Perfumeがメジャーデビュー15周年を記念してベストアルバムを携えて行った4大ドームツアー『Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome』の中から、2月25日東京ドーム公演の模様が3月29日WOWOWで20時より放送される。この放送に先駆けて以下にライブの模様をレポートする。

(撮影=Yosuke KAMIYAMA)

 Perfume結成20周年、メジャー・デビュー15周年。これを記念して行われた4年ぶりのドーム・ツアー。そのファイナルとなった2月25日は、約8年ぶりとなる東京ドーム。これは3人の記念日としてだけではなく、Perfumeとファンのひとりひとりが歩んできた、いくつもの大切な記憶を思い出す、素晴らしいライヴだった。

 開演前。ステージ後方のスクリーンには1から54までの数字、そして曲名が映し出されていた。昨年9月にリリースされたベスト・アルバム『P Cubed』に収録された楽曲の数とタイトルだ。このツアーは、その収録曲からファン投票が行われ、ドーム公演で聴きたい曲を募り、その集計の上位を中心にセットリストが組まれている。またステージの下手には1から11、上手には12から21、どこか見た記憶が残る数字のオブジェが並んでいた。これは10年前、最初の東京ドームのライヴタイトルにちなんだもの。下手が当時のタイトルで、結成10周年、そして11年目がスタートすることを意味しており、そして上手は20周年となる今年までと、21年目のスタートを表している。始まる前から、そういうひとつひとつの演出がされている。

 ライヴの1曲目からそうだった。オープニング、中田ヤスタカによる過去のシングル曲をミックスした「Opera」に続いて、スクリーンに映し出された映像は、重い扉を開け、3人がゆっくりと光に向かって歩みを進めるもの。ヒールの音と緊張を感じさせる呼吸。そして逆光の中、ステージに登場したシルエットの3人は、着ていたマントを後ろに投げ捨てる。そして始まった「GAME」。ファンは気づいた。これが12年前、2008年のファースト・ツアーのオープニングとまったく同じであることに。

(撮影=Yasuyuki KIMURA)

 「こんばんは、Perfumeです! 会いに来てくれてありがとう!」

 続く「Spending all my time」前の、あ〜ちゃんによる短い挨拶。この言葉には、この日を迎えられた喜び、そして自分たちを信じて来場してくれた人たちへの感謝。いろんな思いがこめられていた。そして「Dream Fighter」へ。12年前、初の日本武道館公演という夢を叶える3人に贈られたこの曲だが、その歌詞のように、終わりのない旅は続いている。この事実に胸がいっぱいになる。

 「最高の時間にしたいんですけど、みんなはどうですか?」 あ〜ちゃんのMCに対する会場の大きな反応に、すでに3人とも感極まっている様子が伺える。メンバーが会場にいるPerfumeのコスプレを探す姿も、どこか昔を思い出す。ライヴはそんな記憶をさらに呼び起こしていく。恒例の会場グループ分けは、〈あ〉〈べ〉〈さん〉。インディーズの頃からずっと一緒にやってるスタッフの名前。

 「みんなのいろんな思いや思い出をみせあいっこして、いろんな感情になりながら、楽しんで帰りたいなと思ってます」とあ〜ちゃんが言っていたように、それぞれの思い出が心に浮かぶ、そんな楽曲と演出が続く。「だいじょばない」は、昨年のCoachella2019で見せた、ライゾマティクスによるリアルタイム演出を再現し、新曲の「ナナナナナイロ」に続く「SEVENTH HEAVEN」のイントロのピアノアレンジは、2008年のSHIBUA-AXで行われたライヴのオープニングを再現していた。気づいたファンはもちろん、それをわからないファンにもその思いはちゃんと伝わっていた。

