション会場となったウェンブリーアリーナに集まった3000人の聴衆は、スタンディングオベーションで彼女の歌を称えた。

 そして、同年OAされた『第5回全日本歌唱力選手権 歌唱王』では、当時の最高得点である995点を獲得し、お茶の間のリスナーから多くの反響を集めた。

 彼女の歌は海外アーティストと並べても遜色のない高い歌唱力と、言葉の壁を撃ち壊すために磨かれた表現力のバランスが秀逸。そして、高音はもちろんだが、中低音の響きが生命力を感じさせる歌声は、コロナ禍で気持ちが沈むこの世の中に活力を与えてくれるよう。

 今回出演した『CDTVライブ!ライブ!』ではビヨンセのカバー「Listen」をアカペラ多重録音で披露した。その圧巻のパフォーマンスに視聴者もSNSで「迫力と歌声すごい」、「伝える力強さが凄い」、「パワーがすごくて涙が出ました」、「心が震える歌でした」など反響を集めた。

 番組でコメントした音楽プロデューサーの松尾潔は「スピリチュアルな響きがあって、神の領域に近い。人の心を震わせる歌。美しい絵画を見せてくれたよう」と話し、ゴスペラーズの黒沢薫は「モノが違う、圧倒的な歌声。神様がえこひいきしている」と絶賛した。

 そして、彼女のメッセージの根幹にある女性の信念を歌ったメジャーデビュー曲「Pride」(TVアニメ『波よ聞いてくれ』EDテーマ)をテレビ初披露。この歌からは黒沢薫が番組で話していた繊細さ、言葉尻を丁寧に歌う、それがよくわかる一曲だった。

 彼女のシンガーとしてのキャリアはまだ始まったばかり。真価が問われる未来、彼女はどんな感情表現を我々に見せてくれるのか、期待が高まったパフォーマンスだった。【村上順一】

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