女優で歌手の福原遥が3月11日、2ndシングル「透明クリア」をリリース。2019年8月に「未完成な光たち」で福原遥名義でソロデビュー。「透明クリア」は音楽配信サイトSpotify上で2018年上半期海外で最も再生された日本人アーティストの9位にランクインしたSnail's House が作曲を担当し、歌詞は福原が伝えたいことをテーマにいしわたり淳治が作詞。夢や目標に向かって一歩踏み出せる背中を押してもらえるような1曲に仕上がった。インタビューでは今作の制作背景から、女優と歌手の二刀流で突き進んでいく福原の考えに迫った。【取材=村上順一/撮影=木村武雄】

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自分を見つめ直すきっかけに

福原遥

――昨年からソロシンガーとして本格的に活動がスタートしましたが、この約半年間でどんな変化がありましたか。

 ソロデビューをさせて頂いて、自分を見つめ直すきっかけになりました。女優業などでは福原遥として、自分から発信したり表現することはあまりなかったんです。それもあって歌では自分をもっと表現出来たらいいなと思いました。実際にやってみると楽しいんですけど、難しい部分もありました。自分が何を考えて何をやろうとしているのか、という事を見つめ直せるきっかけになったんです。

 歌手活動のおかげで、ライブやイベントでファンの方と直接会う機会もすごく増えました。歌唱後のお客さんのリアルな反応を見れて嬉しかったです。それまでは自分から皆さんに笑顔やエネルギーを届けたいと思っていたんですけど、逆にもらうことの方が多くて、昨年は歌を通して温かい気持ちになりました。

――新しい発見もあったんですね。直接ファンの方のお話を聞いたりして嬉しかった言葉はありますか。

 学生の方なんですけど、私の曲を「登下校時に必ず聴いています。この曲を聴くと元気をもらえて頑張ろうと思えるんです」と言ってもらえたことが嬉しかったです。私もその言葉で頑張れるんです。

――ご自身を見つめ直して、何か答えは出ましたか。

 色々見つかりました。私は何かに対して頑張ろうと思える歌詞が好きなんだなということなど、好きなものが明確になってきたり、改めて自分って負けず嫌いなんだなとわかったり(笑)。自分に対してすごく負けず嫌いなんです。出来ない事があるとすごく悔しくて。

――その精神が成長させてくれているんですね。さて、今作「透明クリア」はいしわたり淳治さんに、福原さんが伝えたいことをテーマに歌詞を書いて頂いたとのことなのですが、どんな風に制作していったのでしょうか。

 私はこれまで楽曲の制作に関わることは、ほとんどなくて、曲や歌詞がどんな風に作られていくのかというのも知らなかったんです。どういう曲を届けたいか、日々どう感じているのかなど、インタビューしてもらっている感じで、いしわたりさんに私が考えていることを色々引き出していただきました。

――日々どう感じているのか、という質問に対しての福原さんの回答は?

 自分に自信を持てなかったり、弱い部分が私はあるので、同じような気持ちの人が、夢や目標に向かって一歩踏み出せるような、勇気になる曲にしたいということをお話しさせていただきました。

気持ちが揺らいでしまった時は原点に戻る

――透明というキーワードは福原さんから出てきた言葉ですか。

 いえ、これはいしわたりさんが出してくれた言葉でした。この透明という言葉はすごく素敵だなと思いました。何色にも染まらない、という強い意思が伝わってくるんです。

――歌詞とはどのように向き合いましたか。

 すごく考えました。歌詞は自分自身と繋がるところもありますし、身近なところに向けてこの音が届いたら良いなとか、ちゃんと意味を理解してから誰に届けたいか、というのを探って、レコーディングやミュージックビデオの撮影に臨みました。

――その中で、特に刺さった言葉はありましたか。

 <世界は 大事な ものほど透明に>というところは、この言葉にすごく勇気づけられましたし、すごく自信を持てる言葉でした。周りの言葉に流されてしまう事もあるんですけど、自分自身が素直に思った事を大切にして前に進んでいけばいいんだ、このままでいいんだ、という事を思わせてくれる歌詞なんです。

――福原さんも周りの言葉に揺らいでしまう時もある?

 あります。それに染まってしまうことはないんですけど。自分の信念がブレそうになる事は学校に行っている時にもありましたし、この世界に進む時も、色んな人にかけられた言葉に揺らいでしまったり。自分一人で進んでいくことになると、助けてくれる人も周りにはいますが、自信を持てなかった時はブレてしまうこともありました。

――そういう時はどう軌道修正されるんですか。

 原点に戻ります。本当に自分がやりたかったことってなんなのか、というところに立ち返るんです。そうすると自然に道が出てくるんです。

――福原さんにとっての原点はどこになりますか。

 今の事務所に入ったのが4年くらい前なんですけど、その時にお芝居に興味があって、素敵な女優さんになりたいと思って入ったので、その時の熱量を思い出して、この道に憧れて入ったんだからこの道で良いんだと、思い出します。

――小学生からキャリアはスタートされていますが、それはまた違う?

 あの時はまだ幼いこともあって、女優さんになりたい、という思いはそれほど強くなかったんです。当時は自由と言いますか、ただ楽しいからやるという感じだったんです。

――歌手としての熱量が生まれた瞬間は?

