all at once「新しいムーブメントを起こしていきたい」若い力が生み出す音
INTERVIEW

all at once


記者:榑林史章

撮影:

掲載:20年04月30日

読了時間:約9分

 男性デュオのall at onceが29日、シングル「12cm」と「Take mo’Chance」を配信リリース。北海道出身のITSUKIと宮崎出身のNARITOによる、柔らかで温かみのあるハーモニーが魅力の二人組。「12cm」は、亀田誠治がプロデュースを務める注目の楽曲で、テレビ朝日系『お願い!ランキング』の4月度エンディングテーマソングとして好評。また「Take mo’Chance」は、今年1〜3月に放送されたアニメ『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』のOP主題歌で話題を集めた。両曲について話を聞くとともに、お互いの出会いやこれからの目標などを語ってもらった。【取材=榑林史章】

「12cm」は、男女のもどかしい距離感

「12cm」ジャケ写

――お二人はどこで出会ったのですか?

ITSUKI 東京の音楽専門学校です。学校主催のイベントにデュオで出なくてはならず相方を探していて、NARITOに声をかけて初めて一緒に練習したときに、「NARITOとならもっと大きいステージに立てる」と直感してユニットを組もうと思いました。

NARITO 僕は音楽の道を志してからまだ日が浅かったんですけど、ITSUKIは中学生のころから音楽をやっていて知識もずば抜けていて学校でも有名だったんです。そのITSUKIがまさか僕に声をかけてくれるとは思わなくて、最初はすごく驚きましたし、同時にすごく嬉しかったです。

――それぞれどんな人か、お互いを紹介してください。

NARITO ITSUKIは、根がマジメな文系タイプで、頭が良いので僕に必要なものを常に提示してくれて、リーダーとして頼れる存在です。あと美味しいご飯屋さんをいっぱい知っています。最近は池袋の油そば屋さんを教えてもらって、僕もハマっています。

ITSUKI NARITOの良いところは…そうですね…。

NARITO そこは悩まないで欲しいんだけど(笑)。

ITSUKI (笑)。良くも悪くも純粋なところが、NARITOの魅力だと思います。そのぶん、僕からは出ないアイデアがポロッと出ることがあって。僕は何ごとも考えすぎるところがあるけど、NARITOは考えるよりも感性で動いていると言うか。それとムードメーカーです!

NARITO ありがとうございます!

――今は大人数とか5人くらいのボーイズグループが多く、デュオというスタイルは少ないですが、どうしてデュオにしようと?

ITSUKI 僕たち二人の声の相性が良かったのと、二人だからこそ伝えられる良さがきっとあると思ったので。

――その二人だからこその良さは、例えばどういうところですか?

ITSUKI 僕はNARITOの真っ直ぐで純粋な声にすごく惹かれたので、それを僕が引き立てようと思いました。all at onceの方向性は、NARITOの声を中心にした、純粋さと真っ直ぐさだと思っています。

NARITO 僕はハイトーンが自分の武器だと思っていて。カラオケでは、女性ボーカルの曲を原曲のキーのままで歌ったりしています。逆にITSUKIの声は温かみと深みがあって、僕の芯のあるハイトーンをすごく支えてくれる。この二つが揃って、all at onceの魅力が発揮できるんじゃないかと思っています。でも僕は高音が出るけど下があまり出ないので、そこは今後の課題だなと思っていて。

ITSUKI もっと練習すればNARITOのハイトーンももっと高くなっていくと思うので、それにしっかりハモれるように僕も頑張っていかないといけないなって思っています。僕たちの武器を、どんどん磨いて行こうと思っています。

――亀田誠治さんがプロデュースした「12cm」は、どういうイメージで制作したんですか?

ITSUKI まず、自分たちの名刺代わりになるような曲を作りたいと思って、それにはどんな曲調が良いのかすごく考えました。それで自分たちの持つ真っ直ぐさや純粋さ、優しさを伝えるためにはバラードが良いだろうということになって。その上で、真っ直ぐさを伝えるにはどなたにお願いするのが良いかを考えて、亀田さんにお願いをすることになりました。お忙しい方なので難しいだろうなと思っていたんですけど、快く引き受けてくださって。レコーディングでは「のびのび自由に歌ってくれていい。真っ直ぐ伝えることだけを意識して歌ってほしい」と言ってくださって。亀田さんの言葉があったおかげで、変に緊張することなく言葉通りのびのびと歌うことができました。

ITSUKI

NARITO 亀田さんはすごくやさしかったんですけど、僕らがすごく緊張していてガチガチで。声をほめていただいた時も、「ありがとうございます」と一言いうだけで精一杯でした。

――作詞は矢作綾加さんとの共作で、作曲がall at onceというクレジットになっていますが、どんな風に作っていったんですか?

ITSUKI 最初は制作チーム全員でスタジオに入って、僕らの鼻歌にスタッフさんがコードを付けていく形でデモを作ったんです。なので僕ら二人だけじゃなくチームの全員で作ったという気持ちで、all at onceというクレジットになっています。その上で亀田さんに編曲とプロデュースをお願いしました。歌詞は男女の距離感をテーマに、矢作さんに土台となるもの書いていただき、レコーディングを進める過程で歌いやすいように言葉を変えていったので、作詞は共作という形になりました。「12cm」というタイトルも矢作さんから提案していただいたのですが、10cmや15cmといった区切りの良い数字ではないことで、男女の微妙な距離感が表せたと思っています。

――手探りで始まった感じなんですね。

ITSUKI すごく貴重な経験でしたね。でもall at onceというのは僕ら二人だけではなく、スタッフさんも含めたチーム全体でall at onceだと思っているので。ゼロから手探りしながらみんなで作った曲なので、all at onceの原点となるにふさわしい形で作れたと思っています。

