KEITAが約4年ぶりのソロアルバム『inK』を3月25日にリリースした。KEITAはw-inds.のメンバーであり楽曲のプロデュースも手掛ける橘慶太によるソロプロジェクト。今作は2019年にリリースされた配信シングル12曲に新曲2曲を加えた全14曲。その中から、KEITAと岡崎体育の2人が絶妙な味を醸し出す新曲「Tokyo Night Fighter feat.岡崎体育」にフォーカスしたい。【平吉賢治】

一見対照的な2人が織りなすディープな世界観

「Tokyo Night Fighter feat.岡崎体育」

 ダークアンビエントな雰囲気の導入から緊張感のあるエレクトロビートが走る。そしてKEITAのボーカルが低音域からハイトーンまで縦横無尽にメロディを駆け巡るクールな展開かつサウンドの楽曲。リリックはKEITAと岡崎体育による共作で、英語詞の韻を踏む部分はリズミックに響く好アプローチだ。自然と体を揺さぶられるグルーヴとシリアスかつクールな音像が印象に残る楽曲だ。

 そしてMVの方は、KEITAと岡崎体育という一見対照的とも思われる2人が織りなす世界観が極めてディープ。2人の異なるカラーのキャラクターが絶妙にマッチングしているのである。赤く野太いフォントの“東京闘者”というタイトルが目に焼きつくこのMV、KEITAは“刑事”、岡崎体育は“極道”という設定でシリアスな「Tokyo Night Fighter」の物語が進行する。

 KEITAは、ややクラシックなセダン車を相棒にレザージャケットを着こなすスタイル。事件検証現場のシーンや交差するライティングに包まれ、華麗でキレのあるダンスを魅せつつハイトーンボーカルを煌びやかに響かせる。MVの中盤までKEITAがクールにキメると、ここからは岡崎体育のターン。

 アウトローな空気感満載の極道的事務所で、新宿歌舞伎町系のスーツに身を纏う岡崎体育が親分的立場を醸しソファーでくつろぐシーンは、橘とは正反対な立場設定で展開される流れが、楽曲の世界観とコラボレーション感をグッと押し上げる。

 子分と思わしき面々が正面をギンと睨みつけ、岡崎体育は闇の賭場でしのぎを削る者達をバックにコミカルにダンス、神妙な表情でゆっくりと横にスラリと日本刀を抜くシーン――それらを経て、KEITAと岡崎体育が共にパフォーマンスする場面へ移行する。そして、刑事と極道それぞれの世界を表すシーンが交互にカットインされ、えもいえぬ斬新な融合感を味わわせてくれる。

“刑事”目線、“極道”目線のコントラストの融合

 見ようによってはちょっとおちゃらけているように感じられる部分もあるが、真剣な空気感がひしひしと伝わってくる。 “男の美学”的なものが対比的に表されたクールな2人のアクションと表情、そして歌声が、「Tokyo Night Fighter」という楽曲、MVの一本の太い線を揺るがない軸として感じられる。

 刑事と極道というコントラストのキャラ設定が抜群にマッチングして完成されているこのMVからは、2人の相性は抜群なのではないかということがうかがえる。

 「Tokyo Night Fighter」の曲を最初に聴いてからこの映像を見るとかなりのインパクトが感じられる。しかし、「このMVの演出、構成でベスト」という感覚をおぼえるのは、「Tokyo Night Fighter」の世界観にふさわしい仕上がりということだろう。

 改めて歌詞を読んでみると、MVで観られる“刑事”目線、“極道”目線、どちらからでも(どちらも想像がちょっと難しいが)解釈できるという部分にも注目したいところだ。

<偽りだらけ 蠢く Dream>
<泥水被っても掴みたい栄光>
<似て非なる Stronger Weaker>
<運命(さだめ)に狂う 血走った眼(まなこ)>

 どれも“刑事”目線であり、“極道”目線でもあるように感じられ、楽曲とMVのギラリとザラついた世界観にマッチした歌詞のワードはどれもスッと入ってくる。

 KEITAが極道、岡崎体育が刑事という「逆設定バージョン」も是非観てみたいという欲にそそられてしまうあたり、この作品の奥深さがうかがえる――。

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