星野源が楽曲「うちで踊ろう」を通じて呼びかけた音楽の輪は、ミュージシャンにとどまらず俳優やアスリートなども参加するなど広がりを見せた。ネットを介しての“楽曲づくり”は「歌ってみた」や「弾いてみた」などの従来のネット参加型に加えて、「うちで一緒に音楽を楽しむ」ことの可能性を広げたように思える。意図はしなかったと思われるが星野は今回の行動で音楽の新たな楽しみ方を掲示した。

 【動画】星野源の呼びかけで広がった「うちで踊ろう」の輪

 星野がインスタグラムを通じて呼びかけて広がった今回のコラボ。4月3日の投稿で「家でじっとしていたらこんな曲ができました」と、その楽曲「うちで踊ろう」をアコースティックギターの弾き語りで公開した。この投稿に、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための外出自粛に対するメッセージは一切なく、それを直接促すものではなかった。あくまでも、“うち”でコラボして音楽を楽しむ新たなスタイルを提示するというアクションだった。

 この呼びかけは多数の反応を呼んだ。著名人では三浦大知、香取慎吾、GLAYのHISASHI、渡辺直美、石田ゆり子、ガチャピン&ムックなど、他にも多数の人達がコラボ動画を投稿している。それは音楽界にとどまらず、芸能界やアスリート、さらには海外のミュージシャンまで、あらゆる方面からのコラボが実現。それぞれ“カラフル”な方法で次々と投稿している。

 その“カラフル”なコラボは、ハモりを加える、ドラムやベース演奏、替え歌、動物の動画とのコラボ、ご当地ゆるキャラの振り付け、イラストで参加、吹奏楽部の演奏バージョン、星野の演奏に実況を加えるなど、彩り豊かだ。21日現在、星野のTwitter動画再生数は227万回を、インスタグラムでは314万回を超えており、楽譜の公開や楽曲音源ダウンロード先のアップもされている。

 楽曲「うちで踊ろう」は、<生きて踊ろう 僕らそれぞれの場所で 重なり合うよ>という温かい歌詞の一節などに元気づけられる。曲調の面では、軽快なリズムにおしゃれでスパイス感が光るコード進行とキャッチーなメロディで“参加意欲”をそそる。様々な人達の大きな反応と参加により、人と人が音楽で繋がっていることを実感させてくれる。

 なぜここまで大きな反応があったのか。その一つに、星野が、従来の参加型の音楽の楽しみ方に「うちで楽しめる仕組み」をプラスしたという点が挙げられる。

 あらゆるパートの参加を広く呼び込んだことは、“歌ってみた”や“弾いてみた”などの楽曲カバーという従来のネット参加型の音楽の楽しみ方に新たな手法を加え、「うちで一緒に音楽を楽しむ」ことの可能性を拡張してくれたように思える。

 今回のコラボによって、みんなが参加する楽しさのみならず、演奏やアレンジという音楽の枠を超え、ダンスやイラストなどアート面での広がりを見せた。SNS時代とも呼ばれる現代、そしてうちにいる時間が増えた今、星野は音楽の新たな楽しみ方のスタイルを広く認知させたように感じる。

 今回の星野のアクションは、SNSで不特定多数の人達と動画でコラボする楽しみ方が新たな手法として普及するきっかけとなるのではないだろうか。【平吉賢治】

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