デビュー17年目に突入したシンガーソングライターの川嶋あいが3月20日に、配信シングル「くるくる」をリリース。同曲は6月3日にリリースされる9枚目のオリジナルアルバム『針の穴』からの先行配信シングルで、恋愛中のワンシーンを切り取ったポップな楽曲に仕上がった。インタビューでは「くるくる」の制作背景、アルバム『針の穴』に込められた想い、これからの展望について聞いた。【取材=村上順一】

音楽は一番身近にできる“探検”

――デビュー17年目に入りましたが今の心境はいかがですか。

 あっという間のようにも感じますし、長くも感じます。ただ、最近想うことは、音楽というものは、私の中で一番身近にできる“探検”のようなもの、ワクワクするもの、新しいものに触れて未知なる旅へ連れて行ってくれるアドベンチャーのようなものだと捉えているんです。

――先行配信された「くるくる」が生まれた背景、エピソードを教えてください。

 日常の恋愛をコンセプトにしたアルバムを作りたいと考え、「くるくる」のテーマはカップルの些細なケンカを曲にしてみようと。付き合いたてというより、少し年月の経た恋人同士の小さな衝突はお互いのことをわかりきっているからこそ、なかなか素直に「ごめんね」を言えないもの。駆け引きをしたり、演技をしてみたり…いろんな試行錯誤をしながら歩み寄ろうとしている女性の気持ちを描いてみたいと思いました。

――制作するに当たって苦労されたところはありましたか。

 アレンジのリズム感がとても独特で、ずっとハネているような弾む世界観なので、歌をそこに合わせていくのがとても難しかったです。

――お気に入りのフレーズやアレンジポイントなどありましたら教えてください。

 サビの「くるくる〜」はとても口ずさみやすいキャッチーなフレーズなので、是非一緒に歌ってもらいたいですね。何度も連呼させて印象付けたこともポイントです。

――レコーディングはどのように進めて行きましたか? これまでとは違った手法や歌うときに心掛けたことなど教えてください。

 アルバムの表情がとてもカラフルで、バラエティーに富んだ楽曲たちだったので、自分自身の気持ちも体も、そこにしっかり合わせられるように、その日に録る楽曲を初日から最終日まで明確に決めて、レコーディングしていきました。

 1日2曲のレコーディングだったのですが、1曲目が終わってもノンストップで休憩を一切挟まないのが私流です。(笑)

――歌詞に<言い過ぎたこと後悔する>とありますが、川嶋さんがこれまでに言い過ぎてしまって後悔していることはありますか。エピソードがあれば教えてください。

 いっぱいありすぎて具体的に言えません!(笑)。短気は損気だとわかっていても、その場になると、その瞬間の感情だけが勝ってしまって軽はずみな言葉を言ってしまうことが多々あります。特に恋愛に関しては、どれだけいい子を演じようとして頑張ってみてもムリですよね。いずれ、バレます(笑)

川嶋あいにとってのラブソングとは?

――アルバム『針の穴』というタイトルに込められた想いは? この言葉が浮かんだ経緯など教えてください。

 針の穴に糸を通すように、たった1つのものだけに想いを注ぐこと...それこそが恋する女性の姿のように感じてこのタイトルをつけました。恋愛って、常に1対1ですよね。そこに第3者が関わったとしても想う対象は1つだけ。なかなか簡単には心に通してくれないという想いも込められています。

――どのようなアルバムにしたいと考えていましたか。

 こんな恋愛していたなとか、こんな気持ちだった! とか、過去の恋、現在の自分の恋、様々な時間軸の中で皆さんの恋した想いと少しでも重なって何か少しでも元気になっていただけたら嬉しいです。

――都々逸や短歌から着想を得て、制作がスタートしたとのことですが、どのような作品との出会いがあったのでしょうか。もし感銘を受けた都々逸や短歌がありましたら教えてください。

 昨年末に出版された「26文字のラブレター」という都々逸の本に、私自身も都々逸を書いて参加させていただいたことがキッカケです。そこで出会った都々逸の言葉たちに凄い感銘を受けました。特に好きなのは、「切れた心はさらさらないのに、切れたふりする身のつらさ」ですね。

――アルバム収録曲の中で新たな試みがある曲がありますか。あればどのようなチャレンジか教えてください。

 「Paradox」という曲は、私の楽曲の中でもかなりロックなバンドサウンドに仕上がっていると思います。コーラスにもすごくこだわっていて、幾重にも重ねているハモリのラインがとてもボリュームがあって聞き応えを感じられると思いますので、よかったら注目して聴いてみてください。

――ジャケ写の針山は川嶋さんの手作りとのことですが、こだわった部分などありましたら教えてください。

 スタッフでとても裁縫に詳しい人がいて、その人から教わりながら作っていきました。和の世界観と、女性っぽさっていうのを大切にしながら、制作していきました。

――様々な曲調がある中でラブソングというものは川嶋さんの中でどのような意味を持っていますか。曲を作るに当たって気をつけていることなどあれば教えてください。

 今回作ってみて改めて感じましたが、恋する一瞬の表情は無限大だということ。今感じた想いを切り取っても、その2秒後でさえもう予測はできないくらい気持ちの変化は目まぐるしいと思うんです。さっき正解だと思ったことを間違いだと思ってしまったり…その“生きている瞬間”をなるべく丁寧に言葉やメロディーに起こして閉じ込めておきたい…それが私にとってのlove songです。

――これからの課題やチャレンジしてみたいことはありますか。

 「針の穴」という新作ができましたので、それをライブで生で表現するツアーを是非やりたい。というのが今のチャレンジしたいことです。

――2020年はどんな姿をファンの皆さんに見てもらいたいですか。

 このアルバムを中心に活動してゆくと思いますが、是非ライブで多くの皆さんと出会い、一つ一つの楽曲のメッセージを丁寧に届けてゆけたらと思っています。そして、小さなことでも新しいチャレンジをどんどんしてゆく姿を少しでも見ていただき楽しんでもらえたら嬉しいです。

(おわり)

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