今年10周年を迎える歌手の西田あいが2月19日、東京・duo MUSIC EXCHANGEで単独ライブ『アイランド・ソングス~私の好きな 愛の唄~」リリース記念パーティ』を行った。昨年12月にリリースされたカバーアルバム『アイランド・ソングス~私の好きな 愛の唄~』を記念したコンサートで、トークゲストにアルバム制作に携わったSoulJaやスペシャルゲストに盟友の城 南海が参加。アルバムの曲を中心に3月4日にリリースされる「My Story」などアンコール含め全16曲を届けた。ライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

ほんのこて嬉しいです!

西田あい

 開演前の西田あい自身による影アナに続いて、イントロが流れるとシックな黒い衣装に身を包んだ西田がステージに登場。ジャズスタンダードナンバーの「L-O-V-E」でコンサートの幕は開けた。軽快なリズムに乗って、美しい歌声で紡ぐ。間奏では小走りでステージを行き来し、観客に笑顔で手を振る場面も。

 続いて、ガラッと雰囲気を変え「黄昏のビギン」へ。マイクスタンドを使用し、言葉を叙情的に紡いでいく。オープニングから2面性を打ち出していた。ライブ前半はSoulJa(ソルジャ)が手掛けたデジタルサウンドの楽曲たちを届ける。スクリーンにはミュージックビデオも投影され、楽曲の世界観を後押し。

 この日集まった多くの観客を見て「ほんのこて嬉しいです!」と鹿児島弁で感謝を伝え、2曲を終え「緊張した~」と話す西田は安堵の表情を浮かべる。

 ジブリを見て育った西田は「馴染みの深い一曲」だと話す松任谷由実の「ルージュの伝言」を披露。軽快なリズムのオリジナルとは180度趣きを変え、バラード調のアレンジ、西田の憂いを帯びた歌声に酔いしれる。間奏ではドロップと呼ばれる、派手なアレンジになり、メリハリのある一曲になっていた。

 ここでSoulJaを呼び込んでトークを展開。今回のプロデュースの制作背景についてユーモアを交え語る2人。いつもは緊張感があるが、今作での西田はスタジオに行くのがすごく楽しみだったと、楽しんで作っていたのがわかるトーク。その中でも「ルージュの伝言」は、ウィスパーボイスで挑戦したことが新鮮だったという。SoulJaは西田の声を楽器に見立てて、どのように奏でようかと考えたという。アルバムの裏側が垣間見えたトークだった。

 SoulJaの曲振りから「神様の宝石でできた島」を披露。エレクトロサウンドが牽引するなか、西田の透明感のある伸びやかな歌声が、爽やかな風を運ぶよう。セクションによって歌の表情を巧みに使い分けていたのが印象的だったり

 そして、ミュージックビデオとリンクしたパーマに割烹着という昭和のお母さん姿に衣装チェンジした西田が届けたのは「買い物ブギ」。楽しそうに歌い上げる西田は、客席で観客とコミュニケーションを取りながら、チャキチャキの大阪弁で席巻。

 MCでは今作で公開されているMVの全てプロデュースしたという。「買い物ブギ」はワンカット撮影に挑戦し、使われている映像は3テイク目だと明かした。

 ここからは赤いワンピースに衣装を変え、オリジナルソングメドレーを披露。まずはデビュー曲「ゆれて遠花火」、カラオケファンに知ってもらう一曲になった「雨おんな」、盛り上がる一曲で観客による“あいちゃんコール”も巻き起こった「ひとりにさせないで」、しっとりとした「最後の頁」を観客に語りかけるように歌い上げ、メドレー最後は鹿児島の風を届けた「薩摩めぐり」。ゆらゆらと心地よいリズムは、レイドバックした空間を作り上げ、西田の魅力をギュッと凝縮したコーナーだった。

「コーヒー・ルンバ」の様子

 前半戦ラストはスペシャルゲストの城 南海が登場。城は西田とペアルックで、「2人合わせて“あいみなみ”です」と、アイドル風に自己紹介。さらにミュージックビデオの企画にダンスで参加したメンバーも登場し、ステージは多くのゲストで埋め尽くされるなか、「コーヒー・ルンバ」で締めくくった。

