宮崎秋人が大切にしているものは「友」、初時代劇で向き合う人間味
INTERVIEW

宮崎秋人が大切にしているものは「友」、初時代劇で向き合う人間味


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年12月17日

読了時間:約8分

 俳優・宮崎秋人(29)が、来年1月上演の舞台『阿呆浪士』(2020年1月8日~24日、東京・新国立劇場 中劇場ほか大阪)に出演する。鈴木聡・作、ラサール石井・演出の舞台。魚屋の八(戸塚祥太)がひょんなことから赤穂浪士となって吉良上野介義央に討ち入りするまでを、ユーモアと感動で描くエンターテインメント時代劇。宮崎は、八の友人で浪人のスカピンを演じる。この時代の「義理・人情」に惹かれるという宮崎だが、譲れないプライドは「友人」とし、音楽は「人とつながるツール」と答えるなど、絆を大切にしている一端が見える。まさにスカピンははまり役ともいえるが、どのような印象を抱いているのか。【取材・撮影=木村武雄】

時代劇初挑戦、ふとした瞬間に垣間見る武士の所作

――出演が決まった時の心境をお聞かせください。

 お話を頂いた時点で、キャストの方や作品の内容を聞いていましたので、年始から錚々たるキャストの方と共演させて頂けることや、新国立劇場に立てるということに嬉しい気持ちと責任感がありました。

――ということは、来年は良いスタートが切れる?

 間違いなく切れますね!

――来年はどのような年にしたいですか?

 挑戦し続ける年にしたいです。今年も挑戦はしていて、その分、ぶち当たる壁はありましたけど、それが確実に血となり肉となっている実感もあって。今年積んできた経験が来年、それ以降活かせるような1年になればいいなと思っています。実は『阿呆浪士』が初めての時代劇になるんです。なので僕にとっては挑戦です。仕事は挑戦し続けないといけないと思うんです。一個一個を大事に来年もまた挑戦を重ねていきたいです。

――挑戦をし続けないと成長はないですからね。

 そうです。ただ、作品としてクリアしなくてはならないものはありますが、自分個人としてのゴールは設けていないんです。なので、クリアしても手応えというのはなくて、舞台でしたら、お客さんの反応を見て「大丈夫だった、よし!」と思うしかない。そこのものさしが難しいところでもあります。幕が上がるまでは毎回不安ですし、やってもやっても自信がつかない。

――やっても自信がつかないということは、新たな課題が見つかっているということも言えると思うので成長の証だと思います。

 周りに「成長したね」と言ってもらえたとしても、自分では「あー、成長していたんだ」と実感がなくて。ただ、その中でも難しい役を頂いた時に「信頼してくださっているんだな」というのは感じます。そういうのは台本を読んだときに気づくところでもあるので、嬉しく思うと同時に「頑張らなきゃ」と身を引き締めます。

――となると、『阿呆浪士』のスカピン役は浪人ですが武士であり、主人公・八との絡みも多く重要な役どころ。「信頼している証」とも言えそうですね。

 そうだとしたら嬉しいですね。実際に台本を読んだときに「これは頑張らなきゃいけない!」と思いました。スカピンは、戸塚祥太さん演じる八の横にずっといる友達で、彼に影響を与えて、彼からも影響を受ける立ち位置。作品の中でも確実に大事な登場人物の一人ではあるというメッセージはパルコさんから伝わってきました(笑)。

――時代劇は初挑戦という話でしたが、武士の役作りという点ではどう臨もうと思っていますか?

 演出のラサールさんと擦り合わせていきたいと思っています。軽口を叩いていたり、口調は物腰柔らかいようにみえますが、芯は、落ちぶれた浪人といえど、失われていないはずだし、そういうところが後半になればなるほど、スカピンに対して出てきます。そういうところを意識しながらも、前半と後半であまりにも人格が違いすぎて別人にならないように気を付けたいと思っています。実際に、言っていることが急に格好良くなる時があるんです。それを演じる時に、あえて分かりやすいように表に出すのか、自分でも忘れていながらも自然と出てしまうのか、そのバランスを上手にやっていきたいです。

――もともと武士でしたが、いまは野に下っている。役作りとしては武士をまず作ってから重ねていくような作業ですか?

 まず、武士という芯は作ろうと思っています。ただ、どんな職業でも、ユーモアある人や怒りっぽい人など様々な性格はいると思うんです。この職業だからこういう性格だと決まっているわけではない。そういうちぐはぐはあると思うので、そういう肩書きに左右されないようにしたいと思っています。結局は人。個性や性格を大事に育てていきたいと思っています。もちろん所作については、ちょっとした時に垣間見るような感じで出したいです。

――殺陣稽古もある?

 あると思います。刀を握るのが久しぶりなので、楽しみです。

宮崎秋人

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