シンガーソングライターのコレサワが1月15日、1年4カ月ぶりとなるミニアルバム『失恋スクラップ』をリリース。収録された7曲すべてが“失恋ソング”というコンセプト作品。ただ切なかったり悲しかったりするだけでなく、コレサワらしいポップさが弾け元気をもらえる一枚となった。サウンド的にも新たな試みをしたという最新作について話を聞くとともに、3月21日札幌cube garden公演を皮切りにおこなう全国ツアー『コレサワ LIVE TOUR 2020 HEART BREAK TOUR!!』への意気込みも語ってもらった。【取材=桂泉晴名/撮影=村上順一】

すべて失恋の歌にした方が潔い

コレサワ

――「失恋スクラップ」はタイトル通り失恋をテーマにしていますが、そもそもこのテーマでミニアルバムを作りたいと思ったきっかけはあったのでしょうか。

 最初は失恋をテーマに作りたいと思っていたわけではないんです。ただ作品を出したいという思いはあったので、それに向けて曲作りモードには入っていました。その過程で自分のプライベートや環境が失恋モードだったのか、悲しい歌ばかりできてしまって。これだったらすべて失恋にした方が潔いかな、と。でも、意外と楽しく失恋の曲がいっぱいできたから、それで7曲失恋をスクラップしたという感じです。最初の「Day by Day」だけは3、4年前くらいに作っていた曲だったんですけど、それ以外はほぼ今年ですね。

――言われてみれば、フルアルバムだとしんどいかもしれないですが、ミニアルバムだとちょうどいいですね。

 そう、フルアルバムだと心臓がもたないけれど、7曲くらいならいいかなと。今までコンセプト・ミニアルバムというようにテーマをがっつり決めて、そのテーマに沿った曲だけバーッと作ったことはなかったし。逆にコンセプトがあった方がやりやすいというか、すごく楽しかったです。書き下ろしって、そもそもテーマ自体が決められていて、「このテンポがいい」とか「このワードを入れてほしい」とかのリクエストも貰うので私は好きなんです。今回は自分で失恋というテーマを課して作っておもしろかったから、こういう作り方は私に合うのかなと思いました。

――ジャケットのイラストの女の子はかわいい服を着ていますが、表情などにはロックを感じます。

 失恋するともちろんつらいけど、それでも女の子は友だちとか洋服とか新しい恋によって、パンクに進んでいくと思うんです。今回はそういう前向きなイメージがあって。曲もポップなものが多かったですし。それでジャケットではケイスケカンダさんというデザイナーの方にお願いしました。ケイスケさんもパンク精神をとても持っていらっしゃる方で、女の子の強い気持ちをお洋服などで表現しているんです。今回、ご縁があって一緒にやらせて頂いて、ジャケットの服を作っていただきました。それを私が着て、写真を撮ったものをウチボリシンぺさん(コレサワのすべてのアートワークを手がけるイラストレーター)が描くという、ちょっと遠回しなことになっているんですけど(笑)。もちろん今までのジャケットも好きなのですが、今回は特にお気に入りになりました。

――「Day by Day」は、このアルバムの方向性を示しているようなエネルギッシュな楽曲ですね。

 明るくてオープニング感もあるし、最初は元気なイメージで入ってもらいたくて。これは私が好きなバンドHelsinki Lambda Clubにアレンジをお願いしました。男の子3人組のバンドで音からエネルギーがすごく伝わるんです。聴いていてすごくワクワクする感じが好きで。いつもの彼らのレコーディングみたいに録っていただきました。

――この曲は3、4年前に作られたということですが、変化はありますか。

 実は人前で一度やったことはあるんですけど、たぶん誰も覚えていないと思います(笑)。でも自分でアレンジしてもしっくりこなくて、今回このテーマで作っているときに、「あの曲はHelsinki Lambda Clubがやってくれたら、すごいいいな!」という思いがあって。それでお願いしました。一応自分でもデモを作っていたんですけど、結構ガラッと変わりましたね。彼ららしいギターフレーズなどが入っていて「わー!」と盛り上がりましたし、うれしかったです。あと「Day by Day」と7曲目の「バカでしょ」の曲順は自分の中で決めていました。間は何回か変えているんですけど。

――「バカでしょ」を最後に決めていたのはなぜですか?

 あくまでもイメージですけど、「バカでしょ」はシンガーソングライターっぽくないですか(笑)? サウンドもバイオリンが入っていたりして温かいけど、歌詞はすごく後悔していて本当に失恋ソング、という感じで。私の中ではエンディング感があったので。この中で「バカでしょ」が一番かわいそうだな、というか。やっぱり「失恋スクラップ」だから、最後は明るくするのではなく、ひたって終わってほしいなと。それにお気に入りの曲でもあるので。

 6曲目の「やっぱり泣くよ」と最後の「バカでしょ」はローテンポだから、最後はやっぱりあえて落としたいなという気持ちがありました。

――今回、すべての曲は主人公が違いますか?

 そうですね。7つの失恋。いろいろな失恋をした子が集まっている、というイメージです。「Day by Day」は思わせぶりをされていた子がテーマなんですよ。思わせぶりをされたことのある人って、結構多くないですか? その男たちを呪う気持ちで歌いました(笑)。

――男子の思わせぶりはタチが悪いですよね。

 その気がないならメールとかも返さなくていいんです。でも返してくれちゃうと、やっぱり「ウチのこと好きなのか?」と思っちゃうじゃないですか。

――たぶん、嫌われたくないという思いがあるのかなと。

 そこなんですよ! その嫌われる勇気を持って接するのが優しさじゃないですか。嫌われていてもいいから、女の子のために思わせぶりにならないようにしよう、という優しさの勇気がないんですよ。

――その通りですね。

 思わせぶりな人って、だらだらと続けるんですよ、でも、女の子の人生にとって、そんな男の子に費やしている時間はもったいない。だからもう、いらない! という歌。失恋に落ち込むのも大事だけど、ずっと落ち込んでいたら、もったいない。なるべく前向きになってくれたらいいな、と。それで1曲目にはすごくぴったりの曲だなと思いました。

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