アジアの7人組グローバルグループSuperMが26日、世界発の試みとなるオンライン適合型コンサート「Beyond LIVE」で『SuperM - Beyond the Future』公演を全世界109カ国に配信した。「Beyond LIVE」は、アーティストのパフォーマンスや華やかなグラフィックと最新技術を取り入れた新しい映像コンサート。無観客のなか、オンラインでリアルタイム交流ができるという、今までのライブ配信とは一味違ったもの。今回の配信は視聴者数7万5千人という大盛況を見せ、新しい公演文化の始まりに世界中が好反応を示した。SuperMの公演を皮切りにスタートした26日の「Beyond LIVE」の模様をレポートする。【取材=平吉賢治】

SuperMの全く新たな配信ライブ

SuperM

 「Beyond LIVE」とは、“V LIVE”というアプリで生配信をするプラットフォームだ。通常はV LIVEアプリをインストールしてコインを購入し、試聴をする形になる。

 配信開始30分前、チャット画面では多くの視聴者が期待のコメントを寄せていた。チャットのログイン人数は開始時刻に近づくにつれどんどん増加し3万人超え。それは、SuperMの新たな形のライブ「Beyond LIVE」への期待値を如実に表していた。

 スタート時刻になると、多数の視聴者のオンライン画面がスクリーンにズラリと映し出された。各視聴者の顔、手やペンライトなどを振るアクションも見られる。生の空間とはまた別軸のライブ感があり、“新世代のライブ形式”というワクワク感がこみ上げてくる。そしてSuperM紹介動画を経て本編へ。

 荘厳なSEに包まれ、黒を基調とした衣装の7人が登場。力強いビートに合わせたダンスをパワフルに魅せる「I Can't Stand The Rain」からライブは走り出す。いや、新世代のライブスタイルの第一歩が踏み出された、という方が適切だろうか。ステージでは宇宙と大自然が融合されたような壮大な景色がスクリーンに広がっていた。

 2曲目以降はソロコーナーが連なる。まずはテヨンが作詞・作曲に参加した「GTA」。テヨンはEDM、HIP HOPのサウンドをバックにテクニカルなダンスを華麗に披露。

 続く「夢中夢」では東洋のテイストの導入からテンがパフォーマンス。多彩な画面演出とダンスのマッチングは“アート”という言葉が真っ先に頭に浮かぶほど美しく映えていた。テンは耽美なダンスを繰り広げ、やや透けた白の衣装からは色気があふれていた。

 そしてテミンのソロではうねるベースラインからの「MOVE」「WANT」。ディープグリーンの衣装を纏い、流し目混じりの妖艶なダンスで視聴者を魅了。この配信ライブスタイルだと「どう魅了されているか」という点がチャットで確認できる点も魅力だろう。全世界の各言語でメンバーへのコールが文字として、スタンプとして表現され、新しい味わいの反応を知ることができる。

「Beyond LIVE」ならではの新たな交流

 “INTERACTIVE Q&A”コーナーでは、「Beyond LIVE」の紹介とビデオトークが展開された。メンバーはまず「初の試みだが、ソロステージがすごくかっこよかったです」と、好感触を言葉にし、互いを称え合った。そして、ARやLED、カメラワークのクオリティの高さを驚き混じりに語り合い、「すごくいいし、みなさん楽しんでますか!」と、笑顔で視聴者に投げかけた。

 そしてSuperMは韓国語、英語、タイ語、スペイン語、日本語など、様々な言語で全世界の視聴者へ挨拶。ベクヒョンは「みなさん家で楽しんでますか? 楽な格好で、そしておいしい食べ物を準備して僕たちをメインディッシュで楽しんでください」と、ビシッとカメラ目線。

 メンバーは和気あいあいと、初の試みにワクワク感が滲み出ている様子。コーナーは「今日『Beyond LIVE』ではより一層みなさんと近くで共に」というメッセージからビデオトークへ。数々の視聴者がスクリーンいっぱいに映し出される。SuperMと直接オンライントークがおこなえるのは「Beyond LIVE」ならではの特別な時間だろう。Q&Aが展開されると、ファンとSuperMが距離的には離れていても近くに感じる温かい時間を味わえた。そして再びライブパフォーマンスへ。

 カジュアルな衣装で披露された「Super Car」、レゲトンの曲調が印象的な「Bass Go Boom」ではルーカスがハンドマイクで鋭いラップを刻み、ベクヒョンが端正なスタンドマイクパフォーマンスを魅せた「Betcha 」「 UN Village」と続く。そしてベクヒョンのファルセット混じりの美しい歌声の余韻がフィードバックするなか、ライブは“INTERACTIVE CHALLENGE”へと進んだ。

