4人組バンドのWONKが2日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで『WONK’s Playhouse』公演をおこなった。本公演はWONKがホストバンドを務め、彼らと交流があるミュージシャンをゲストに招いて開催する自主企画イベント。この日のゲストはkiki vivi lily、bird、SHE IS SUMMER、FUKUSHIGE MARI、UME、IO、m-flo、Charaが出演。各アーティストの楽曲のコラボレーション、そしてWONKのエクスペリメンタルソウルのサウンドが生々しく響き渡る一夜となった。【取材=平吉賢治】

ゲストコラボ&エクスペリメンタルソウルが交わる一夜

 『WONK’s Playhouse』の幕開けは、ピアノ、サックスの音色がリードをとり、徐々に各パートが重なる「Intro」の演奏から。そして長塚健斗(Vo)は「WONKがホストバンドとなって、関わらせて頂いたアーティストと共にお送りするお祭りです」と、クールな笑顔に紳士的な振る舞いでイベント内容を紹介した。

 バンドはWONKの4人と、ホーンセクション、ギタリスト2人ずつという編成。ライブはイントロを経て、2曲目のWONKの楽曲「Orange Mug」でゆったりと、心地良いグルーヴとメロディがフロアを満たした。江崎文武(Key)の透明感のあるローズピアノ、シンセサウンドの上を漂うよう長塚のボーカル、そして井上幹(Ba)と荒田洸(Dr)の、浮遊感がたまらないグルーヴィーなビートが響き渡った。(※江崎文武の崎は、立つさきが正式表記)

 ギターカッティングが軽快に刻まれる「Sweeter, More Bitter」では、長塚は軽快にステップを踏みながらクールな笑顔でパフォーマンス。絶妙なグルーヴと色彩豊かなサウンド&ボーカルのエクスペリメンタルソウルは、ライブで体験するとさらにその生々しい深みが味わえる。

 4曲目ではゲストのkiki vivi lilyが登場。kiki vivi lily 1stアルバムからの「Brand New」が披露され、kiki vivi lilyのボーカルが花咲くように空気を満たした。続いてはbirdを呼び込み、パーカッシブなビートに乗ってbirdの「GO OUT」を披露。長塚とbirdのハーモニーも魅せ、フロアは陽気なムードに包まれた。

kiki vivi lily(撮影=木原隆裕)

 MCでは長塚とbirdが和やかにトークをし、「今日はこんな感じで途中で数曲やってはトークをするゆるいタイムを設けようと思いますので、みなさん時に激しく、時にまったり楽しんで頂けたら」と、長塚はイベントの楽しみをエスコートした。

bird(撮影=木原隆裕)

 そしてライブは再びWONKの楽曲「Promise」へと進んだ。ゆったりとした16ビートにソウルフルなベースラインが乗り、ホーンセクションメンバーが奏でるフルートの音色が優しく耳を撫でるように響き渡る。ゲストコラボとWONKのソウルサウンドとのコントラストは本イベントの醍醐味とも言えるだろう。

WONKの生々しいグルーヴが体験できる一夜

 ゲスト3人目はSHE IS SUMMER。「荒田さんと一緒に作ったこの歌を」と、「TRAVEL FOR LIFE」を披露。紫色の光に照らされたステージ上で、SHE IS SUMMERと長塚のハーモニーが美麗な輝きのなかで混じり合った。

SHE IS SUMMER(撮影=木原隆裕)

 そして、水に溶けるような感覚すら覚えるピアノとボーカル導入のWONKの「Signal」(Yamaha Earphonesとのタイアップ曲)へと続き、会場をアンビエントな世界に誘った。後半に向かって勢いを増すビートの楽曲展開、包み込むようなサウンドアプローチの世界観から、存分にWONKの音楽性の深さに浸ることができた。

FUKUSHIGE MARI(撮影=木原隆裕)

 江崎のピアノソロでライブは華麗に繋がれ、FUKUSHIGE MARIの「スプーンの庭」をコラボ。鍵盤を弾きながら歌唱するFUKUSHIGE MARIの歌声が伸びやかに四方八方に広がり、荒田の絶妙なドラミングと絡んだ。さらにコラボは続き、UMEの「Feelings」を着座してのコラボ。ギターの伴奏から倍音豊かなUMEのボーカルが響き渡り、ベースが重なり、長塚とUMEとのボーカルフェイクの掛け合いが鋭くも優しく、ホールの空気を支配した。

UME(撮影=木原隆裕)

 続くIOの「Solid」のコラボでは、ブルーの照明がピッタリな雰囲気のなかソウルフルなボーカルがスロービートのアンサンブルに溶け込む。演奏後にIOと長塚はガッチリと握手。コラボ演奏以外のトークやスキンシップからも、WONKとゲストの強い絆が表れていた。

