デジタル声優アイドルの22/7(ナナブンノニジュウニ)が2月26日に5thシングル「ムズイ」をリリースする。新体制後初のシングルで、表題曲はテレビアニメ『22/7』のオープニングテーマ。カップリングにはそのエンディングテーマも収録。更に、昨年12月24日に行われた『Birthday Event 2019』のメイキング映像も収録される。念願だったテレビアニメのスタート、自身初の東名阪ツアー、今春にはリズムゲームアプリのリリースを控える。彼女たちはどういう思いで向き合っているのか。帆風千春、西條和、宮瀬玲奈に話を聞いた。【取材・撮影=木村武雄】

積み重ねてきたもの、新たな挑戦も

――昨年を振り返っていかがですか。

帆風千春 定期公演が毎月あって、ずっとライブをやっていた印象があります。改めてパフォーマンスに向き合えた期間でもありました。私は歌を頑張りたいので、スタッフさんから「トライ&エラーをしていい場」と言われていたこともあって月ごとに歌い方を変えていました。それと、毎月ライブを行うので全体のレベルアップが必要で、そのためにメンバー同士で踏み込んだ所まで言い合わなくてはいけなくて、でもそうした結果、結束力も高まったと思います。

――歌い方は大幅に変えた?

帆風千春 試行錯誤しました。ライブで歌う時にマイクに対しても大きな声を出す癖があって、映像で改めて聴くと自分の声は張り過ぎだなと。音響さんに言われたのは「もっとマイクを信じていいよ」ということでした。なので声よりも丁寧さを重視してみようと歌ったら、逆に他の子の歌声に埋もれてしまって。そういうところのバランスにチャレンジしました。

――メリハリをつけることで表現の幅は広がるような気がします。

帆風千春 ただ、踊りながらやっているので、そこの部分はすごく考えさせられます。踊りだけに集中したら歌が疎かになり、逆に歌に集中すると踊りが疎かになってしまうこともあるので、パフォーマンスという部分がすごく磨かれた1年でした。

――西條和さんはいかがですか。

西條和 去年は、アニメやゲームのアフレコが始まったり、定期公演でもソロコーナーをやったり、後半は色々なことがありました。去年の終わり頃、スタッフさんに「西條にとっては嫌な事しかなかったでしょう」と言われるくらい大変で…。アフレコが始まるのも怖かったし、ソロコーナーも心配で、私にとっては苦手な事をやっていかなくてはいけない場面が多くて。ずっと目の前の事だけを考えていた1年でした。

――デビューしたての時と比べると成長を実感しますか。

西條和 歌って踊るということが、なんとか出来るようになってきたら、一人でステージに上がる機会も増えて、成長よりも責任を実感することは多くなりました。

――宮瀬さんはいかがですか。

宮瀬玲奈 アニメやゲームのアフレコが始まって、今までやったことのない事が沢山あった年でした。定期公演も含めて、これまではレッスンなど“影”での活動も多かったんですけど、去年は表に出る活動が多くて自分自身と向き合う時間にもなりました。自分のキャラクターと向き合えば向き合う程、成長に繋がっていると信じるようにして、壁だと感じるような事もあったけどちゃんと向き合ってきました。アニメが放送されている中で感じることもあってそれもプラスにしていけたらいいなと思っています。

――壁とは?

宮瀬玲奈 アニメの第一話のアフレコをした時に、立川絢香は大人っぽいから、大人っぽい声色で挑戦していただのですが、何回もリテイクをやったけど掴めなくて。泣いたら声が変わるので、泣いちゃダメなのに泣いて、苦しくなってトイレに閉じこもっていたら、監督さんが2人で話そうと言ってくれて。その時はしんどくて、なんで私が絢香をやっているんだろうと思うぐらい苦しかった…。メンバーは、一人一人向き合って泣いたりもせず頑張ってセリフを言っているのに、絢香は1話目でつまづいて…これから12話分録れるのかなって不安になり、ちゃんと絢香が出来るか自信がなくなって。でも、ここで終わったらダメだと思ってもう一度向き合ったら少しだけ変われるようになりました。5話くらいの時に「絢香を掴めたね」と色々な方に言ってもらえて。

