ジャズシンガーのギラ・ジルカが去る2019年12月26日、東京・KIWA TENNOZでワンマンライブ『アルバム完成&年忘れライブ!』を行った。ライブは12月11日にリリースされたメジャーデビュー・アルバム『50(フィフティ)』の発売を記念し行うというもの。『50』の収録曲を中心に、2010年にリリースされたソロデビューアルバム『all Me』から「Li-Ye-O」やギラ山ジル子プロジェクトから山下達郎のカバー「RIDE ON TIME」などアンコール含め全13曲、圧巻の歌声で魅了した。以下にライブの模様をレポートする。【取材=村上順一】

すべてはこのアルバムから…

ギラ・ジルカ

 開演時刻になり会場は暗転。ギタリストの竹中俊二がステージに登場し、情緒あるアコギによる演奏で観客をおもてなし。その演奏中にギラ・ジルカ(Vo)も合流し、すべてはこのアルバムから始まったと話す1stアルバム『all Me』に収録された「Li-Ye-O」を2人で届けた。美しく伸びやかな歌声を響かせた。2人のハーモニーも華やかに広がった。

 そして、サポートメンバーを呼び込み、仲間と一緒にこのステージに立てる喜びを噛み締めながらメジャー1stアルバム『50』からムーディーな1曲「愛情表現」を、ジャズ・ボーカリストならではのスモーキーな歌声で、官能的な夜を演出。

 続いて、ギラが定期的に行っているワークショップで、約3年前に英語で歌唱していたという1曲「キミを超える恋はない」を披露。SOKUSAI(Ba)によるスラップ奏法が印象的に響く。楽曲がエンディングに向かうに連れ、ギラの歌声は熱を帯びていく。

 MCではアレンジャーでジャズピアニストのデビッド・マシューズ、2008年に逝去したジャズ・フュージョンギタリストのハイラム・ブロックとのエピソードを語り、そのデビッド・マシューズがアレンジを担当した「君が君で」を歌唱。しっとりとした曲調に、ギラの心震わせる歌声に耳を傾ける観客。楽曲を通してギラからのメッセージを受け止めていた。

 Soul、R&BシンガーのMAREE ARAKYが作詞を行い、最終的にギラと竹中の3人で飲み屋で歌詞を完成させたというコミカルなナンバー「盛り場千鳥足」は、<右足 左足♪>とキャッチーな歌詞に合わせ、ギラはまだ未完成だという振り付けも交えながら、楽曲の情景を動きでも表現。

 1部のラストはアーバンな景色が目の前に広がるシティポップチューン「City Lights」。ギラはシンガーソングライター・Noeが作詞した同曲の歌詞を最初に見たときに、世田谷から横浜に伸びる第三京浜道路が浮かび上がったという。渡辺 剛(Key)の奏でるエレピの隙間を縫うように顔を出す竹中のギターカッティング、SOKUSAIと加納樹麻(Dr)のリズム隊によるグルーヴィな演奏に、ギラの歌声も生き生きと都会の街並みを映し出していた。バンドの演奏が続くなかギラはステージを後にした。

今日からがスタートです

ギラ・ジルカ

 第2部に入る前にこの日にアップされた「ダメですか」のミュージックビデオ(MV)を大型のスクリーンで上映。そのMVが終了すると、加納によるドラムロールが流れるなか、スクリーンがゆっくりと上がり、ステージにはギラとバンドメンバーの姿。

 2部のオープニングを飾ったのは3rdアルバム『Day Dreaming』に収録された「Phoebe」。ギラの卓越したスキャットが光る1曲だ。リズムに合わせ観客も手拍子で一体感を作り上げ、その一体感は続いての山下達郎のカバー「RIDE ON TIME」へと引き継がれる。躍動感あふれるラテンのリズムに乗って、心地よい空間に観客も酔いしれる。

 大人のライブレストラン・ワンダーウォール横浜で撮影したという「ダメですか」のMVの撮影エピソードや、8月に配信リリースされたメジャーデビュー曲「ケンちゃん」の制作裏話など盛りだくさんなMC。その流れから「ケンちゃん」を披露。ノスタルジックな気持ちにさせてくれる楽曲で、そこに乗る合計<ケンちゃん>を87回連呼する歌詞がインパクトのある1曲を、表情豊かなギラの歌声がより楽曲の魅力を引き出していく。

 そして、壮厳な雰囲気を醸し出していた「千日千夜」は、ギラのダイナミックな歌声が空気を震わせ、どっぷりとその世界へと浸らせてくれた。続いては、ギラも楽曲提供、音源やツアーにもコーラスで参加しているMISIA。そのバックを支える重実徹(Key)、鈴木明男(Sax)らが携わった「あの日に逢いたい」を歌唱。時間の流れを忘れさせてくれるスローバラードは、会場の空気感を変えてしまうほどだった。

 本編ラストは観客によるシンガロングも響いた「セブン」。ファンキーなグルーヴに、エネルギッシュなギラの歌声が高揚感を煽る。ライブならではの一体感、臨場感を十二分に感じるなか、本編を終了した。

 アンコールに応え、再びステージに登場したギラは、最後にもう一曲「ダメですか」を歌唱。ミラーボールが会場を鮮やかに照らし、振り付けを交え観客と一緒に<ダメですか♪>とコールしながら楽しんだ。歌唱後のMCでギラは「これからも頑張っていきます! 今日からがスタートです」と意気込みを述べ、ギラの音楽、歌への愛情、情熱が溢れたワンマン『アルバム完成&年忘れライブ!』はフィナーレを迎えた。

セットリスト

『アルバム完成&年忘れライブ!』

2019年12月26日@東京・KIWA TENNOZ

第1部

01.Li-Ye-O
02.愛情表現
03.キミを超える恋はない
04.君が君で
05.盛り場千鳥足
06.City Lights

第2部

07.Phoebe
08.RIDE ON TIME
09.ケンちゃん
10.千日千夜
11.あの日に逢いたい
12.セブン

ENCORE

EN1.ダメですか

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