4人組ロックバンドのBenthamが11月22日、東京キネマ倶楽部でワンマンライブ『Bentham debut 5th anniversary special「東京パノプティコン ~Re: Public~」』をおこなった。CDデビュー5周年を記念し13日にリリースされたベストアルバム『Re: Public <2014-2019>』の発売を記念しおこなうというもの。ライブはバンド初となる2部構成で、1部は「アイマイミーマイン」や「HEY!!」など10曲を披露、2部はアコースティックセットも組み込み、幅広いスタイルでアンコール含め16曲を熱演。5年間分の答え合わせとなったライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

5年間分の答え合わせをしましょう

ライブの模様(撮影=白石達也 )

 開演を告げるブザーか鳴り響き、影アナから事務所の社長である古閑 裕氏のBenthamとの出会いを語ったインタビューという斜め上からの幕開け。SEが流れるなか鈴木敬(Dr)が登場しSEを引き継ぐようにドラムを響かせる。須田原生(Gt)、辻 怜次(Ba)が定位置にスタンバイするなか、最後に小関竜矢(Vo.Gt)がステージに登場。

 オープニングを飾ったのは「アイマイミーマイン」だ。この曲のデモを送ったことがきっかけで、CDデビューへと繋がった思い入れのあるナンバーという意味のあるスタート。そして、間髪入れず「TONIGHT」へ流れ込むアクセル全開の流れに、早くも熱気が会場に充満していくのがわかる。

 小関は「5年間分の答え合わせをしましょう」と投げかけ始まった「YUMEMONOGATARI」で、オーディエンスを煽情させ、「一緒に歌った事がないよね。多分この日のために取っておいたんだと思う」と、小関はマイクを使わずに生声でフロアの後方まで届かせるように歌うと、オーディエンスもそれに合わせてシンガロングで応えた「僕から君へ」。小関は「今になって響いてきた」と、時を超え変化をもたらした一曲を熱演。

 「須田くんが作ったカッコいい曲があります」と「サテライト」へ。ロックバンドのアグレッシブなアティチュードを感じさせるナンバーで、会場はバンドとオーディエンスの熱気で温度がどんどん上昇していくのがわかる。オーディエンスも腕を挙げ、バンドと一体感を作り出していく。そのエネルギーは辻のディストーションが効いたベースソロが印象的な「手の鳴る方へ」でさらにブースト。「ボヤッとしていると1部が終わっちゃうよ!」と煽り、「クレイジーガール」に突入。4人のテンションで迫りくるサウンドに、身体は否応なしに反応してしまう。

 1部のラストを飾ったのは「HEY!!」。須田は「いつもとは違うコールアンドレスポンスをしたい」と東京キネマ倶楽部の名前を使って、少し難解なコール&レスポンスをレクチャー。オーディエンスはそれに完璧にシンクロし、最高の一体感のなか、1部を終了した。

アコースティック編成で届けた「アナログマン」

ライブの模様(撮影=白石達也 )

 DJによるメンバーのリクエストナンバーをBGMにし、オーディエンスもそれぞれドリンクを飲んだり、音に身を任せたりと2部への準備は万端といった様子。

 そして、衣装をチェンジした小関がステージに登場。バンド結成の話しから、一人ずつメンバーを呼び込んだ。もともとキャバレーだった東京キネマ倶楽部。ステージも特殊で中2階にバルコニーがあり、そこに設置されたアコースティックセットで4曲を披露。2部はインディーズ時代の大切な1曲「アナログマン」で幕開け。ゆったりと心地良いリズムとメロディで、アコースティックならではの温もりのあるサウンドで会場を包み込んでいった。

 リズミックなアレンジで楽曲の新たな1面を見せたのは「SUTTA MONDA」。オーガニックなサウンドで心地よい空間を作り上げたかと思うと、鈴木と辻によるリズム隊2人によるアグレッシブな掛け合いがスリリングに響く。鈴木は巨大なドラムスティックでシンバルを引っ叩くパフォーマンスでも沸かせた。