10周年イヤー、必ず輝く年にしたい

西田あい

 休憩を挟み、2部はジャケット姿に衣装をチェンジした西田が登場し、生バンドの演奏で平山みきの「真夏の出来事」を歌唱。凛とした歌声で、少しラフな歌い方も織り交ぜ楽曲の魅力を引き出していく。

 「今日でしか生まれないグルーヴ感、みんなで一緒に紡いで行きましょう」と投げかけ、ギターとサックスの伴奏で平野愛子の「港が見える丘」を届けた。イントロから池村真理野のサックスによる哀愁のあるムーディーな演奏でグッと世界観に引き込まれていく。

 続いてはギターの渡辺裕太と2人で、ルーパーという音を重ねる機械を使用してのパフォーマンス。西田は観客にルーパーについて説明しながら、リアルタイムでシェイカーやコーラスを重ねていく。完成したトラックに嬉しそうな笑顔を見せる西田。重ねたそれらをバックにカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」を歌唱。観客も手拍子で参加し、一体感のある空間を作り上げた。

 モーニング娘。に憧れていたという西田。「LOVEマシーン」を渡辺裕太と2人でファンキーなアレンジで披露。会場もミラーボールが回転するなか、西田のパワフルな歌唱に引っ張られるように観客の<Wow Wow Wow Wow>のコーラスにも力が入る。西田はラストの<LOVEマシーン>のセリフもクールに決めた。

 「ありのままの西田あいを感じて欲しい」と、今回の衣装は自前だと明かし、この楽曲を聴いて、歌の世界に足を踏み入れたというエピソードから、ピアノのリクオと2人で山口百恵の「さよならの向こう側」を届けた。原点回帰ともいえる1曲を情感を込め歌唱。その歌声を観客も静かに耳を傾けていた。

 再び、城をステージに呼び込み、鹿児島弁に歌詞を変えたテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ(鹿児島弁ver)」をデュエット。仲睦まじい2人のハーモニー、鹿児島弁による新鮮さが相まり、同曲のオリジナルとはまた違った新たな側面を見せてくれた。

西田あいと城 南海

 西田が次の曲の準備をしている間に城がMCをおこなった。「同じ鹿児島県出身で、同年代で歌手というのは、あいちゃんだけで一緒にお互いに頑張ってこれたなと思うんです。あいちゃん10周年おめでとう」と祝い、西田も「この曲(時の流れに身をまかせ)を鹿児島弁で歌えるだけでも嬉しいのに横を見れば南海ちゃんがいて、聖母マリアのように包んでくれるから幸せな気持ちになりました」と、お互いの友情を感じさせた。最後は第1部でも披露された「コーヒー・ルンバ」を生演奏で披露。間奏では西田によるレッスンを重ねたタップダンスも披露。楽器隊のソロと交互にセッションをするかのよう。エンディングでもタップダンスを披露し、清々しい表情を見せるなか、本編を終了した。

西田あい

 アンコールの前に、3月4日にリリースされる新曲「My Story」のMVを初公開。そして、MVが終了すると衣装をチェンジした西田が登場し、生で同曲を披露。どこかノスタルジックな気持ちにさせてくれるメロディと、優しい歌声が心に寄り添うように響く。一足早く春を感じさせてくれるような歌唱だった。

 西田は「シンプルに音にまみれて10年目の今日から歩んでいきたい」と意気込みを話し、ラストは再びバンドメンバーを呼び込み、「L-O-V-E」を会場全体で振り付けも交えながらパフォーマンスし、ライブの幕は閉じた。

 最後に「10周年イヤー、必ず輝く年にしたいと思います」と告げ、ステージを後にした。

セットリスト

『アイランド・ソングス~私の好きな 愛の唄~」リリース記念パーティ』
2月19日@

01.L-O-V-E
02.黄昏のビギン
03.ルージュの伝言
04.神様の宝石でできた島
05.買い物ブギ
06.オリジナルソングメドレー(ゆれて遠花火~雨おんな~ひとりにさせないで~最後の頁~薩摩めぐり)
07.コーヒー・ルンバ
08.真夏の出来事
09.港が見える丘
10.イエスタディ・ワンス・モア
11.LOVEマシーン
12.さよならの向こう側
13.時の流れに身をまかせ(鹿児島弁ver)
14.コーヒー・ルンバ

ENCORE

EN1.My Story
EN2.L-O-V-E

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