Wakanaが自身の誕生日である12月10日に東京・マイナビBLITZ赤坂で、大阪・梅田クラブクアトロ(同8日)に続きワンマンライブ『Wakana Winter Special Live 2019 ~瞬き~』を開催した。各昼夜の2公演を行い、10日の夜の部ではゲスト・武部聡志の指揮のもと観客がバースデーソングを歌ってWakanaの誕生日を祝うサプライズも。最新作『アキノサクラEP』収録曲のほか、2020年2月26日に発売する2ndアルバム『magic moment』に収録の新曲「breathing」を初披露、クリスマスソングのカバーなど全18曲を披露した。【取材=榑林史章】

クリスマスソングやKalafina曲も披露

Wakana(撮影=大川晋児)

 「みんなで作るCDに込めた時間も好きですが、こうして生でみなさんに届ける時間も同じくらい好きです。音は鳴った瞬間に消えてしまう。だから追い求めるのだと思う。今日だけのここでしか聴けない音楽、1音1音を楽しんで下さい」

 ライブの幕開けは、新曲「breathing」。タイトルは「呼吸」という意味だ。どこか民族的な雰囲気を漂わせるサウンド、彼女の歌はまるでそこに吹く心地よい風のよう。やさしく温かく、そしてときには力強く、命の芽吹きを感じさせる歌声で観客を魅了した。

 続く「オレンジ」は、聴きやすいポップス調のメロディと、オルガンの音色によって、会場はノスタルジックで夕暮れどきのようなムードに包まれた。人々が、大切な人が待つ家へと帰り路を急ぐような、とても懐かしい情景がまぶたに浮かんだ。

 1stアルバム『Wakana』からも、「Hard Rain」や「金木犀」などが歌われた。「雨、好きなんです」というトークを交えて披露した「Hard Rain」は、ラテン調のビートにガットギターの音色、そこに歌謡曲的なメロディがマッチしている。「金木犀」は、過ぎ去った夏の日を懐かしむような雰囲気。秋が過ぎた今の季節に聴くほどに、曲に込められた深い情緒が感じられた。

 この日バックを務めたバンドは、キーボード=Sin、パーカッション=中北裕子、ギター=福原将宜というシンプルな構成。音源とはひと味違ったアコースティックサウンドで聴かせた。「夕焼け」では、アコースティックギターの音色と共に、母親のような歌声で集まった観客を包み込んだ。

 中盤には、季節がらクリスマス・メドレーも聴かせてくれた。オルガンの音色と共に聴かせた「Silent Night」は、日本では「きよしこの夜」として有名、ナット・キング・コールの「The Christmas Song」は、最後の「ジングルベル」のフレーズが印象的。そしてマライヤ・キャリーの「All I Want for Christmas Is You」では、軽快なサウンドと歌声に、会場には手拍子が広がった。

 また、Kalafina曲、「Eden」「into the world」「ring your bell」も披露してファンを楽しませた。シンプルなサウンドも相まって、原曲の持つメロディの美しさと、低音からハイトーンまでひとりで三声をフォローした彼女のボーカリストとしてのポテンシャルの高さを見せつけた。

ゲストの武部聡志のピアノで「snow falling」を披露

Wakana(撮影=大川晋児)

 まるで女神のような歌声。しかし以前のような、決して手の届かない、近寄りがたさはここにはない。観客ひとりひとりの隣に寄り添うような、飾らない素顔のトークでも観客を楽しませた。「どこから来ましたか?」「ここまで何(交通機関)で来ましたか?」など、次々と質問をぶつけていったMCコーナー。「車の人?」「電車の人?」「じゃあ、一輪車で来た人? …は、いるわけないか(笑)」。この日も、彼女らしい天然が会場を和ませた。

 後半には、彼女にとってチャレンジとなった『アキノサクラEP』に収録の「恋はいつも」で、会場を沸かせた。80年代の洋楽のようなポップ感のあるビートの効いたサウンド、自身の恋愛観も重ねたという歌詞には、とても親近感が沸く。身振りを交えながら、身体を揺らして歌った彼女に、会場には手拍子が広がった。

 アンコールにはライブの音楽監督、武部聡志が登場。前回のツアーでは武部のピアノで「ハナミズキ」のカバーなど数曲で共演した。その様子は映像作品『Wakana Live Tour 2019 ~VOICE~ at 中野サンプラザ』にも収録されている。そのときのアンケートでふたりの共演が好評だったそうで、「毎回来ようかな〜」と嬉しそうに笑った武部は、「昼公演もやったのに、まったく声が衰えていない。すごくいい声で驚く」とWakanaを絶賛。日本のポップスシーンを牽引するひとり=武部もまた、Wakanaの歌声の大ファンだ。武部のピアノ1本で歌った「snow falling」は、彼女のやわらかいハイトーンの歌声にピアノが寄り添い、息ぴったりの歌と演奏で観客を魅了した。

 また、この日はWakanaの誕生日で、昼の部では武部のピアノでバースデーソングを歌ったそうだが、夜の部では武部の指揮で観客がバースデーソングを歌うというサプライズでWakanaをお祝いした。それにはうれしそうに目を細めた彼女。しかし、出てきたバースデーケーキからは、昼にはあったいちごが消えていて…。「誰が食べちゃったの!?」と、行方不明のいちごに、笑いが止まらなくなるところも実にWakanaらしいと思わせた。

 「楽しんじゃいました。うれしくて、すごくいい日でした。2020年もこういう楽しくライブができる日を増やしたいです」

 この日2ndアルバム『magic moment』を2月26日にリリースすることを発表。「まだみんなが見たことのないWakanaを魅せる1枚になります」と彼女。2020年に向けて、さらなる活躍に期待が高まるステージになった。

セットリスト

Wakana Winter Special Live 2019 ~瞬き~

1.breathing
2.オレンジ
3.Hard rain
4.金木犀
5.夕焼け
6.Silent Night(カバー)
7.The Christmas Song(カバー)
8.All I Want for Christmas Is You(カバー)
9.Eden(Kalafina)
10.into the World(Kalafina)
11.ring your bell(Kalafina)
12.翼
13.君だけのステージ
14.恋はいつも
15.約束の夜明け

ENCORE

EN-1.snow falling(Kalafina)
EN-2.アキノサクラ
EN-3.あとひとつ

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