俳優の宮沢氷魚(25)が来年3月から上演される渡辺謙主演舞台『ピサロ』(2020年3月13日~4月20日)に出演する。PARCO劇場オープニング・シリーズの第一弾。太陽の父とするインカ帝国の王を、成り上がりのスペイン将軍・ピサロとならず者167人で生け捕りする「インカ帝国征服」を主軸に描かれる。1985年に山崎努主演で上演。当時、インカの王・アタワルパを演じた渡辺謙がピサロを演じ、宮沢はアタワルパを演じる。昨年は、舞台『豊饒の海』で東出昌大と共演、今年はドラマ『偽装不倫』で杏と共演するなど渡辺家とは「縁を感じている」という宮沢。渡辺謙とは初共演となるが「役者としての覚悟も含めて全てを吸収したい」と意欲を示している。舞台は「成長の場」とも語る彼はどのような思いで本作に挑むのか。【取材・撮影=木村武雄】

宮沢氷魚

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王たる威厳は体づくりから

――出演が決まったときの心境は?

 PARCO劇場のオープニング・シリーズに出られるのはとても光栄なことですし、今回の作品に出られるだけでもすごく幸せなのに、役を聞いて本当に驚いて。以前、謙さんが演じられた役を僕が演じられるということに最初は夢のような感覚と言いますか、不思議な感じでした。ただ、楽しみに感じていましたが、台本を読んだときに初めて重圧を感じて…。

――その台本を読んだ最初の印象は?

 全体の分量がすごいなって、手に持った時に重く感じて(笑)。でも、『豊饒の海』の時も似たような感覚がありましたが、その分量を感じたときに「この世界に入れるんだ」という幸せな気持ちになれました。その一方で、分量が多いのに無駄なセリフが何一つない。一語一語に重みや意味があって。本当に素晴らしいなと思いました。

――役柄について最初はどんな印象を持ちましたか?

 インカの王ともあって台本を読んでいくなかで、気づいたら胸を張っていました(笑)。台本でもそういう気分にさせてくれる役柄ですし、どんどん王になっていく自分自身の変化も楽しみで仕方がないです。その時代だからなのかは分かりませんが、自分が太陽の子だって考えていて、それを信じて着いていく国民の心理が不思議で。それだけ愛されて信用されるのは彼が神だからということだけでなく、彼の人間性や存在感が備わっているからこそだと思います。僕も役作りでは見た目、例えば体を大きくするとか、そうしたことはもちろんしますが、内から醸し出す包容力や漲る自信というのは意識したいと思っています。台本を読めば読むほど、アタワルパの偉大さは伝わってくるので、それを成立させなければいけないとも思っています。そこが僕の一番の大きな壁でもある気がします。

――役作りは具体的にどのようなことをされますか?

 僕の場合、毎回見た目から作っていくと自然と内から何かが生まれてくるような気がします。今回は今まで以上に体のケアを重点にやっていきたいと思っています。文献を見るとアタワルパは大きい人で力もある。そいうことを考えても僕が過去に演じた役と比べてちょっと違っていて。ですので、まずは筋トレですね。全体を通してもアタワルパは立っているだけの時間が多くて、意外と立っているだけというのも難しいんですよ。そうしたところからもスタミナや忍耐力はすごく必要なので、スタミナをつけるためにランニングも増やしていきたいと思っています。筋肉をこんなにガッツリつけるのは初めてなので、どう付いてくるか分からないですけど、僕がイメージするアタワルパの体になっていけたらいいなと思います。

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