上野優華が3月18日、ミニアルバム『今夜あたしが泣いても』をリリース。前作『好きな人はあなただった』から約1年2カ月振となる作品で、究極の失恋・片想いソングをコンセプトに奥華子やコレサワ、wacciの橋口洋平らが楽曲を提供。それぞれの恋愛模様を上野が歌い上げるという前作の流れを汲んだ1枚。インタビューでは曲のキャラクターに合わせ、お芝居をしているような感覚もあったと話す今作の制作背景から、大好きだと語るメロンパンへの思い、今年デビュー7周年を迎える上野に歌手としての未来について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

私が“不幸せ代表”みたいな感じも

――『今夜あたしが泣いても』が完成しましたが、今どのような心境ですか。

 奥華子さんに提供していただいた「迷子」は前作の時からあった曲ということもあり、1年2カ月ぶりのリリースで、時間をかけて作ったアルバムということもあって、達成感がすごくあります。

――奥華子さんから2曲提供していただいた中の1曲だったんですよね。アルバムタイトルの『今夜あたしが泣いても』は上野さんが考えられたんですか。

 前作『好きな人はあなただった』は曲の歌詞から取ってつけたタイトルなんです。なので、今作も前作とコンセプトが近いということもあって、「こっちをむいて」の歌詞の中からつけさせていただきました。前作は自然と「これだ!」とスタッフさんとも一致したんですけど、今回どの曲からつけようかは悩みました。曲ごとに候補となる言葉を選んで最終的に<今夜あたしが泣いても>が、少し含みがある感じが私の世界観っぽいとなって、今作のコンセプトに一番合っているんじゃないかというのがあって。

――私は今作を聴かせていただいて、それぞれ色んな恋愛があるなと思いました。

 それぞれのキャラクターがあって面白いですよね。それもあって、曲ごとにキャラを変えてレコーディングに臨んだこともあり、お芝居みたいな感覚がありました。しかもストーリーが幸せにはなれない、切ない曲だったりするので大変でした。前作からの流れもあってどこか私が“不幸せ代表”みたいな感じもあります(笑)。

――すごく曲に入り込んでますよね。

上野優華

 入り込んでます。自分が経験したことでもないんですけど、曲によってはうるっときたり。曲の中で恋愛を体験しているような感覚でした。

――橋口洋平(wacci)さんが提供した3曲目の「あなたの彼女じゃないんだね」はうるっときたと資料に書いてありました。

 そうなんです。歌詞にある<会って終わりにしたくて>というのは、友達からもそういう恋愛は聞いたことがなかったので衝撃でした。今ならLINEで終わってしまう、もしくは連絡もなしでフェードアウトしてしまうこともあると思うので、登場する女性はすごく強いと思いました。どれほど大切な人なのかというのが<会って終わりにしたくて>という言葉から伝わってきました。

 <好きなまま さようなら>という言葉からもわかるんですけど、そのくらい大切な人と別れる切なさ、苦しさがあるんですけど、楽曲自体はすごく温かくて。私が同じ立場だったら幸せを感じながら泣いちゃうんだろうなと想像したら、うるっときてしまいました。

――橋口さん、男性なのにこういった女性目線の曲が書けてすごいですよね。

 本当にすごいです。私も含め女性の多くはフォルダ上書きタイプで「次だ、次だ」という感じだと思うんですけど、この主人公は女性だけど男性のようなフォルダ分けタイプの一面もあって、それが男性にも共感してもらえるんじゃないかなと思いました。女性が書いた女性目線じゃないからこそ、色んな人に届く曲になっていると思いました。あと、橋口さんはこういった失恋の曲は書きやすいと仰っていました。

――橋口さんにレコーディングは立ち会ってもらって?

『今夜あたしが泣いても』通常盤

 私、レコーディングは恥ずかしくて見られていると歌えないんです。なので、立ち会いはなくて…。レコーディングをするときも、電気も極限まで暗くしてカーテンも閉めて、曲に合わせてなるべく落ち込むような感じにしています。そのモードに入る瞬間の顔を見られるのが照れくさいんです(笑)。明るい曲は幾分大丈夫なので「メロンパンのうた」は歌のディレクションしてもらったこともあり、立ち会っていただいて。

――それは意外でした。さて「こっちをむいて」を作詞・作曲されたコレサワさんとは面識はあったのでしょうか。

 私がファンでライブにも行っていました。2〜3年くらい前から「曲を作ってもらうなら」という話が打ち合わせであると、「コレサワさんにいつか書いてもらいたい」とずっと話していて。それがついに叶ったんです。

――上野さんから見たコレサワさんの楽曲の魅力は?