IO(撮影=木原隆裕)

 WONKの楽曲「J Dilla Medley」の演奏では、見事な歌唱とアンサンブルもさることながら、ビートの“タメ”でも“突っ込み”でもない、WONK独自のグルーヴ感を放つ。オーディエンスは一斉に右手を掲げて揺らし、多幸感を引き出すエクスペリメンタルソウルの生々しいグルーヴを存分に体験させてくれた。

続々登場するゲストにm-flo 、Charaも。「こんな楽しい企画はない」

m-flo(撮影=木原隆裕)

 コラボステージに戻り、続くゲストはm-flo。ステージでVERBALは、「WONKっていう凄いカッコ良いバンドがいると聞き、『I WANNA BE DOWN』という曲をWONKにリミックスしてもらった」と語った。そして、「DJ☆Taku, Drop it!」のコール&レスポンスで入ったm-floの「come again」を披露。フロアのテンションはさらなる上昇を見せ、挙手にジャンプと、熱い会場一体感を醸し出した。

 m-floが去ると長塚は江崎の立ち位置に移動し、2段重ねの上の鍵盤を弾く体制に移った。「たまには鍵盤を弾こうと思ってさ」と長塚がつぶやくとオーディエンスからは期待感あふれる歓声が湧いた。

 「本当に大丈夫?」というメンバーからの心配の声に対し、長塚は「初お披露目だよね。マジでめっちゃ緊張してるんだから!」と言いつつ、真剣モードで鍵盤をプレイ。イントロが奏でられると最後のゲストCharaが登場。YEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」をコラボし、Charaは存在感たっぷりのボーカルを披露した。

Chara(撮影=木原隆裕)

 Charaは長塚に、「一生懸命やってくれてて可愛くてチャーミングで笑っちゃった。ごめんね!」と、オーディエンスの笑いも誘った。「素敵なお祭りだね!」と、Charaは楽しげな表情を見せてもう1曲、荒田と共作した新曲「愛する時」のコラボを荒田のボーカルを交えながら披露した。

 そして本編最終曲はWONKの「Small Things」。長塚は、「去年も凄いゲストの方々でしたけど、今年もヤバかったですね」と、この日の公演の好感触を言葉にした。「こんな楽しい企画はない」と、改めてその場の全員に感謝の気持ちを伝え、ドラムソロからの「Small Things」へ。イントロから歓声が湧き、色気漂うスローテンポ、ボーカル、美しいベースライン、オルガンの音色と、唯一無二とも言えようWONKサウンドがフロアを満たした。長塚は、「来年もやるからね!」と、次なる『WONK’s Playhouse』への意気込みを伝え、本編終了となった。

WONK(撮影=木原隆裕)

 そして、アンコールに応えたWONKは「Apartment」を、長塚がドラム、荒田がボーカルと、担当パートを変えての編成で披露した。「実はドラマーとしてバンドを始めた」ということを明かした長塚のドラミング、優しく柔らかい荒田のボーカルでじっくりとソウルフルに聴かせた。

 イベント最終曲を前に長塚は、「この仲間とやれて良かったなって凄く思いました。なかなかこんなこと言わないんだろうな!」と、清々しい笑顔。そして「Cyberspace Love」が同曲のMV映像をバックに披露され、「最後だから全員一緒に歌ってくれますか!」という長塚の言葉からのシンガロングというドラマチックな締めくくりとなった。

 最後に長塚は、「来年も再来年もまだまだ続く企画でございます」と、『WONK’s Playhouse』の続編をオーディエンスへ伝え、出演者全員が登壇し、ライブの幕を閉じた。WONKのエクスペリメンタルソウルの魅力、バンドのパフォーマンス、豪華コラボと、色とりどりのテイストをグルーヴィーに堪能させてくれた公演だった――。

セットリスト

『WONK’s Playhouse』
2019年12月2日@東京・恵比寿LIQUIDROOM

01. Intro
02. Orange Mug
03. Sweeter, More Bitter
04. Brand New feat. kiki vivi lily
05. GO OUT feat. bird
06. Promise
07. TRAVEL FOR LIFE feat. SHE IS SUMMER
08. Signal
09. スプーンの庭 feat. FUKUSHIGE MARI
10. Feelings feat. UME
11. Solid feat. IO
12. J Dilla Medley
13. come again feat. m-flo
14. Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜 feat. Chara
15. 愛する時 feat. Chara
16. Small Things

ENCORE

EN1. Apartment
EN2. Cyberspace Love

この記事の写真

記事タグ