 そしてメドレーで披露された9曲。こういう形になることで、余計に思い出がフラッシュバックしてくる印象。まさか「チョコレイト・ディスコ」がこのメドレーに組み込まれるとは予想もしなかったが、曲のつなぎが素晴らしい。スクリーンにはMVが映し出され、ひとりひとりの記憶をさらに呼び起こしていく。またこの10分以上のメドレーをやりきる3人のパフォーマンス力にも改めて驚かされる。

 3人が姿を消したステージに、中田ヤスタカによる「Chrome」が流れる。3つのキューブ形のスクリーンに、3人のポリゴンが投影される中、それぞれのハイトーンな声が聴こえ、メンバーがキューブ型のステージに現れた。カウントダウンに続いて始まったのは「edge」。上手、中央、下手、それぞれのキューブに乗って、客席を移動していく。アリーナ中央でそれが再び合体し、ステージとなった。

(撮影=Yosuke KAMIYAMA)

 そのキューブに乗ったアリーナ中央で、スクリーンにはこれまでのライヴツアーのデータが機会的に読み上げられ、スクリーンにはビジュアル化されたデータと3人のポリゴンで作られた映像が映し出される。これは〈Reframe〉で見せた「Visualization」の再現だ。それが最新曲となる「再生」に繋がり、Perfumeの今、そしてこれからを感じさせる。

 続いてそんなテクノロジーとは間逆な『「P.T.A.」のコーナー』へ。中央のキューブが再びアリーナを動き出し、客席とやりとりする間に、3人はスタンド席の近くまでやってくる。「はみがきのうた」そしてNHKの「できるかな」の振りと歌を指導。これが本当に難しい。そしてあ〜ちゃんの教えはとても厳しい(笑)。

 そして後半、「Party Maker」で会場を興奮の渦に。ここで特筆すべきは「ポリリズム」の演出。Perfumeがブレイクするきっかけとなったこの曲で、スクリーンには様々なライヴやフェス、テレビ番組でこの曲を唄う映像が映し出され、さらにサビでは大きく花火が上がった。これは最初の東京ドームでの演出のオマージュ。あの日の感動を思い出し、胸がいっぱいになる。3人とファンが築いてきたその絆を感じると共に、20年という長い時間をひもといて、3人がPerfumeを続けてきたことに間違いはなかったんだと、このライヴが証明していた。

(撮影=Aki Ishii)

 続く「Challenger」がこれからもこの挑戦が続いていくことを証明していた。そしてラストの「MY COLOR」が、ずっと変わらず、僕たちに会いに来てくれることを、そしてPerfumeはPerfumeであり続けることを唄っていた。こうやってみんなから求められることで、そしてその期待に応えようとすることで、Perfumeはその夢を叶えてきた。そしてこれからも求められる限り、その夢はずっと続いていく。そしてお互いにとって、Perfumeが人生になる。ファンの投票でセットリストを決めたのも、そういう思いから来ているのだろう。そんなことを改めて感じた20周年、そして21年目の未来の始まりに相応しいライヴだった。

「信じてもいい?」

 「MY COLOR」が始まる前、あ〜ちゃんがつぶやいた。Perfumeと僕たちが、そうやってお互いを信じてきた、その思いが確かなものとなったのが、この日のライヴだった。Perfumeと僕たちの夢は永遠だ。【金光裕史】

セットリスト

『Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome』@2020/2/25 TOKYO DOME』

M01.Opera
M02.GAME
M03.Spending all my time
M04.Dream Fighter
M05.レーザービーム
M06.Hurly Burly
M07.だいじょばない
M08.ナナナナナイロ
M09.SEVENTH HEAVEN
M10.P Cubed Medley(チョコレイト・ディスコ〜Baby cruising Love〜ねぇ〜コンピューターシティ〜Spring of Life〜Sweet Refrain〜NIGHT FLIGHT〜未来のミュージアム〜STAR TRAIN)
M11.Chrome
M12.edge
M13.Visualization
M14.再生
M15.Party Maker
M16.パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
M17.TOKYO GIRL
M18.ポリリズム
M19.Challenger
M20.MY COLOR

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