AKB48が57thシングル「失恋、ありがとう」をリリースした。センターを務めるのは16期のずっきーこと山内瑞葵。脇を固めるのは彼女を支えている“先輩”村山彩希と岡田奈々だ。サーフミュージックを感じさせる爽やかな曲調ながらも、ちょっぴり切ない春ソング。ミュージックビデオ(MV)では選抜18人の個性が表現されている。今回のシングルで初センターを務めるずっきー、そして村山、岡田、総監督の向井地美音。卒業を控える峯岸みなみにインタビューを実施した。【木村武雄】

 【動画】AKB48「失恋、ありがとう」ミュージックビデオ

意外だった曲調

AKB48「失恋、ありがとう」MV、グループショット(C)AKS/キングレコード

――「失恋、ありがとう」を聴いた最初の印象は?

山内瑞葵 爽やかという印象でした。歌詞には、失恋を乗り越えて次に進もうとしているけど、忘れられない、本当は大好きだよという気持ちが書いてあって、いい曲だなと思いました。

向井地美音 ずっきーがセンターと聞いて、どういう曲になるんだろうと考えました。本人はリボンが好きですし、アイドルソングなのか、それともパフォーマンス重視で来るのかと予想して。でも両方とも違っていて、レトロで懐かしい明るい曲。春っぽいですし、老若男女を問わず愛してもらえる曲だと思い、嬉しかったです。

岡田奈々 春曲で失恋というところに意外性を感じました。明るくて、聴いていても、歌っていても自然と笑顔になれる、でも切ない、だけど前向きになれる、そんな印象でした。衣装もずっきーはリボンが好きなので、色んな所についていて、ずっきーは特別にピンク色で。

村山彩希 ずっきーがセンターだと聞いて、絶対にダンス曲になると思いました。仮歌が届いた時にずっきーに聞いたら「爽やかな曲です」という感想が返ってきて、実際に聴いたらその通りで。失恋ソングでも前向きな感じなので、大人っぽいのかなと思いきや、私たちにも歌いやすくて、馴染みのある懐かしいメロディなので幅広い年代の方に好かれそうだなと思いました。

峯岸みなみ 次の出会いを求めて旅立つというところに、卒業など出会いと別れを迎える3月の時期にぴったりな曲だと思いました。恋愛ソングに収まらず、旅立ちという広い意味で春の歌とも思いましたし、私個人的には最後の選抜メンバーですので、自分の卒業にも重ねました。

AKB48「失恋、ありがとう」MV、部屋ソロカットC)AKS/キングレコード

――MVの撮影はいかがでしたか?

山内瑞葵 今回は一人一人をピックアップしているカットがたくさんあって、選抜メンバー18人ぞれぞれの魅力や可愛い表情がたっぷり見られるMVになっていると思います。

向井地美音 一人一人に部屋が用意されています。私は、大きい唇型のソファーにギターという、ロックっぽくて真っ赤な部屋。家からギターを持ってきて弾きながら歌いました。

村山彩希 私は黄色い部屋でパターゴルフをしました!

岡田奈々 私はグリーンが好きと言っていたからなのか、小物から部屋まで全てがグリーンでした。

峯岸みなみ 私は赤い部屋でジェンガしていました。私のスリリングなグラグラな人生を表現したかったのかな(笑)。

山内瑞葵 青い部屋で、ヘッドホンをしてノリノリになって。それから窓を拭いたりと掃除していて。

山内瑞葵の隣に岡田奈々と村山彩希

TDCホールでの公演。センターを務めることが発表され、驚きのあまり顔を手で覆う山内瑞葵を抱きしめる村山彩希

――TDCホールで山内さんがセンターを務めると発表されましたが、あの時はどういう心境でしたか。

山内瑞葵 「びっくり!」の一言です。あの時は、選抜のメンバーが順に発表されていて、それをドキドキしながら見ていましたが、最後まで自分の名前が呼ばれなかったので「もっと頑張らないと…」と思っていたら、センターで私の名前が…。まさか自分の顔写真がスクリーンにどアップで映されるとは思ってもいなかったので予想外。これまでで一番驚きましたし、頭の中が真っ白になりました。

 その後に、ステージ中央に移動してスピーチさせて頂きましたが、感想や意気込みを話しているうちに、「AKB48を引っ張っていけるようなもっと強い人になれるように頑張らないと」という気持ちが湧いてきました。加入してはセンターを目指して一直線に活動してきたので、その夢が叶ったことがゴールではなく更にその先を目指して、センターとしてAKB48の魅力を発信できる入口になれるようになりたいと強く思いました。

――不安な要素はない?

