CHEMISTRYが12月24日、東京・Bunkamuraオーチャードホールで『CHEMISTRY LIVE TOUR 2019 「CHEMISTRY~Still Walking~」』のファイナル公演をおこなった。本ツアーは10月5日の神奈川公演を皮切りに全国23都市24公演おこなうというもの。24公演ツアーのラスト、クリスマスイブのスペシャルな公演は清く、温かく、愛と美しさに満ち溢れ、聖なる夜にホール中の人々と輝かしい音楽の時間を共にした。【取材=平吉賢治】

聖なる夜の音楽のケミストリー

堂珍嘉邦

 オーチャードホール中に響き渡るCHEMISTRYの歌声は聖なる夜を煌びやかに、ロマンティックに包み込みこむ。再始動後初となるオリジナルアルバム『CHEMISTRY』収録の曲順をベースに展開されたセットリスト全20曲は、ファイナル公演を華々しく彩った。

 前奏と共にステージ前面の幕に堂珍嘉邦と川畑要のクールなシルエットが浮かび上がると、オーディエンスは総立ちと歓声で迎える。「東京行けますか!」という掛け声と共にアルバム同様1曲目は「Get Together Again」からライブはスタート。堂珍と川畑は交互にリズミックなボーカルを披露し、コーラスの掛け合いが美しくホールに広がった。

 生で響き渡る2人の歌声とコーラスは心を揺さぶる優しさと生命力に満ちていた。ドラムのタイトなビート、切れ味鋭いギターカッティングとスラッピングベースのグルーヴのなか、堂珍と川畑は客席にマイクを向け、オーディエンスからの熱いコールを集める。伸びやかに混じり合う2人の歌声はダイナミックかつ美麗。恍惚とさせる美しいハーモニーからのファルセットコーラスは鳥肌ものだ。

 ピアノ、アコースティックギターの伴奏からのムーディーなスローバラード「もしも」では、染み入るような美メロと、物語のように楽曲を牽引していくような展開で観客を魅了。そして川畑の熱唱からのファンキーなミドルテンポ「Horizon」では体を自然に揺らしてくれる心地良いグルーヴを放つ。堂珍と川畑が縦横無尽に音階を歌い上げるボーカルからは圧倒感、そして快感をおぼえさせてくれる。

 ここまでアルバム『CHEMISTRY』の新曲が並び、次曲は「サイレント・ナイト」。DJのスクラッチとギターのループフレーズ、ローズピアノの音色のアンサンブルに2人はリズミカルな歌唱を披露し、オーディエンスが刻むクラップのなかパフォーマンス。クリスマスイブのこの日にぴったりな選曲に会場のムードはますます高まった。

 うっとりとするような雰囲気はピアノソロへと引き継がれ、「合鍵」へと進む。1バースを経てのバンドインというドラマチックなアンサンブルで魅せ、16ビートの上で堂珍のボーカルフェイクが漂う「愛しすぎて」へ。サビでは芳醇で清々しい響きのハーモニーを輝かせ、アコースティックギターソロに綺麗に絡むコーラスがどこまでも優しく、清く、会場の隅々まで行き渡った。

 ドラムのビートで繋がれた切ないメロディの「It Takes Two」では、「これぞCHEMISTRY」と全身で感じさせてくれるボーカルフェイクのハーモニーでしびれさせてくれる。アップテンポのイントロから走り出した「FLOATIN’」ではステージ左右いっぱいに移動しながらパフォーマンスする堂珍と川畑。オーディエンスは両手を上げてのクラップで応え、サビではその手を横に揺らしながらフィジカルにCHEMISTRYの熱量を押し上げた。

みんながいるから突っ走ることができる

川畑要

 フレッシュフレーバーが香るアンサンブルからの「SOLID DREAM」が終わりかけると、堂珍と川畑は一旦ステージから去った。しかしバンドは音を止めずに、神秘的なインプロビゼーションの演奏を披露。ジャムセッションのなか再びCHEMISTRYが登場し、アルバム『CHEMISTRY』からの楽曲を連ねる。