 ちょっとトゲがあるところです。「あたしを彼女にしたいなら」という曲をカラオケでよく歌うんですけど、すごく可愛い曲なんですけど、普段異性には言えない、例えば<割り勘ばっかは嫌>とか、女子会で出てきそうなワードを曲に入れてくるところがすごい素敵だなと思っています。

――すごい切り口ですよね。この曲はどんな風に歌おうと思いましたか。

 この曲はコレサワさんと2人で曲のテーマをLINEでやりとりして、決めさせていただきました。コレサワさんの曲で「悪いユメ」という曲があって、1番にはなれない女の子を描いた曲なんです。その曲が大好きで、「悪いユメ」のようなテイストの曲を書いて欲しいとリクエストさせていただきました。きっと私は“選ばれない女”が好きなんでしょうね(笑)。

――(笑)。あと歌詞で気になったところがあって、<あたしが一番驚いたのは君の足の指が短いこと>の部分なんですけど、上野さんはこの部分をどう解釈しています?

 私はすごい素敵だなと思いました。足の指の長さって普段の生活の中で、なかなかわからないじゃないですか。特別な関係性にならないと、そこまで気が行かないと思うんです。繰り返し会っていくなかで、そんな些細な部分だけど驚いたという感じなんじゃないかなと思いました。

――なるほど! その考察すごく納得しました。この曲のポイントはどこにあると思いますか。

 関係性を始めてしまったことを少し後悔しているところが魅力だと最初思いました。でも、だんだん進んでいく中で、最後に結局<今夜あたしは君の腕の中にいたいの>と言っているので、どんなに後悔しても好きなんだと思いました。関係性も気持ちも曖昧だけど、はっきりしているのは好きだということがこの2行で表れていて、この曲の全てなんじゃないかと思いました。

自分が向いている方が常に北

上野優華

――続いては「迷子」なのですが、上野さんは普段迷子になったことはありますか。

 私地図が読めなくて、しょっちゅう迷子になっています(笑)。自分が向いている方が常に北だと思って生きているんです。Googleマップ先生だけが頼りなんですけど、それがあっても迷子になっています!

――それはマズイですね(笑)。さて、「迷子」はめちゃくちゃ切なくてグッときました。

 言えない、独り言のような雰囲気で書かれているのがすごく切ないなと思いました。例えば<好きだよ>という言葉も誰かに向けて歌っているラブソングが多いと思うんです。この曲に関しては言えなくて、口に出せなすぎてずっとループしているかのような、自分のなかに秘めている感じを歌で表現できたらなと思いました。

――すごく歌と曲がマッチしていて、グッと世界観に引き込まれました。ちなみに上野さんは人生の迷子にはなっていないですよね?

 なっていないと言いますか、けっこう私行き当たりバッタリなんです。常に北へ向かっているので大丈夫だと思います(笑)。

――迷いがないですね。さて、「冬色シルエット」はガラッと曲調が変わります。でも、歌詞は切なさがあってそのギャップが印象的です。

『今夜あたしが泣いても』初回限定盤

 私がイメージキャラクターをやらせていただいている『富士見パノラマリゾート 2019-2020 イメージソング』になっていて、曲調はウィンタースポーツに合うようなものになっています。でも、ゲレンデで織り成される恋模様には、良いものもあれば切ないものもあると思うんです。実際はいいことばかりではない、ギャップみたいなものを楽しんでもらえたらなと思っています。それもあって歌をどういった表情にしようか考えました。歌詞に合わせてという選択肢もあるんですけど、私は柔らかさを出したくて、パウダースノーみたいな感触が声で出せたらいいなと思いました。

――ライブで歌ったら盛り上がりそうな感じもありますよね。

 まだライブではやったことがないので、どうなるかはわからないんですけど、おそらく曲調に合わせてライブでは聴いてもらえるのかなと思っています。その前に私がどんな顔で歌おうかなと(笑)。

 ライブで育っていく曲はたくさんあって、特にテンポ感のある曲はお客さんと一緒に作っていく感覚があるので、「冬色シルエット」はライブをするたびにどんどん変わっていく曲なんじゃないかなと思います。