 まいん時代に沢山歌わせて頂いて、その時から歌うことの楽しさは感じていました。私は一日の中で音楽を聴いている時間が多いんです。朝から音楽をかけて、寝る前にも音楽を聴いていて、もう一日中音楽漬けなんです。歌や音楽に助けられたり、自分のテンションを上げたりするのに音楽は大切な存在でした。お芝居をする時にもそのシーンにあった音楽を自分で選んで聴いているんです。他にも日々自分が感じていることに近い曲をかけたり。自分が歌った曲で誰かを支えられたり、心境を変える事が出来たら嬉しいです。

――音楽って心境とかコントロール出来てすごいですよね。

 本当に面白いなと思います。過去に朗読劇をやらせて頂いたんですけど、音楽を流しながらやったのがすごく心地良かったんです。可能ならば自分で選んだ音楽をイヤホンで聴きながらお芝居をやってみたいです(笑)。泣きたい時も自分が感情移入しやすい曲を流したり。

――これまでに福原さんが一番助けられた曲は何ですか。

 う〜ん、1番は難しいです。沢山あるんですけど、今はリトグリ(Little Glee Monster)さんの「ECHO」をずっと聴いています。この曲を聴くとめちゃくちゃ仕事へのやる気が上がるんです。リトグリさんが紅白で泣きながら歌っていたのも印象的で、それを観て私も泣いてしまいました。録画した紅白をリトグリさんのところだけループでずっと観てました。私、気にいると同じ曲をずっと聴き続けてしまうんです。

ありのままを見せていきたい

福原遥

――「透明クリア」のレコーディングはいかがでしたか。

 前作「未完成な光たち」の時よりも時間は掛かりました。イントロは色んな音が入っていて、色んな世界にいるような感覚にさせてくれます。今回声にエフェクトを掛けて頂いているんですけど、録っている時点ではどんな仕上がりになるのかわからなかったんです。それもあって色んな歌い方で録らせて頂きました。

――具体的にはどのような歌い方を?

 録りながら表現方法を考えていて、エフェクトを掛けるならあまり強弱をつけずに歌ったほうがキレイに聴こえるみたいなんです。それを作曲をして下さったSnail’ s Houseさんにディレクションをしていただいて、色々アドバイスを頂いて何パターンも録らせていただきました。

――カップリングは「モノクローム」ですが、「透明クリア」と対になっている感じもありますね。

 実は「モノクローム」はデビュー前からあった曲で、歌手活動を始める時ぐらいに一度歌ったことがあるんです。その時の仮タイトルは「You’re My Hero」でした。今回、歌詞も少し変えて改めて録り直しました。歌いながら懐かしい気持ちになりましたし、当時からこの歌をみんなに聴いてもらえたらいいなと思っていたので、収録出来て嬉しいです。

――どんな1曲になりましたか。

 すごく曲調も好きで、変えたくて走り出したいけど、色んな感情が渦巻いて葛藤している表現もいいなと思いました。この曲も「透明クリア」と同じように勇気が出る1曲になったんじゃないかなと思います。

――福原さんが変わりたい部分はありますか。

 やっぱり先ほども話した自信を持てるようになりたいです。自分に自信があれば夢に向かって日々頑張っていけますし、芯をしっかり持って自分の意見を自信を持って言えるようにしたいなって。人としても成長出来たらと思っています。

 あと、もっと色んな引き出しが持てるようになりたいです。それで、今色んなことに挑戦しようと殺陣を始めたり。アクションシーンを求められたりした時に対応出来るようにしたいんです。

――さて、「透明クリア」はMVも撮影されていますが、見どころは?

 1stシングルの「箱庭のサマー」という曲でダンスを披露させていただいたんですけど、それを観てくれたファンの方から褒めて頂けたんです。それもあってまたダンスにも挑戦したいなと思って。以前からコンテンポラリーダンスに挑戦したいなと思っていて、今回取り入れていただいたので、ダンスにも注目していただけたら嬉しいです。振付の方ともお話しさせて頂いて一緒に考えました。

――土屋太鳳さんのコンテンポラリーダンスを観て、興味を持ったと以前お話ししていましたね。

 そうなんです。アーティストさんの横で踊っているのを観て、身体を使った表現でこんなにも届くものがあるんだと思ったんです。「透明クリア」のコンテンポラリーダンスは、自信がなくて一歩踏み出せない、でも前に進んでいくんだという葛藤みたいなものを、ダンスで表現してみました。

――皆さんからどのような反応があるか楽しみですね。さて、これから福原さんは皆さんにどのような姿を見せていきたいと思っていますか。

 ありのままを見せていきたいと思っています。もちろん今までもそのスタンスだったんですけど、より一層変わらないありのままを届けていきたいです。あと、女優としても「こんな役が出来るんだ」と今のイメージとは違うと感じてもらえる一面を見せる事が出来たらいいなって。もう「その役にしか見えない」といった役に入り込んだ演技も出来たらと思っています。そして、歌もありのままだからこそ響くような歌を歌えるようにしたいです。

(おわり)

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