(記者補足=涙を堪えそう語った宮瀬だったが話し終えると堰を切ったように泣き出した。積み上げてきたものを否定されたことへの不安感があったのだろう。しかし彼女はそれを乗り越えた)

――これまでキャラクターと一緒に過ごしてきましたが、アニメではその性格が少し変わっているところもあって、演じるのは大変だったと思います。アフレコを振り返っていかがですか。

帆風千春 『22/7 計算中』では、キャラクターがどういう子かを知った上で、その場で自分が感じたリアクションが求められて、自分から出たものがキャラクターとして活きていくというものでした。でもアニメは物語ががっちり決まっている。そういうところの難しさはありました。もともと『計算中』ではアイドルになってからの彼女達。でもアニメではアイドルになる前の彼女達。『計算中』で見せた彼女達になるまでの葛藤や戸惑いがアニメにはあって、今みたいにまだ仲良く話せていないところも描かれています。私が演じる佐藤麗華ちゃんはこれまではリーダーという役割があったけど、アニメはリーダーになる前。しかも最初は誰に対しても疑ってかかる、当たりが強めなタイプ。私達も台本から知ることも沢山あって、彼女達をより理解する上で嬉しいと思う部分もありますし、今まで作ってきた麗華ちゃんとはまた違う麗華を作っていくんだという擦り合わせる作業は大変でした。

――エピソード0みたいな感じかもしれないですね。そうなると、アニメをやった先にはまた少しキャラクターへの意識が変わっているかもしれない?

帆風千春 今はアフレコを通じて、アニメの麗華ちゃんがどういう壁を乗り越えて来たのかという事を知った状態なので、今までとは違った状態でキャラクターの事は見えています。なので、そのキャラクターの感じ方や捉えた方は今後のライブでも変わってくるんだろうなと思います。

――西條さんは、主人公的な役割だと思うがやってみていかがでしたか。

西條和 アニメが決まった時はプレッシャーでした。私は声も可愛くないし、演技も上手くない。私自身がどうこう言われるのは気にしないけど、私の演技のせいでメンバーの評価が下がってしまうことが怖かったので、1話の収録はよりプレッシャーがありました。

――宮瀬さん5話くらいで掴めたと言っていましたが、西條さんはどうですか。プレッシャーは1話で取り除くことは出来ましたか。

西條和 今もまだあります。注目をされることが苦手で、誉め言葉でもしんどい。アニメでは、私が言った言葉がセリフになっていて、モノローグは(滝川)みうちゃんの心の声。監督に「普段思っているけど言わないことをここで声に出して言うんだよ」と言われて気持ちが入りやすかったです。

――滝川みうは1話でアルバイトをリストラされる時に上司に「嫌な事をするのが仕事」と言われ、アイドルをやる理由を「やりたくない事をしに来ました」と言っていて。あれは自分の心の声?

西條和 あれはオーディションを受けた理由として実際に言った言葉です。

――話は変わりますが西條さんは2年前に行った「朗読女王決定戦」でベスト3になって、その時に自信はつかなかった?

西條和 正直、つかなかったです。トーナメント制で順位がつくということがすごく嫌で、正直やりたくなかった。勝ち負けとか関係なく、目の前の事だけを考えてやった感じでした。

――今でも自信がないという話もありましたが、でもこうして積み重ねてきて、それが見えない活力にもなっている気はします。

西條和 朗読はレッスンではやっていましたが、当時はお客さんに見せる機会はなくて。SHOWROOMでやっていた時に、ファンの方に「和の朗読は好きだよ」と言って下さったこともあって、バースデーイベントでも朗読をさせて頂く機会もあって。そう考えると昔よりは緊張せずに出来ている気はしますし、確かに「朗読女王決定戦」のおかげかもしれないです。

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