――ライブが楽しみな一曲ですね。続いては「メロンパンのうた」ですが、メロンパンがお好きということで。

 はい! 大好きです!!  私のメロンパンの概念を変えてくれたのが徳島と淡路島を結ぶ明石海峡大橋にあるサービスエリアで食べたメロンパンなんです。そこからハマりました。最近はクリームが入っていたり、果汁が入っているパンもあるんですけど、それらももちろん美味しいけど、メロンパンはシンプルであればあるほど良いと思っています。例えるとすごい美人なのにギャルのメイクをしている女の子みたいな(笑)。私の中でメロンパンはスッピン美人なんです。

――わかりやすいです。3食メロンパンでもいけますか。

 全然いけちゃうんですけど、周りから流石に「やめて」と言われています(笑)。

――この曲の作詞はD.W.ニコルズのわたなべだいすけさんとの共作ですね。

 そうなんです。私がエフエム徳島で『上野優華の華金!~ときめきweekend~』という番組をやっていまして、D.W.ニコルズさんも同局で『わたなべだいすけのラジオのおじさん』をやっているという繋がりがあるんですけど、D.W.ニコルズさんの曲で「フランスパンのうた」というのがあるんです。私はメロンパンのコーナーを番組で設けていたところ、ラジオ局のスタッフさんから「優華ちゃんも『メロンパンのうた』作りなよ」と勧めていただいたんです。それでD.W.ニコルズさんにお声がけしたら、承諾してくださって。

――作詞はどのように進めていったんですか。

 まず私がメロンパンへの愛を書きだしたものを、だいすけさんに送らせていただきました。そして、私がメロンパンになって歌いたいというのをお伝えしました。

――上がってきた歌詞を見ると上手く女性とメロンパンがリンクしていてすごいなと思いました。

 そうなんです。すごくメロンパンって女性的なんです(笑)。歌はなるべくフラットに歌うことに挑戦しました。ここまでフラットに歌ったことはなくて、デビューしてからの7年間で出てきた個性や作ってきた声の出し方を、一旦全て捨てて歌いました。それはけっこう勇気がいりました。

 まだ、ファンの方には現時点では聴いてもらえてないので反応が気になるんですけど、今のところ橋口さんも絶賛してくれて、スタッフさんからの反応も良いので、思い切ってこのタイミングでメロンパンにこの身を捧げて良かったなと思っています(笑)。

嘘偽りなく生きている姿を見せていきたい

上野優華

――さて、「私の歌」はSNSでファンの皆さんと一緒に作りあげた一曲ですね。

 新しいことをやりたいなと思って。私が日々いろんなSNSをやっている中で、Twitterのアンケート機能やInstagramの質問コーナーだったり、今までにないくらいに一般の方の声が自分に届くスピードが速くなっています。何もフィルターを通さずに、良いことも悪いことも届くわけじゃないですか。そこを上手く音楽に使えないかなと思い『SNSソングライター』という企画を始めました。私たちも未知数なので、まずはアンケートという形にさせていただきました。

――参加した方は曲への思い入れもひとしおですよね。

 普通作品を作ってもこちらで完成させたものを、皆さんが受け取るというのがほとんどだと思うんです。今回は歌詞の一部や曲のタイトルをみんなと一緒に決めたので、今まで一番多くの人が関わった曲になっています。それもあって皆さんがどのような感想を持ってもらえるのか楽しみです。SNSソングライターがどのようになっていくか、未来を担う1曲でもあります。

――すごく重要ですね。この曲は上京というのがテーマになっていますが、共感ポイントが多いですね。

 私も上京してきたので色々思うこともあります。でも「みんなの心を歌う」というのをテーマにしたプロジェクトなので、あえて自分の気持ちを入れすぎないというのを大事にしました。いろんな人が思っていること、私だけではないということをメインに考えて歌ったので、これまでの私の歌とは違った表情になっていると思います。

――代弁者ですね。

 そうなんです。私の歌でもあるけど、みんなにとっての“私の歌”でもあるので。

――最後を締めるのは「おぼろ月の夜に」で古内東子さんが作詞された一曲です。イントロからグッと世界観に惹き込まれます。歌ってみていかがでしたか。

 ゆったりとしたバラードでドラマチックかつロマンチックなんですけど、そこに現実的、リアリティがある歌詞が乗っていることもあり、歌い方にすごく悩んだ1曲でした。何度も仮歌を録ったんですけど、結局本番まで迷っていましたから。歌い上げすぎても歌詞の世界と合わないし、素朴すぎてもダメなんです。そこのバランスに迷ったんですけど、最終的にはすごくシンプルなものだということに気がつきました。それは、他の曲と同じく切ない女の子になりきれてしまえば大丈夫なんだって。この曲は割と私と同世代、20代の甘酸っぱい恋愛を思い出してもらえたらいいなって。

