木乃伊みさと、滝口ひかり、滝口きららによる完全セルフプロデュースユニット・ゑんら(読み:えんら)が12月10日、東京・新宿BLAZEで全国ツアー『ゑんら道中』のファイナル公演をおこなった。今年3月に始まった解散をかけたCD1万枚チャレンジを成功し、おこなわれた全国ツアーで、8月30日の東京・渋谷TSUTAYA O-nestを皮切りに12月10日の新宿BLAZEまで全国5カ所6公演をおこなうというもの。12月11日にリリースされたニューアルバム『UKIYO』に収録された新曲も披露された、2019年の集大成とも言えるライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

新衣装で『ゑんら道中』ファイナルがスタート

ゑんら(撮影=菊島明梨)

 3月から始まった1枚チャレンジの集大成とも言うべきライブだ。この日を目指して来た2019年。多くのオーディエンスが新宿BLAZEに集結した。

 バンドメンバーがスタンバイし、SEに乗って新衣装で登場した滝口きららがソロダンスパフォーマンス、そこに木乃伊みさとと滝口ひかりが加わり「アンバランス」でツアーファイナルの幕は開けた。メンバーも歌いながら「まだまだ行くよ!」など、合いの手を入れ、オーディエンスを煽り生バンドによる躍動感に観客も序盤から大きな盛り上がりを見せ、3人もツアーを回って、歌もパフォーマンスも仕上がって来ているのを感じさせる。みさとが「みんなで一緒に踊ってください」と投げかけ始まったのは、盛り上がり必至の「のっぺらぼう」では、オーディエンスも巻き込んで、一体感を作り上げた。

 バンドメンバーの紹介を挟みゑんららしい、おどろおどろしさとキュートさが絶妙なマッチングをみせる「迷い地縛霊」へ。<カランコロン>と印象的な歌詞が響く、テンポ感のよいロックチューン。エモーショナルな歌声で煽情。続いての「さよならを教えて」は叙情的なアコギのイントロから激しいロックスピリット溢れるサウンドへと紡がれるドラマチックな一曲だ。

木乃伊みさと(撮影=菊島明梨)

 そして、12月11日にリリースされたニューアルバム『UKIYO』から新曲「レトロ花子」を披露。スカートを翻し、リズムに乗ってノスタルジックな気持ちにさせてくれる歌詞と、最後のキメはキュートにほっぺに指を当てる3人。続いて、「キミノセイ」では3人は伸びやかな歌声、きららが「みんなで行くよ〜 せーの!」と投げかけ、振り付けをリズミカルにオーディエンスに伝えたりと、初見の人にも楽しめる配慮。

 場面は一転し、切ないピアノのフレーズと、踏切のサイレンのSEが寂しく響くなか、情感を込めた歌でスタートしたミディアムナンバー「君がいない」へ。エンディングでの電車が迫り来るようなサウンドと、ライトが強く光り消える演出は、ひとつのストーリーを見ているかのようだった。

滝口ひかり(撮影=菊島明梨)

 MCでは自己紹介と「フリフリな感じでゑんら味を残しつつ、いつもとは違う感じにしてみました」と、新衣装をみさとが説明。そして、次の曲に行く前に、よりライブを楽しむための掛け声をレクチャーし、「みんなで掛け声を出して楽しみましょう!」と新曲の「ホラーかわいい」を披露。これまでの楽曲とはまた違ったテイストで、ゑんらの新境地を見せた1曲だ。アップなビートに身体を動かしたくなるナンバーは、これからのライブで欠かせない曲になる事を予感させた。ラストのサビに行く前に、「催眠中」のプレートをきららが提示し、みさとの揺らすアイテムで催眠術にかけられるひかりというユーモア溢れる演出も。さらに畳み掛けた「つぼみ」で、腕を振り上げ、ボルテージは早くも最高調まで高まっていく。

「ホラーかわいい」での1コマ(撮影=菊島明梨)

