INTERVIEW

SEAMO「当たり前のことをしっかり」 15年のキャリアを重ねてこそ見えるもの


SEAMO

記者:小池直也

掲載:20年01月22日

読了時間:約10分

 ラッパーのSEAMOが22日、デビュー15周年を記念したベストアルバム『PERFECT SEAMO』をリリースする。SEAMOは1995年に「シーモネーター」名義でキャリアをスタート、2005年に改名し3月にさだまさしの「関白宣言」を大胆にリメイクしたシングル「関白」でデビューした。新作『PERFECT SEAMO』は彼の15年のキャリアが詰まった作品。「当たり前のことをしっかりやっていきたい」という彼に心境の変化、現在のシーンについて思うことなど話を聞いた。【取材=小池直也/撮影=村上順一】

それでいいなら、そのままやる

SEAMO

——前作『Wave My Flag』の際は「自分の好きだった音楽がまたリバイバルしている」という実感を音楽シーンに持たれていたそうですが、その点について改めて教えてください。

 時代はくり返すんだな、と不思議な感覚ですね。15年とか20年前に夢中になっていた音楽が一周回って、若い人にとって新鮮なものとして聴かれている。「そのスカスカな音でいいんだ?」とか、「フィラとかカンゴールとか、そのファッションでいいんだ?」と驚きますよ。僕たちも若い人に聴いてもらうために今時の音圧とかEDMを意識することもありましたが「それでいいなら、そのままやるわ」って感じです(笑)。

——若干の変化をともなったリバイバルでもありますよね。

 確かにそういう面もあります。機材の進化もあるんですけど、当時の感じでそのまま作っても若い子に刺さったりもするので興味深いですよ。あと『Wave My Flag』では「大人になりました」が好評だったんです。アルバム自体もファンの方だけでなく、同業者の人たちも反応してくれて。そこに良い格好しようと思っているわけではないですが、自分がシンプルに出したものを褒められるのはやっぱり嬉しいですね。

——『PERFECT SEAMO』は、前作から間隔を開けていませんね。

 実はベストアルバムを出す方が先に決まっていて、それの発射台としてオリジナルアルバムを作ったというのが本当のところなんです。ベストアルバムが軸となって、ツアーもドキュメント映画も決まった感じ。それによって少し騒がしくはなりましたけど、2019年は充実していましたね。最初に出したベストアルバム『Best Of SEAMO』はデビューから5年くらいのもので「全部入れた」というだけだったんですよ(笑)。だからクリエイティブな要素は薄かったかもしれませんが、今回それをするとCD何枚組にもなってしまいますから。

 曲の選考は苦労しましたね。2枚組のどちらも戦闘力が均等になるように、どちらを聴いても満足がいくように考えて作っています。どちらかが陰で陽とかではなく、両方ともアルバムみたいな。だからお互いの2曲目(「ON&恩」と「マタアイマショウ Hybrid Mixture Remix」)とか、お互いの5曲目(「軌跡」と「My ANSWER」)を入れ替えても成立するようなバランス感になっています。

——1曲だけ新録の「マタアイマショウ Hybrid Mixture Remix」を収録された理由はなんでしょう?

 僕のキャリアのなかで「マタアイマショウ」は多くの人に名前を知ってもらうきっかけになった大事な曲なんです。だから時が経って、それを知らない若い人も出てきているなか、改めて知ってもらいたいなと。あと、こういうグルーヴ感のある曲があるとライブの時に便利なんですよ。原曲の「マタアイマショウ」はメロウなので、セットリストの最後とかには歌えない。だからテンションの高いリミックスだとライブの幅が広がるなと。

——この曲をレコーディングしているバンドメンバーも気になります。

 いつもサポートしてもらっているツアーメンバーが演奏してくれています。ドラマーが亡くなってしまったので、ドラムはその後を継ぐような形で違う方にお願いしました。若い人に広げたいという想いがあるので、この曲に関しては今のロック事情を少し意識してもらっています。僕から伝えたのは曲の構成くらいでしたね。引っ張れる曲になったと思うのでライブで歌うのが楽しみです。

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