山内瑞葵 不安はないって言ったら嘘になりますが、強気で頑張りたいと思います。

――センターと発表された時、メンバーの反応は?

山内瑞葵 村山彩希さんが駆けつけてきて泣いて下さって。それが嬉しくて。初めて選抜メンバーに選んで頂いたきっかけは、彩希さんが16期公演『レッツゴー研究生!』をプロデュースして下さって、ユニットで選んで下さったからだと思っています。ファンの方が私たちをそこで見て下さって、私たちも成長ができました。選抜メンバーとして歌番組に出演させて頂いた時も、優しい言葉を掛けてくれたので本当に彩希さんのおかげだなと思っています。

AKB48「失恋、ありがとう」MV、山内瑞葵ソロカット(C)AKS/キングレコード

村山彩希 ずっと近くにいないと色々な一面が見られない人だと思います。握手会で通い詰めないとずっきーの魅力や面白さは伝わらないと思う。私たちも仲良くなるまでに時間がかかりましたし、話しかけていくうちに「あれ? 少し変わっているんだな」と気づいて、なぁちゃん(岡田奈々)のイジリに乗ったり、意外とノリも良い。それと頼もしい一面もあります。私が落ち込んでいると「大丈夫ですよ」と声を掛けてくれたり。センターが発表された翌日に「実感、湧いた?」と聞いたら、堂々と「頑張ります!」って。

岡田奈々 すごい人見知りで、距離を縮めるのにすごく時間がかかります。最初、話しかけても、目をあまり合さない感じだったけど、「村山チーム4」になってから2年以上経ってようやく仲良くなれました。

山内瑞葵 昔から人見知りで…(笑)。AKB48加入する前まではミュージカルのお仕事をさせて頂いていましたが、共演のお友達とも仲良くなるのに1年以上がかかって…16期とも最初の一年はそこまで自分を出せていなくて…。初めて会う方とは毎回1年かかっちゃうから、どうにかしたいんですけど…でも緊張しちゃうんです(笑)。

岡田奈々 真面目なんです。レッスンで進むスピードが早くても、絶対についてきていたし、自分で練習してくるんです。予習復習がすごいから振りとかもミスがなくて。

山内瑞葵 パフォーマンスは大好きで、私の強みはそこしかないと思っていたので、一番に磨いていました。

向井地美音 最初は泣き虫なイメージがありましたが、強くなったように感じます。センターの発表があった後もしっかり喋っていました。最近は2人での取材やラジオ出演も多くなりましたが、話す内容もいいですし、気持ちの上でも強くなっているので、「しっかりしたな」と勝手ながら親心で見ています。

峯岸みなみ 私は今まで接点がなくて、MVの撮影現場で少しは話せましたが、仲良くなるのに1
年もかかったら、在籍中には間に合わないと焦っています(笑)。印象はアイドル性があって、スタイルも良くて、あっちゃん(前田敦子)みたいだなと思っています。華がある人だと思っていますので、仲良くなれたらいいなと思います。

――村山さんと山内さんは子役経験があり境遇も似ていますし、村山さんは16期には特別な思いがあると思います。歌割も村山さん、岡田さんと3人でのパートもありますし、立ち位置も隣で、どういう思いですか。

山内瑞葵 今回、歌割を頂く前から、彩希さんと奈々さんの2人が隣にいてくれたら心強いのにと思っていたら、まさか本当に隣だとは思っていなくて。ずっとTeam 4をゆうなぁさん(村山と岡田)が支えて下さって、それについて行っていたので、MVの撮影でも隣にいてくれて本当に心強かったです。

