場面写真(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会

 大沢たかおが主演を務める映画『AI崩壊』(入江悠監督)が31日に公開される。AIが生活に欠かせないインフラとして普及した10年後の日本が舞台。劇中では、実際に起こりうるAI社会が描かれている。例えば、全国民の個人情報を全て管理し、医療の分野でAIが発達。さらに自動運転が普及するなど便利になる一方、AIが普及する地域としない地方での“地域格差”が生まれるという怖い側面も描かれる。大沢も「リアルな10年後が描かれています」と語っている。

 本作で描かれる10年後の日本社会は年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪歴など国民の個人データを完全に掌握し、全国民の個人情報や、医療現場での検査や診療など健康までもAIが管理。日本にとって欠かせない存在となっている。本作を手掛けた入江悠監督はAIを徹底的に調べていく中で、現実社会でもとくに医療の分野でAIが普及する可能性が高いと思い、医療AI を軸に物語を描くことにしたという。

 入江監督は「少子高齢化が世界最先端でどんどん進行しているのは、日本がトップなので、必要になってくるのはそのジャンルだと思います。今の子供たちが大勢の大人をどうやって面倒みるかとなった時に、AIの力を借りる必要があると思いました」と明かす。日本でもカルテの電子化が進んでいることや、難病治療に役立つデータをAIが収集しているなど発展が進んでいるそうだ。

 さらに本作では、ボタン一つで人が運転しているように見えるホログラムを使った自動運転も普及するハイテクなAI社会が描かれている。ロボットの最先端技術を扱う会社やテクノロジー専門会社に協力してもらい、自動運転車が普及した社会を描いた。

 そんな便利な社会が描かれる一方、AIが普及していく中で都心部と地方での地域格差が生まれたり、AIに人間の職業も奪われたりするなど、新たな問題も生むことになる。AIに職を奪われた人たちがデモを起こし抗議活動をする様子が描かれるなど、そうした問題もしっかり描いた入江は「これからの生活にAI は必要不可欠で、今後は必ず私たちの生活の中に入って来て一般の方も避けられないと思います。その時、AIと人間の役割分担や棲み分けをどうしていくのか考える必要があるということを感じて欲しいです」と語っている。

 本作を監修した東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授も、映画で描かれることは現代の延長線上にあり、実際に起こりうる可能性が高い日本の未来の姿だという。松尾教授は「まさに国がAIを使った医療機器をどう判断すべきかを議論しているところですし、いずれにしてもどんどん使われるようになる。当然お医者さんの支援というところが最初は必要なのですが、医療にアクセスできない世界中の人たちにとっては支援じゃなくて診断してくれとか治療してくれという風になってくるかもしれない」と将来を見据えた。

 劇中でも医療AIが普及し、国民の生活に欠かせないインフラとして詳しく描かれている。

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