 このコーナーではビデオトーク、ミッションチャレンジがおこなわれた。メンバーはリアルタイムでの視聴者との繋りを噛みしめるように、チャットのコメントを読み上げながら笑顔を咲かせる。

 ミッションチャレンジでは「ピンクのものを使ってSuperMを愛している分、画面に大きなハートを作ってください」というお題が出された。リモート接続された視聴者が作るハートが時間内に完成したら成功、というものだ。オンラインライブならではの交流も経てライブは中盤、「Beyond LIVE」で初披露される未発売の新曲へと進む。

SuperMが示した新世代のライブ体験

SuperM「Beyond LIVE」

 「内面の野獣性を引き出し困難を克服しよう」という歌詞と虎を表現した振付による「Tiger Inside」では、歌唱とダンスはもちろんのこと、虎が飛び出るド迫力の3Dグラフィックなど「Beyond LIVE」の特性をフルに活かした演出に圧倒された。SuperMのワイルドな面がサウンド、ビジュアル面と存分に表現されたシーンだった。

 迫り来るような演出から一転、「2 Fast」では浮遊感、清涼感あふれるシンセサイザーの音色と心地よいビートが染み込む。テミン、ベクヒョン、マーク、ルーカスがクールに披露するその姿はライブをバーチャル体験している感覚にさせてくれ、「家で楽しむ」から「家で興奮」というボルテージになってくる。

 「Baby Don't Stop」では、タイトなビート上でテヨンとテンが揚々と数々の視聴者のリモート画面に囲まれながらのパフォーマンス。そして「Talk About」ではマークがハイスキルのラップを小気味好く叩き込む。カイは「Confession」「 Spoiler」でスーツにキャップ姿で鮮やかに身体能力の高さを魅せ、「No Manners」ではテミン、カイ、テヨン、テンがトラップ系のビートに乗り、切ないマイナー調のメロディを美しく歌い上げた。

 そして本編ラストの曲の前のMCでSuperMは、チャットで寄せられる「すごくかっこいい」「鳥肌が立った」など、好レスポンスで埋め尽くされるコメントを読み、視聴者からの歓声に包まれた。また、様々な言語でコメントが寄せられていることは、この日の「Beyond LIVE」が全世界109カ国の視聴者から注目されていることを物語っていた。

 SuperMは、「まず感謝していると言いたいし、愛していると言いたいです」、「新たに始めたこと自体が意義深くて参加できたのが嬉しいです」、「この機会に少しでも僕たちをお見せして、みなさんも楽しめたなら嬉しいです」などなど、個別に「Beyond LIVE」の感想を視聴者へ向けた。さらに、「ファンのみなさんがコンサートを見られる機会が少なかったので、幸せなエナジーを僕達も得られました」と、ポジティブな思いを世界中に向けて伝えた。

 この日の「Beyond LIVE」ラストは「Jopping」。7人が華々しく歌を、ダンスを披露する姿、そしてオーディエンスが会場を埋める景色の3Dグラフィックは、新たな形のエンターテインメントを提示したフィナーレにふさわしかった。

 無観客ライブというスタイル、リモートとチャットの活用、離れていても近くに感じるライブの見せ方、3D、ARなど「Beyond LIVE」に特化した演出。これらは総合的に、家にいることが多くなった今だからこそ生み出されたニュースタイルだろう。

 『SuperM - Beyond the Future』を観て、“新しい公演文化の体験”という感覚が広まったことが多分に伝わってきた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりライブ公演が難しくなった現状だが、「Beyond LIVE」は希望あふれるエネルギーを放っていた。それは、視聴者のほとんどがそう感じたのではないだろうか。その証明だろうか、画面下のハートマークの数字は、配信直後で1億を超える数字が表示されていた。

 SuperMは「Beyond LIVE」で、これまでにない新しい扉を開いた。そして、その扉からは数々の人が訪れた。この新たなアプローチには無数の可能性がある。現在の逆境で生まれ、提示された今回のオンラインライブ。SuperMは、多くの人びとを音楽とエンターテインメントで繋ぐ全く新しいスタイルを具現化し、輝かしい“希望の光”を世界中に放った。

セットリスト

『SuperM - Beyond the Future』
2020年4月26日「Beyond LIVE」

01.I Can't Stand The Rain + Dance Performance
02.GTA
03.夢中夢 + New Heroes
04.MOVE + WANT
05.Super Car
06.Bass Go Boom
07.Betcha + UN Village
08.Tiger Inside
09.2 Fast
10.Baby Don't Stop
11.Talk About
12.Confession + Spoiler
13.No Manners
14.Jopping

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