――12cmというのは、キスをするのに最適な身長差なんだそうですね。

ITSUKI 数学のお兄さんの横山明日希さんが提唱されている理論で、まさに表現したいことにぴったりだなと思って「12cm」に決まりました。

――歌詞はなかなか告白できない男の子の気持ちを歌って、ピュアさやもどかしさが表現されていて。

NARITO 男の子は相手との関係が崩れるのが怖くてなかなか告白できないでいる、そういう心の距離感も表れています。こういうちょっと弱気になる気持ちは誰にでもあると思うので、きっと多くの人が共感してくれるんじゃないかと思います。

みんなを巻き込んでムーブメントを巻き起こしたい

all at once

――「12cm」のMVには、女優の大友花恋さんが出演されていることも話題です。

ITSUKI ストーリー性を重視したくて、ショートムービー仕立てで作っていただきました。歌詞のストーリーに合わせて、映像でも最後はちゃんとゼロcmになるようになっていて。すごく感動的な映像に仕上がったのでぜひ多くの人に見て欲しいです。

――大友さんはドラマ『あなたの番です』ではヤンキーっぽい役でしたけど、MVではすごく清純な雰囲気でしたね。

NARITO 車の中で泣いているシーンがあって、そこは胸がキュッと締め付けられる思いでした。僕自身もこのストーリーと自分を重ねてしまい、どのシーンもすごく胸に響きました。

――助手席で泣いている彼女を抱きしめてあげたいんだけど、それができないというシーンが良かったです、

NARITO それが12cmという距離です。場合によってはすごく遠くにも感じるという。

NARITO

ITSUKI 僕らも撮影現場を見学させていただいたんですけど、監督や出演者の方だけでなく、大勢のスタッフさんが関わって作り上げてくださっていることを知り、すごく感激しました。

――今どきの曲には珍しい6分という長い曲ですけど、その長さがあるからこそ表現できるドラマですね。

ITSUKI はい。大友さんさんや千疋隼斗さんと、撮影の合間で少しだけお話をさせていただいたんですけど、お二人とも「役に入りやすい」とおっしゃってくださり嬉しかったです。

NARITO 大友花恋さん、千疋隼斗さんのファンの方にも喜んでいただける作品になったんじゃないかなと思います。

――シリーズになったら面白いですね!

NARITO 僕は大友さん側の目線で続編が見たいですね(笑)!

ITSUKI 二人の距離は縮まったけど、その後どうなったのか気になるね。

――もう1曲の「Take mo’Chance」は、アニメ『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』のOP主題歌としても好評でしたね。

ITSUKI アニメをきっかけに僕たちのことを見つけて、SNSをフォローしてくださる方がいらっしゃってすごく嬉しかったです。アニメの放送が始まったときは、家族や地元の知り合いから「見たよ」ってたくさん連絡をもらって。僕たちが世に出た初めての曲という部分でも、思い入れのある曲になりました。

NARITO 初回の放送のときは、本当に緊張しました。テレビから流れている曲を聴きながら「これは本当に僕たちの曲なんだよな~」ってふいに感動がこみ上げてきて、すごく嬉しい気持ちになりました。all at onceという名前が出ている画面を写真に撮って、知り合いに送りました。

ITSUKI 「Take mo’ Chance」は、「12cm」よりも前に録っていて、僕たちが初めてレコーディングした曲でもあるので思い入れがあります。最初の曲選びのときは、ロック調の候補曲が多かったんですけど、やはりそれだと僕ららしさが上手く出せなくて。それでアニメ主題歌っぽくはないけど試しに歌ってみようということで、この80'sディスコ/ファンク調の「Take mo’ Chance」を歌ったらバシッとハマってこれに決まったという流れだったんです。僕個人としては自分が得意とするジャンルの曲だったので、レコーディングがとても楽しかったです。逆にNARITOは苦戦していましたけど。

NARITO リズムの取り方が難しくて。もともとバラードが得意だったので、こういうテンポ感のある曲にノるのは大変だったんですけど、ITSUKIやスタッフさんがブースから盛り上げてくれて。最終的には僕も全身でノリノリになって歌うことができました。

――ITSUKIさんの得意なジャンルだったということですが、どういう音楽が好きなんですか?

ITSUKI 僕は中学生になってからブラックミュージックに興味を持って、そこからR&Bやファンク、フュージョン、さらにAORやシティポップも聴くようになって。初めて一人でライブに行ったのは中学2年生のときで、東京のブルーノートでジャネット・ジャクソンのライブを見ました。

――NARITOさんは、バラードがお好きだったんですね。

NARITO はい。僕が歌を始めるきっかけになったのが、DREAMS COME TRUEさんの「未来予想図II」なんです。大好きな曲のひとつですね。ライブにも何度か行ったことがあって。小学校6年生のころに親戚に誘われて見に行って、プロのライブを見たのはそれが初めてで、細部まで作り込まれたステージに感動しました。

――最後になりますが、ユニット名のall at onceにはどんな意味を込めていますか?

NARITO all at onceという言葉には「一斉に」という意味があって。そこから、みんなを巻き込んでいきたいという意味を込めています。「12cm」を作ったときのように、僕たち二人だけではできないことも、スタッフのみなさんや応援してくださるファンのみなさんとならできると思っていて。全員を巻き込むことで、僕たちから新しいムーブメントを起こしていきたいと思っています。

ITSUKI まずは目の前のことを一つひとつ大切にやらせていただいて、その先で大きな会場でのライブに繋がったら嬉しいです。

(おわり)

作品情報

all at once
「12cm」
「Take mo’Chance」
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