――本番に強いですね! 曲調に引っ張られる感覚もありそうですね。

 迷いに迷って結果的に原点に戻った、帰ってきたという感覚でした。やっぱりゆったりとした曲ってどことなく年齢が上がってしまうイメージがあったんです。ラブソングはいろんな人に共感していただいて、これは自分の歌だと思ってもらったり、何か思ってもらうことがすごく大事だと思っていて、仮にそれが否定的なことだったとしてもいいんです。曲を聴いて何かを感じてもらえたら嬉しいです。

――最後にもうすぐ7周年を迎えますが、ファンの方々にどのような姿を見せていきたいですか。

 私はいろんな歌を歌ってきて、今作は幸せになれない女性のオーラを発していると思うんですけど、ライブでのMCも音楽の一部だと思っていて、きっと上野優華は人生ずっと楽しいんだろうな、ありのままでステージに立っているんだろうな、と思ってもらえるような人になれたらいいなと思います。嘘偽りなく生きている姿を見せていきたい、これからもそんな上野優華でありたいです!

(おわり)

作品情報

■「今夜あたしが泣いても」全曲トレーラー

■アルバムリリース記念LINE LIVE放送決定!

『今夜あたしが泣いても』発売記念スペシャルライブ
スペシャルライブの他、"今夜あたしが泣いた"エピソード紹介など、盛り沢山!
3月18日(水)21:00~
https://live.line.me/channels/762/upcoming/13180687

■New Release
Mini Album「今夜あたしが泣いても」
2020年3月18日(水)発売

【初回限定盤】
KICS-93902 (CD+DVD)/3200円+税

[CD収録内容]※初回限定盤・通常盤共通
こっちをむいて (作詞:コレサワ / 作曲:コレサワ)
迷子 (作詞:奥華子 / 作曲:奥華子)
あなたの彼女じゃないんだね (作詞:橋口洋平(wacci) / 作曲:橋口洋平(wacci))
冬色シルエット (作詞:岩里祐穂 / 作曲:aokado)
メロンパンのうた (作詞:わたなべだいすけ(D.W.ニコルズ)・上野優華 / 作曲:わたなべだいすけ(D.W.ニコルズ)/ 編曲:鈴木健太(D.W.ニコルズ))
私の歌 (作詞:中尾孝年&ファンの皆さん / 作曲:木村美保)
おぼろ月の夜に (作詞:古内東子 / 作曲:松本俊明)

CD購入特典:オリジナルステッカー
▼対象店舗はこちら▼※特典は数に限りがございます。無くなり次第終了となります。
https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t12007/

■ジャケットイラスト:青春bot

Instagramをホームに、青春の甘酸っぱいあるあるをイラストと言葉にして毎日投稿を続け、若い女性を中心にフォロワー10万人を超える大人気イラストレーター。

イラストは、どこか懐かしい色づかいとタッチで描かれ、淡い青春を彷彿させるような雰囲気をもつ。
人物に表情がないのも特徴であり、イラストを見た人に様々な感情を与えている。
イラストに添えられる言葉も、人々の心を共感させる魅力が溢れている。

Instagram @seisyunbot
Twitter @seisyunbotdesu

ライブ情報

『上野優華 LIVE TOUR 2020 ~今夜あたしが泣いても~』
5月24日(日)神戸 クラブ月世界
6月12日(金)名古屋 BL cafe
6月14日(日)横浜 Yokohama O-SITE
6月27日(土)千葉 ANGA
7月11日(土)徳島 シビックセンター さくらホール
7月19日(日)東京 KANDA SQUARE HALL 【Debut 7th Anniv. SP!!】

<OPEN/START>

神戸・東京    16:30/17:00
名古屋      18:30/19:00
横浜・千葉・徳島 16:00/16:30

<TICKET>

東京公演以外 自由席¥4,500(税込、ドリンク代別)
東京公演   指定席¥5,500(税込、ドリンク代別)

<MEMBER>
Vocal:上野優華 / Guitar: 曽根巧 / Keyboard:成瀬篤志(ghoma)

オフィシャル2次先行

LINE TICKET:3月7日(土)18:00〜3月15日(日)23:59
https://ticket.line.me/sp/yuuka-ueno

チケット一般発売日
4/18(土)12:00〜

この記事の写真

記事タグ

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連記事は下にスクロールすると見られます。