2番でグッと来る音楽がいい

足立佳奈

――アルバムがすごく楽しみですね。さて、3カ月連続リリースの第1弾として配信リリースされる「話がある」は、聴けば聴くほど、深みが増していくスルメのような楽曲だと思いました。何度も聴きたくなると言いますか。

 ありがとうございます。私も初めてこの曲を聴いた時に、「もう一回聴かせていただいてもいいですか?」と、4回ぐらいリピートしたんです。それはなぜかと言うと、この曲がサビのメロディに特徴があって。何度も聴きたくなる魅力がこのメロディにはあるなと思い、この曲を選ばせていただきました。

――作曲と作詞に関わっているSori Sawadaさんとは初めてですよね? どのように作っていったんですか。

 初めてです。最初Sawadaさんから曲と歌詞が届いて、デモ段階から内容もすごく良くて、その中で私は歌詞にストーリー性を持たせたいなと思いました。1番はまだ振られていない、希望がある感じの歌詞なんですけど、2番からは希望がなくなっていくストーリーになっています。

――劇的な展開ですよね。

 私は2番というのが歌は肝心だと思っていて、2番でグッと来る音楽がいいなと感じています。もちろん1番からグッと来るものもいいんですけど、2番のストーリーをすごく考えてしまうんです。それで最後は<さよなら>という言葉で締める切ない終わり方にしました。

――このストーリー性はすごく惹きつけるものがありました。2番からは絶望的な瞬間もあって。

 その2番にある<突き放してよ さわらないでよ>という歌詞は究極のところまで来てしまっています。でも、これは女の子の気持ちを歌っていて、強がって「近寄らないでよ」と言いがちなんですけど、実はそんな風には思っていない、言っていることとは逆の心理があると思うんです。それを2番では表現できたんじゃないかなと思います。

――その中で<急に世界に色がつくとか 全部 嘘だ>もインパクトありますよね。

 そのあとに<やっぱ好きだな>と最終的には本音が出ているのがポイントです。

――最後の<さよなら>の続きのストーリーは足立さんとしては、どう考えていますか。

 元に戻るというより、今は別々の道に進んでいこうという感じがあります。私と同世代の人には相手に好きな子が出来てしまって、諦めたくないけど、諦めなければならない状況があったら、この歌詞に出てくる<さよなら>の気持ちになるんじゃないかなと思います。希望だけを歌った曲ももちろんいいんですけど、心の奥底で決めていて、「でもやっぱり好き」と思えている、その切なさがいいなと最近思うんです。

――深いですね。あと、歌の出だしで<うん>という、自分自身に言い聞かせるような頷くところから入るのが、この後に続く歌詞への意味合いを変えるほど重要だと思いました。

 私もこの<うん>はすごく気に入っています。言葉に出しているというよりも、自分に言い聞かせている、「わかっているんだけどさ」といったニュアンスです。自分の中にいる2人の自分との葛藤みたいな感じもあり、気づいていないふりは出来るけど、そういう風には出来ないモヤモヤを全部この<うん>に込めました。レコーディングでも<うん>は何回も録り直しました。ここから繋がって歌に流れて行きたかったんですけど、なかなか上手くいかなくて…。

――こだわりの<うん>だったんですね。あと、サビに行く前のブレイクがすごく効果的だなと思いました。

 ちょっと前から気にしていることがありました。それは、何かを伝えたい時って一瞬静寂があると思っていて、深呼吸が出来るような間があって、そこからバーっと吐き出すようなことが人にはあるんじゃないかなと思いました。バラードやラブソングに関しては、それが私らしさになっている、最近の私のラブソングの在り方になっているなと感じています。

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