 ここで、フロアの一体感をさらに高めてくれる「だいだらぼっち」へ。みんなで肩を組み、ビートに合わせ横に揺れ、絆を深めてくれるような瞬間は、クライマックスかのような感動的な空間を作り上げていた。この曲の聴きどころとして、アカペラで熱い歌を響かせる場面もあり、曲の締めはオーディエンスと一緒にジャンプで締めた。

これが第一歩だったと言ってもらえるように

滝口きらら(撮影=菊島明梨)

 「心中ミッドナイト遊園」では、ヲタ芸ダンサー・team 下克上の5人が登場し、ゑんら3人のパフォーマンスを後押し。“ウルトラオレンジ”のペンライトが高速でステージを彩った。鈴の音が響くと始まったのは「リンネ転生」へ。2ビートのリズムに前曲から引き続きteam 下克上も交えた演出で、お祭り騒ぎのような空間に。オーディエンスも楽曲の勢いに合わせ拳を掲げ、大きな盛り上がりを見せた。

 ここでゑんらから発表。スクリーンに2周年ライブを渋谷O-WESTで来年の2月24日におこなうことと、3月29日から全12回の定期公演を秋葉原でおこなうことを発表。もうすぐ2周年ということに「めっちゃ早い。この前1周年だったのに」と驚いた様子。きららは「もっともっと大きな箱に出られるように私たちも頑張るので、来年からもずっとずっと宜しくお願いします」。

 次で最後の曲だと告げると、フロアからは長い「えーーーー!」という名残惜しむ声が響き渡った。きららは「3月2日から7月24日まで1万枚チャレンジをやってきて成功させてこのツアーをやることが出来て、ファイナルまで無事に迎えられて本当に嬉しいです」と話、ラストは「皆さん踊り狂って下さい」と、このステージに立てることになった1万枚チャレンジを成功させた1曲「妖怪ディスコ」をドロップ。イントロのクラップのシンクロ率はリリイベで何度も歌唱してきた同曲だからこその一体感を垣間見せ、4つ打ちのビートに、ミラーボールの光りが会場を照らし、全霊のパフォーマンスで本編を終了。

ライブの模様(撮影=菊島明梨)

 アンコールの声にTシャツに衣装をチェンジした3人と、バンドメンバー、そしてこの場に集まったオーディエンスと記念撮影。アンコール1曲目は3人で作詞し、本編でも披露された「ホラーかわいい」を再演。イントロや間奏では「セイ!」のコールで盛り上がり、アクティブな3人の振り付けと歌で、休む間も与えない怒涛の畳み掛けを見せた。

 この激しいパフォーマンスに、3人も「ヤバい」と息が上がる。きららは「最後の最後までオイオイ言えますか?」と投げかけ、ラストはオープニングでも披露された「アンバランス」を届けた。力強い「オイオイ」のコールがフロアからステージに届けられる。その声を受け3人の歌の熱量も高まっていく。

 きららは「これからもゑんらと一緒に歩んでください」とメッセージを告げ、みさとは「これが第一歩だったと言ってもらえるように、ここからジャンジャン進んでいくので宜しくお願いします!」と笑顔でステージを後にした。

 

記念撮影(撮影=菊島明梨)

 ゑんらに関わる全員で勝ち取ったこの日の公演は、得も言われぬ感動があった。目標のZeppはまだまだ遠い旅かも知れないが、彼女たちの強い意志が、きっと叶えるに違いないと確信に変わったステージだった。

セットリスト

『ゑんら道中』

12月10日@新宿BLAZE

01.アンバランス
02.のっぺらぼう
03.迷い地縛霊
04.さよならを教えて
05.レトロ花子
06.キミノセイ
07.君がいない
08.ホラーかわいい
09.つぼみ
10.だいだらぼっち
11.心中ミッドナイト遊園
12.リンネ転生
13.妖怪ディスコ

ENCORE

EN1.ホラーかわいい
EN2.アンバランス

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