 「Heaven Only Knows」の印象的なリズムとメロディを広げ、この日最もスローテンポなナンバーの「数えきれない夜をくぐって」と続けた。堂珍と川畑は個別でメロウに歌い上げ、ラストではハーモニーが重なって美しく着地。そしてピアノの伴奏と歌唱というシンプルな構成から始まった「夜行バス」では2人のボーカルの地力がより際立ち、生々しく胸に染み込んできた。

 川畑はMCで改めて「アルバムを引っさげて10月5日のから始まり24公演、本日ファイナルであります! そしてメリークリスマス!」と投げかけ、そして2人は和やかなトークを交えつつ、CHEMISTRY活動再開初シングル曲の「Windy」へ。曲中の<風のように>というフレーズは清涼感いっぱいにホールを包み込んだ。

 豊麗で涼しげに、そして優しく全身を包んでくれるCHEMISTRYは、どこかノスタルジックなメロディの「13ヶ月」で心の内側の琴線をそっと撫でてくれる。堂珍と川畑とバンドの化学反応が生み出す音の栄養を吸収していて気がつけば最終曲「Still Walking」。川畑の「一緒に歌おう!」という活気に満ちたコールにオーディエンスは多幸感を表すようなアタック音のクラップで応える。堂珍と川畑はステージ左右に設置されたお立ち台で笑顔のパフォーマンスを見せ、輝かしい光に包まれながら本編エンディングを迎えた。

 CHEMISTRYはアンコール公演で3曲をプレゼント。「PIECES OF A DREAM」ではサビでの合唱が聖なる夜を彩り、続くは山下達郎のカバー「クリスマス・イブ」で一緒にメリークリスマス。もちろん1年でこの日が最も似合うナンバーのCHEMISTRYバージョンに、ホールは赤、緑とクリスマスカラーに照らされ、愛に満ちたホーリーナイトを抜群に演出した。珠玉の名曲にCHEMISTRYの聖なるハーモニーが絡むという何とも贅沢なひと時だった。

 アンコール中のMCでは堂珍から「2020年、僕らはデビュー19周年。年明けの3月7日から20周年のアニバーサリー突入イヤーになります。なので、第一弾のライブをやりたいなと思います!」という力強いアナウンスがあった。そして川畑から3月7日東京、8日大阪で開催されるライブの詳細が案内されると会場は大歓声と拍手に沸き、CHEMISTRYの2020年の活躍に大いなる期待を寄せた。

 そして堂珍は、「20周年に向けてガシガシやっていきたいと思っていますし、みんながいるから突っ走ることができております。非常にありがたいし、幸せだと思っています」と、オーディエンスへ感謝を伝えると共に幸福感をシェアした。さらに「この幸せを歌で恩返ししたいと思います!」と、告げるとオーディエンスからの温かい拍手に包まれた。川畑は「ここに見えない人もたくさんの人が支えてくれています」と、関わった全員に対しての思いを言葉にし、オーディエンスからの感謝の拍手がホール中に長く響き渡った。

 そして堂珍の「みなさんが幸せになりますように!」というメッセージで始まったツアー最終曲は「Motherland」。<LA LA LA>というシンガロングで会場一体となり、バンドメンバーが一人ずつステージを去っていく。最後に残った堂珍と川畑はアカペラでの歌唱となり、ドラマティックに幕を閉じた。24公演ツアーのラスト、クリスマスイブのスペシャルな公演は清く、温かく、そして愛と美しさに満ち溢れていた。この日の空気感は、アニバーサリーイヤーに突入するCHEMISTRYの活躍にフィードバックし、さらなる音楽のケミストリーを見せてくれるだろう。

セットリスト

CHEMISTRY LIVE TOUR 2019 「CHEMISTRY~Still Walking~」

2019年12月24日@東京・Bunkamuraオーチャードホール

01. Get Together Again
02. ユメノツヅキ
03. Angel
04. もしも
05. Horizon
06. サイレント・ナイト
07. 合鍵
08. 愛しすぎて
09. It Takes Two
10. FLOATIN’
11. SOLID DREAM
12. Heaven Only Knows
13. 数えきれない夜をくぐって
14. 夜行バス
15. Windy
16. 13ヶ月
17. Still Walking

ENCORE

EN1. PIECES OF A DREAM
EN2. クリスマス・イブ
EN3. Motherland

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