昨年10周年を迎えた4人組声優ユニットのスフィアが2月15日と16日に、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで、『Sphere 10th anniversary Live 2020 〜スフィアだよ!全曲集合!!〜』を開催した。全84曲あるスフィアの楽曲を2日間で全曲歌うというもので、15日に開催された“いちにちめ”は、デビュー曲「Future Stream」を始め、1日で42曲を披露。3時間を超えるステージを全力で駆け抜け、10周年に寄せてファンへの感謝の気持ちを届けた。【取材=榑林史章】

多彩な演出で、魅せて聴かせた42曲

スフィア

 “いちにちめ”は、スフィアのデビュー曲で1stアルバム『A.T.M.O.S.P.H.E.R.E』の1曲目に収められていた「Future Stream」で幕を開けた。センターステージに4人が現れると会場は一気に沸き立ち、客席から気合いの入ったかけ声が飛び交った。最初のMCでいきなり挨拶を間違えてやり直すという場面があったのも、彼女たちらしいご愛敬だろう。かえってそれが4人をリラックスさせてくれたようで、ライブは終始楽しくて熱くて、良い意味でのゆるさの感じられる、実にスフィアらしいものになった。

 「全曲を歌うというコンセプト。盛り上がる気しかしない!」と、冒頭から熱い戸松遥、豊崎愛生は「みんなと特別な時間を共有したい」と、ライブを楽しむぞといった雰囲気。寿美菜子は「今日がスフィアにとってのお誕生日。みなさんと過ごせるのが楽しみでした」と、2009年の2月15日に『ミュージックレインgirls 春のチョコまつり』でスフィアの結成が発表されたことに触れ、同様に高垣彩陽も「おめでとうと、ありがとうの気持ちでいっぱいです」と、この特別な日をファンと共に過ごせる喜びを噛みしめていると様子だった。

 最初のブロックでは、ゴシックな雰囲気で華麗なダンスと共に聴かせた「GENESIS ARIA」、続けて熱く疾走感溢れる「STAR’S ELEMENT」、さらに「& SPARKLE LIFE」と、ソリッドなロックチューンを立て続けにパフォーマンスした。ファンはペンライトを振り、かけ声をかけてジャンプするなどで会場が1つになり、序盤からファンを熱くさせた。

 2つめのブロックでは、豊崎が「自分たちのターニングポイントになった」曲と紹介した「Planet Freedom」からスタート。夢に向かって駆け抜けるような爽やかさを持った同曲で、自分たちの熱い思いを客席に届けるようにして歌った後、パッとステージが暗転。次の「風をあつめて」が始まると水色の衣装に変わっているという、早着替えの演出でも魅せてくれた。

 MCで「久しぶりに聴く曲、初めて聴く曲もあると思います。心に残る曲を見つけて楽しんでください」と高垣が話したように、普段のライブではなかなか聴けない曲も多く歌われた。『ZONEトリビュート~君がくれたもの~』(2011年)でカバーした「glory colors~風のトビラ~」も、その一つ。ミディアムバラードの同曲をしっとりと聴かせ、温かい空気が会場を包み込んだ。さらに昨年10月にリリースした最新シングル曲「Sign」も歌い、4人で手を重ね合わせる振り付けが、充電期間を経て迎えた10周年という流れとも重なり、観客の胸を熱くさせただろう。

みんなのことが一番の自慢で一番の宝物

スフィア

 後半戦は、2014年の14thシングル「微かな密かな確かなミライ」でスタート。「輪郭の無い未来へと」、「明日への帰り道」とバラード系のナンバーが続く。4人はそれぞれ自分のカラーのトロッコに乗り込み、客席を移動しながら歌った。トロッコが止まると客席のその一角がそのメンバーカラーのペンライトの光で染まり、トロッコが移動するとそれに合わせて、観客がペンライトの光を切り替えるという連携が実にお見事。パープル、ピンク、オレンジ、グリーンと、メンバーのトロッコが入れ替わるたびに、グラデーションのようにペンライトの色が変わっていく様子はとても感動的だった。

