<連載(全4回):YouTubeで見せる等身大(3)茂木忍>
 AKB48の村山彩希、岡田奈々、茂木忍、向井地美音がYouTubeに開設した、ゆうなぁもぎおんチャンネル。開設1カ月で11本の動画を上げ、累計再生数は100万回を突破(3月5日現在160万回突破、チャンネル登録者数5万人突破)するなど好評を得ている。動画に垣間見えるのは4人の「素」の部分。ステージに立つ姿とは対照的な等身大の女子の顔だ。彼女たちはどのような思いで動画に臨んでいるのか。インタビューと共にその背景に迫る。第三弾は茂木忍。【取材・撮影=木村武雄】

 【動画あり】涙腺が崩壊した茂木忍

 金色の長い髪を翻して艶やかに舞う。手足が長いこともあって動きが大きく見える。暗いステージでも赤いリップが目立つ。キリッとした表情は、清楚な雰囲気のメンバーが多いAKB48のなかにあってやや異彩だ。美しいがゆえに近寄り難さもある。だがトークでそれが崩れる。

 「大勢がいますが『ギャルが一人だけいた』と覚えて帰って下さい!」

 自身の容姿を踏まえ、そう自己紹介した。4年ぶりとなったAKB48単独による全国ツアーの公演での出来事だった。たったその一言でインパクトを残す。

 髪を金色に染めたのは昨年の夏だった。

 AKB48に加入したのは2011年で、今年は加入9年目だが、新しい発見があった。

 「AKB48には長いこといるので、今さら私の事を新しく知って下さる方はいないと思っていました。でも金髪にしてから、ファンの方が『イメージが変わった』、『タイプ』『ギャル姿が好き』と言ってくれて。意外と隠れギャル好きが沢山いることに気づいて(笑)。清楚系が沢山いる中でギャルになって良かったなと思います(笑)」

 そんな茂木に転機が訪れる。YouTubeチャンネルの開設だ。楽屋では面白いとして「楽屋番長」の異名も取るが、なかなか日の目を見ない。だが、このチャンネルで光り出す。

 メンバー4人のうち3人が開設当時キャプテンやAKB48グループ総監督の肩書きを持っていて、茂木だけがなかった。その際に放った言葉は「絵に描いたような平社員です!」。また、得意だと豪語していた激辛ソースを口に入れて悶絶。向井地が乗りで「名前分かりますか? どこから来ましたか?」と“意識チェック”すると包み隠さず自身の最寄り駅を告白。更に、コンサート舞台裏に潜入した際には、村山と岡田(ゆうなぁ)の姿に感動して8度も泣いた。そんな自身を「涙腺ババア」と例えるなどして笑いを誘った。

 要所に言葉やアクションを入れて盛り上げる。企画を面白くさせる要のような存在だ。そんな茂木の姿に、視聴者からは「茂木ちゃん面白い!」「ワードセンスが良い!」「茂木ちゃんが重要」「存在価値高い」「茂木ちゃんの良さが出て好きになってきた」と好評の声が挙がっている。

 ツイッターも面白い。プロフィール欄には「欲しいものは人気とお仕事」と記載。切実のようにも見えるが思わずニコリとしてしまう。1月27日には「ママとけん玉で競う月曜の昼下がり」とも綴った。情景が浮かんできそうだ。そして、23歳になった次の日「怖い夢みた丸 どうなってんだよ23歳!!!」、短い文に人柄がのぞく。

 俊逸な言葉選びと、場を盛り上げる存在感はこのチャネルを通して認知され、茂木人気が高まっている。それはツイッターのフォロワー数にも表れており、実感しているようだ。

 「僅かですがYouTubeを始める前よりも増えていて、新しい動画が公開される度にフォローが増えていて。反響を見ようと検索してみたら『茂木ちゃんは怖いと思っていたけど、意外と面白かった』という声もあって。加入9年目でイメージが変わることもあるんだなって(笑)」

 照れ隠しのようにそう語る茂木だが内心は期待感で溢れている。

 「私、結構楽屋ではこうなんです。今までステージ上では出せませんでしたが、仲の良いメンバーとやるからこそ『素』が出る。そんな私を見て面白いと言って下さって、やって良かったと思います。今年はググっと行きたいです! YouTubeで跳ねたいです! 無理せず楽しく挑めるものなのでここで跳ねたら嬉しいですね!」

 23歳の誕生日を迎えた際にもこのチャンネルをきっかけに飛躍したいとの思いを語っていた茂木。今年の目標は「編集ができるようになること」。

 向井地が「メンバーの個性を広めるきっかけになれば…」と、発起人の一人となって打ち出したAKB48メンバー単独YouTubeチャンネルの開設。その思いは実を結び始めている。今年は忍ばず、煌びやかに表舞台に立つ。

 次回は向井地美音さん。4月4日公開予定。

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