村山彩希 私自身、フロントメンバーにいるようになったのが最近で、不安もいっぱいあります。それで、ずっきーがセンターに決まってまだ歌割が分からない時に、「隣にいられないからごめんね」って伝えていたんです。そしたらずっきーの隣で、しかも3番手。テンションが上がっていましたが、ずっきーがしれっと「隣にいて下さい」と。それを聞いてしっかりと支えないといけないと思いました。後ろにはみいちゃんや、後輩もいるので良い背中を見せられたらなと思っています。ずっきーのお陰で堂々といようと決心がついたので、支えられています。

峯岸みなみは「母の様な存在」

峯岸みなみの卒業ソング「また会える日まで」ミュージックビデオ(C)AKS/キングレコード

――カップリングには峯岸さんの卒業ソング「また会える日まで」も収録されます。

峯岸みなみ 書いて頂けるのかどうか分かりませんでしたので、秋元先生から「卒業ソングは必ず良いものにします」と連絡を頂いた時はすごく嬉しかったです。それで頂いた歌詞を読んで泣いて。秋元先生とお会いする機会は多くはないですが、ちゃんと見てくれていて、私の気持ちを汲み取って、最後に曲としてプレゼントしてくれたことがすごく嬉しかった。研究生の時に、支えてくれた13期、14期とみーおん(向井地美音)とこみ(込山榛香)が曲に参加してくれて、良いMVになっていると思います。

――卒業するという実感は湧いてきた?

峯岸みなみ まだふわふわしています。

――参加した3人から峯岸みなみに感謝の気持ちを。

岡田奈々 研究生の頃に、みいさんが降格してきて…。私は昔から真面目でしっかり者と思われていたせいか、先輩から甘やかされたり、可愛がられたりされることがなくて。みいさんが初めてかまってくれた先輩。イメージだけではなく、深い部分まで知ろうとしてくれた先輩でしたので、救われました。内面的な部分だけではなく、パフォーマンス、トーク、アイドルとしての立ち振る舞いをたくさん教えてくれました。ここまでこられたのも、みいさんという“育ての親”が良かったのかなと思います。人間としても、アイドルとしても出会えて良かったです。

村山彩希 私は元々バスケ部だったというのもあり、先輩後輩のしきたりで、先輩には話しかけてはいけないと思っていたので、みいちゃんに距離を置いていました。チームを離れてから、みいちゃんの大切さに気付いて。今でも正直2人きりになると、目を見られない。私自身は口数が多くないので、以前、みいちゃんと私の不仲説が出てしまって。それでもみいちゃんは「彩希の良さだよね」と分かってくれて。みいちゃんとご飯行けるようになったのも最近です。2人で自主練を夜中までしたり、飲みにも行って。緊張する人だけど、構ってほしくて寄って行っちゃうような。先輩でもあり、お母さんのような存在です。

向井地美音 AKB48のファンだったときは、みいちゃんの握手会に行ったことがあるくらい好きでした。AKB48に入った時にはみいちゃんがいて、13期、14期研究生のすごい勢いがあったから、15期が入るのも申し訳なかったりして、このまま、みいちゃんとも仲良くなれないんだろうな思っていました。そこから、Team 4、Team Kで同じチームになって、私が悩むたびに、みいちゃんが声を掛け、抱きしめてくれたので、心折れずに頑張ってこられました。全てをさらけ出せるような私のママです。

――山内さんは峯岸さんとしたかったことは?

山内瑞葵 1期生として、長く支えて下さって、私たち若手にも、特にTeam Kの16期3人に寄り添って下さっているのを見ていて、同じチームではなかったので、良いなと思ったりしていました。最近、一緒の公演に出演させて頂いた時に、カフェのドリンクを全員に奢って下さったり、MCの打ち合わせにも熱心に付き合って下さった。後輩やメンバー思いなところを尊敬していて、私もそうなりたいと思いました。

峯岸みなみ もっともっと関りをもって仲良くしたかったなと。人見知りの感じとか、孤高な感じがAKB48のセンターぽくって魅力的です。自分の良さを大事にAKB48を引っ張っていって欲しいし、残り少ないですけど卒業コンサートでは泣きながらハグができるくらいになりたいと思います。

(おわり)

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