 次の見どころになったのは、「ライブで歌ったことのない歌」と紹介して、センターステージで歌った「虹を駆ける旋律」だ。2ndアルバム『Spring is here』(2011年)の最後に収録されていたアカペラのナンバー。音源と同じようにアカペラで、4人で向かい合って歌い上げた。静まりかえった会場に4人の美しいハーモニーが響き渡り、歌い終えると大きな拍手が4人を包み込んだ。

 MCでは、10年の思い出を振り返りながら、4人らしい飾らないトークで会場を盛り上げた。序盤に高垣は「アリーナと聞いて、スフィアが全曲ライブやるなんて“アリ〜な!?”」と、この日限定のダジャレを披露すると、会場は待ってましたとばかりに大歓声で沸いた。また披露された衣装の中には、過去のライブ衣装をパッチワーク風につなぎ合わせて作られたものもあり、「ここは代々木の時の」「ここは海外の時の」と、まるでラジオでも聴いているような普段通りの雰囲気で、笑顔の絶えないトークで観客をほっこりさせた。

 終盤は、1stアルバムの表題曲「A.T.M.O.S.P.H.E.R.E 」でスタート。ポップなロックチューンに、合いの手やかけ声が実に楽しい。観客も声を出し、最後は全員で手を挙げるポーズで決めた。続く「Ding! Dong! Ding! Dong!」は、前山田健一によるワチャワチャ感が楽しい曲で、4人が自身のキャラクターを全開で発揮。観客もかけ声をかけたりメンバー名を叫んだり、盛り上がりは最高潮になった。そしてラストには、アッパーのポップチューン「NEVER ENDING PARTY!!!!」を歌って、曲の最後をジャンプで締めると共にテープも発射。盛り上がりを翌日の“ふつかめ”へと繋いだ。

 3時間超えのライブを終え、「10年分の半分をみんなと駆け抜けられて最高でした」と寿。「始まるとあっと言う間で、最高だった。これもみんなのおかげ。これからもよろしく」と戸松。高垣も「記念すべき1日。自分も励まされたこの曲たちが、みんなの人生で輝き続けられますように」とメッセージ。そして豊崎は、「みなさん1人1人が5人目のメンバー。10年の中でみんなのことが一番の自慢で一番の宝物です!」と、愛情たっぷりに感謝の気持ちを伝えた。このライブを通して、10年の歩みと自分たちの居場所を改めて確認した4人。これからのスフィアが、ますます楽しみだ。

セットリスト

「Sphere 10th anniversary Live 2020 〜スフィアだよ!全曲集合!!〜“いちにちめ”」

01 Future Stream
02 GENESIS ARIA
03 STAR'S ELEMENT
04 & SPARKLIFE
05 らくがきDictionary
06 夢奏レコード
07 DREAMS, Count down!
08 Now loading...SKY!!
09 Pl@net Spheres!!
10 vivid brilliant door!
11 Planet Freedom
12 風をあつめて
13 Hello, my love
14 When You Feel Love?
15 glory colors 〜風のトビラ〜
16 My Only Place
17 SPHERE-ISM
18 Brave my heart
19 Treasures!!
20 Sign
21 HIGH POWERED
幕間映像
22 微かな密かな確かなミライ
23 輪郭の無い未来へと
24 明日への帰り道
25 LOST SEASON
26 Joyful×Joyful
27 虹を駆ける旋律
28 虹色の約束
29 かってな成長期
30 Congratulations!!
31 Oh my gorgeous!!
32 PRINCESS CODE
33 CHANCE!
34 Eternal Tours
35 A.T.M.O.S.P.H.E.R.E
36 Ding! Dong! Ding! Dong!
37 Sticking Places
38 GO AHEAD!!
39 情熱CONTINUE
40 Music Power→!!!!
41 クライマックスホイッスル
42 NEVER ENDING PARTY!!!!

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