Wakana「愛され続ける曲を歌いたい」人生の瞬間をかけがえのない音楽に
INTERVIEW

Wakana「愛され続ける曲を歌いたい」人生の瞬間をかけがえのない音楽に


記者:榑林史章

撮影:

掲載:20年02月26日

読了時間:約14分

 ソロアーティストのWakanaが26日、2ndアルバム『magic moment』をリリース。Kalafinaの活動を経て昨年シングル「時を越える夜に」でソロデビュー。包み込むような美しい歌声で人気を集め、昨年は1stアルバム『Wakana』、EP『アキノサクラEP』をリリース、全国ツアーをおこなうなど精力的に活動。最新作となる『magic moment』は、ライブで披露して来た「君だけのステージ」や感謝の気持ちを込めたという「Happy Hello Day」など全11曲を収録し、うち7曲でWakana自身が作詞を手がけた。ライブという魔法にかかったような瞬間をテーマに制作したと話す彼女にアルバム制作について話を聞くとともにソロ活動を通して見えてきたことなどを語ってもらった。【取材=榑林史章】

自分が歌いたい、歌詞を書きたいという素直な気持ち

『magic moment』通常盤

――『magic moment』というタイトルですが、生命が誕生し愛と別れを知り、それでも人生はまだ続くといった、人の一生の瞬間瞬間のようなものを感じました。

 はい。『magic moment』というタイトルにしたのは、おっしゃって頂いた通り、人間は瞬間瞬間をつなぎ合わせて生きているんだと思ったからで、その瞬間にスポットを当てた時にどういう音楽になるのか、その瞬間を音楽として表現出来たら素敵なんじゃないかと思って付けさせていただきました。

――マジック・アワーという言葉は聞きますけど、実際に『magic moment』という言い方もあるんですか?

 無いことは無いと思いますけど…。私としては、アワーがあるならモーメントもあって良いんじゃないかと思って付けました。もともと昨年11月にリリースした『アキノサクラEP』と、昨年12月に開催したライブ『Wakana Winter Special Live 2019 ~瞬き~』からの流れもあって付けていて。EPに「オレンジ」や「夕焼け」といった曲を収録していたことからも、アルバムは“マジック・アワー”をテーマにしようと思っていて、ライブのサブタイトルが「瞬き」だったので、時間よりも瞬間だろうと思って『magic moment』にしました。

――楽曲を選んだ時には、どういうことを基準にしたのですか?

 2019年は、いろいろなライブをやらせていただき、シングル、アルバム、EPを出して、自分というものが段々と見えて来た1年でした。それによって今までより、歌いたいものが明確になった1枚だと思っています。自分が歌いたい、歌詞を書きたいという素直な気持ちが大切なんじゃないかと思って、それを大事にして曲を選びました。ただ3枚目のアルバムをリリースする時は、また選ぶ曲が変わると思いますけど。

――まず1曲目の「breathing」は、前回のEPに収録されていた「eve」の完全バージョン。12月のライブでは、1曲目に披露されていましたね。神秘的な感じがあって、最後にはコーラス隊も出て来ます。歌はずっと高音が続いているのが特徴だと思いました。

 作曲の夢見クジラさんは、歌も楽器の音の一つとしてこのメロディを書かれているのだろうなと思います。なので、より楽器の音に溶け込むようにと思って歌いました。

――歌っているメロディは、「eve」と同じですか?

 もともと「breathing」でプリプロをおこなっていて、そこから音を間引く形で「eve」が出来たので基本的に同じ曲なのですが、大きな違いは歌詞が付いていることと、コーラス隊が新たに加えられていることです。<大地鼓動>という歌詞のところなどに、<ハッハッ>というブレスの音が入っているのですが、あれはコーラスを入れている時にふと思いついて、<ハッハッ>という息の音でリズムを刻むことをやりたいと提案させて頂いて。その場で夢見さんとディレクターさんが楽譜を起こして、コーラスの方が歌ってくださったんです。

――2曲目の「揺れる春」はバンドサウンド。新しい何かが始まる感じがあって、これからの季節にぴったりですね。

 そうなんです。始まり感があって青春な感じがしたから、「揺れる春」というタイトルを付けました。歌詞にもどこかに春という言葉を入れたくて、2番に<「春の香り揺れてる」>と入れました。「揺れる春」と言うのは、青春時代は自分の思いがあちこちに揺れている時期という意味も込めています。イメージとして、自転車のように風を切る乗り物で走りながら、ふとまぶたを閉じた瞬間に…実際には危ないからそんなことは絶対しないで欲しいんですけど(笑)、太陽の光がまぶたを通して眩しくてキラキラするような…。この曲を聴いた時に、そういう瞬間のイメージが浮かんだんです。

――作曲・編曲の櫻井美希さんとはお話されましたか。

 櫻井さんは1stアルバム『Wakana』の1曲目に収録した「約束の夜明け」を作曲・編曲してくださった方で、彼女の曲は歌詞のイメージをすごく連れて来てくれるなと思います。「揺れる春」は、私のライブを見てこの曲を書いてくれたそうです。フワフワとした気持ちで、どこに向かえば良いか分からないけど、叫びたいし、何かにとらわれていたくない。だからまぶたを閉じて、その先にある空を目指していけば良いと歌っています。まさしく心も風も揺れる春です。

――「where」という曲は、EDMっぽさとギターサウンドが融合したアッパーの四つ打ちナンバー。今までのWakanaさんの曲とは違ったスケールの大きさがありますね。

 AlbatoLuce(アルバトルーチェ)さんという方が作詞作曲をしてくださった曲です。「where」は、まずコーラスで入り、Aメロで急にオチて、でもドッドッドッドッという四つ打ちのビートで気持ちがアガる、とてもクールで面白い曲だなと思いました。

――歌は緩急があって、とてもドラマチックな感じがしました。

 メロディは、ある意味で平坦に上がり切らない感じがあって、それがギリギリ感に繋がって良いなと思って。それにわりと低音なので、最初は温度感のない感じで、クールに歌ったほうが格好良いと思ったんです。でも実際に歌ってみると、言葉にフックをかけていく感じがあって、それが人間味を露出させてくれているなと思いました。歌詞も、今自分がどこにいるかは明確ではなくて、それが生きていく瞬間瞬間で人生なのかなと思ったし、人生はどこに向かうか分からないものなので、それを思うと歌も熱くならざるを得ませんでしたね。

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