 須田がメインステージでキーボードを演奏。ピアノの音をバックに小関が情感を込め歌い上げた「夜な夜な」は、このキネマ倶楽部というシチュエーションに見事にマッチ。2コーラス目からは辻と鈴木も合流し、バンドセットへとドラマチックに展開。小関も感情をさらけ出すかのように、切に歌い上げる姿が印象的だった。夜から朝日が差し込むかのような流れを見せてくれた「夜明け」、さらにミディアムナンバー「cymbidium」と、メロウな聴かせる楽曲で、1部とはベクトルの違った熱量をステージから届けてくれた。

 そして、ギアを1段上げ『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』の主題歌 「Hope the youth」へ。サビでは眩い光がステージを包み込む、その中で4人は希望の光のように、強い光を放った。

楽曲とライブで返していきたい

ライブの模様(撮影=白石達也 )

 ここで鈴木がMC。ベストアルバム『Re: Public <2014-2019>』のリリース日に、西東京を中心にレコード店巡りをし、店員の愛を感じたことを報告。感動的な話しから盛り上がり必至の「BASSBALL」、静と動を巧みにコントロールし、グルーヴの渦を作り出していた「Chicago」、小関がギターを置きハンドマイクで熱を注いだ「FATEMOTION」で、テンションが跳ね上がっていくなか、ライブは佳境へ。

 小関は「俺はみんながいてくれればそれでいい。負け犬よ吠えろ!」と、今思っていることを素直に告げ「Cry Cry Cry」へ。オーディエンスのシンガロングもエネルギッシュに響き渡り、小関もそれに負けじと叫びにも似た歌声をぶつけていく。

 シンセとディレイを使用したスペーシーなギターサウンドが広がりを与え、躍動感のあるリズム隊のビートに乗って、オーディエンスも身体を弾ませ盛り上がった「MIRROR BALL」では、小関はステージを降り、オーディエンスと近い距離でパフォーマンスで沸かせた。「これからも宜しく!」とラストは「パブリック」。小関が同曲のエンディングで何度も言い放った「俺たちでやってやろうぜ!」という言葉の意志を発信するかのように、道は自分たちで切り拓いていくといった、全霊の演奏をぶつけステージを後にした。

 会場に響いているのはアンコールを求める手拍子。再びステージに戻ってきたメンバーはグッズ紹介や来年におこなわれるワンマンツアーを発表。小関は「やりたいことをやります。言いたいこととかもこの場で解消したい、(僕らは)楽曲とライブで返していきたいと思っています。これからも宜しくお願いします」と
ベストアルバムに収録された新曲「FUN」を届けた。

 Benthamらしさ、原点回帰も感じさせるナンバーで身体も心も4人のサウンドで満たしてくれる。そして、「俺たちはずっと激しい雨みたいなバンドでありたい」と、決意の言葉からラストは「激しい雨」を投下。「小関須田辻敬でBentham」というコールで、フロアとの距離を縮め、どんな苦難にも負けない、それを感じさせてくれるエモーション全開のサウンドで『Bentham debut 5th anniversary special「東京パノプティコン ~Re: Public~」』は大団円を迎えた。

 まだ見ぬ未来への気概を感じさせてくれたステージで全26曲というボリューミーな内容でこの5年間の軌跡を見せてくれた。リミットを解除したかのようなパフォーマンスは、これからのBenthamへの期待感を高めてくれるのに十分過ぎた。

セットリスト

第一部

01.アイマイミーマイン
02.TONIGHT
03.contact
04.YUMEMONOGATARI
05.ハイルーフ
06.僕から君へ
07.サテライト
08.手の鳴る方へ
09.クレイジーガール
10.HEY!!

第二部

01.アナログマン(アコースティックVer.)
02.five(アコースティックVer.)
03.SUTTA MONDA(アコースティックVer.)
04.夜な夜な
05.夜明けの歌
06.cymbidium
07.Hope the youth
08.BASSBALL
09.White
10.Chicago
11.FATEMOTION
12.Cry Cry Cry
13.MIRROR BALL
14.パブリック

ENCORE

EN1.FUN
EN2.激しい雨

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