SING LIKE TALKINGの佐藤竹善が11月24日、東京・中野サンプラザホールでビッグバンドを率いたソロライブ『Rockin' It Jazz Orchestra ~Live in Tokyo & Osaka~』の東京公演をおこなった。

ライブの模様

 合計18名のメンバーによるフルビッグバンドが乗ったステージに、真っ赤なシャツにジャケットを着こなした竹善が登場すると客席からは大きな歓声が沸き起こり、ビリー・ジョエルの9thアルバム「An Innocent Man」に収録され、全米No.1を獲得した「Tell Her About It」でこの日のライブは開幕した。

 「今日は僕にとって最高に贅沢なライブ」と、ビッグバンドとのライブを行うことへの喜びを語った後、10月にリリースされた最新作『Don’t Stop Me Now 〜Cornerstones EP〜』収録のオリジナル曲「Vision」が披露された。グランドピアノからキーボード、ウッドベースからエレキベースへと持ち替えられた同曲では、グルーヴィーなAORサウンドが披露された。続いて演奏されたシカゴの「If You Leave Me Now」では、トロンボーンセクションのロングトーンを中心としたバッキングの上でファルセットを使いながら歌い上げる竹善の姿が印象的だった。

 「大学の頃にビッグバンドを聴くようになって、いつかこういうライブをしたいと思っていた。ジャズの良さを知っている今回のRockin' It Jazz Orchestraのメンバーと一緒にポップス、ロックの曲をやることでジャンルの架け橋になれればと思う」と自身のビッグバンドへの思いを語った後、「この曲をビッグバンドでやってみたかった」と言って披露されたのはSING LIKE TALKINGの人気曲「Together」。ビッグバンドならではの重厚な管楽器のサウンド、そして2コーラス目のBメロで4ビートになるバンドマスターであるエリック・ミヤシロによるこの日のためのビッグバンドアレンジに観客席からは歓声と拍手が沸き起こった。

ライブの模様

 そして「今日のために素晴らしいゲストが来てくれました」という竹善のMCで日本を代表するジャズボーカリスト/フリューゲルホルン奏者TOKUが登場。ビーン・クロスビー、フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、トニー・ベネット&レディー・ガガといった数多くのアーティストによる名演が残されているスタンダードソング「It Don’t Mean A Thing」と、最新作『Don’t Stop Me Now 〜Cornerstones EP〜』にも収録されているニール・セダカのカバー「Laughter In The Rain」が披露されると、柔らかな音色でメロディを紡いでいくTOKU節溢れる両曲でのソロプレイに会場はクールな空気感に包まれた。

 その後、「強く影響を受けたAORの名曲を3曲連続でお届けします」という竹善の言葉の後に演奏されたのは、竹善が大学時代に出会ったというマンハッタン・トランスファー「Twilight Tone」、スティーリー・ダン「FM」、ケニー・ロギンス「Heart To Heart」の3曲。これぞ佐藤竹善と言わんばかりのグルーヴ感に満ちた歌唱、圧巻のビッグバンドアンサンブル、さらにこの日リードアルトサックスを務めた本田雅人のキレのあるソロが披露されると、会場からは一層大きな歓声と拍手が沸き起こった。

 一度ビッグバンドメンバーが舞台袖に下がると、ギター梶原 順、ピアノ青柳 誠、そしてSING LIKE TALKINGのツアーにも参加し「サポートヴォーカルとして欠かせない存在」と竹善に紹介された露崎春女と竹善の4人でアーロン・ネヴィル とリンダ・ロンシュタットのデュエットソング「Don’t Know Much」が演奏された。ビッグバンドの豪華さと対比を成した小編成ならではの美しいサウンドによってゆったりとした雰囲気に会場が包まれた。

ライブの模様

 その後、サックス五重奏とカホンと歌という実験的な編成でのポリス「Roxanne」、トランペッター二井田ひとみをフィーチャーしたジャズ・スタンダード「It’s Only A Paper Moon」、そして竹善が「トロンボーンの全ての演奏技術を盛り込んだアレンジ」と評するトロンボーン四重奏をフィーチャーし、リードトロンボーン中川英二郎のソロが圧巻であった「Lover, Come Back To Me」が披露された。

 再びビッグバンドのメンバー全員がステージに戻ると、最新作『Don’t Stop Me Now 〜Cornerstones EP〜』ではサルサバージョンであったスティーヴィー・ワンダー「Do I Do」がビッグバンドバージョンで演奏された。AORサウンドをベースにしながら、サルサの雰囲気を醸し出した青柳のキーボードソロが披露された同曲のアレンジに会場は大いに盛り上がった。

ライブの模様

 続けて、最新作のタイトル曲で今回のビッグバンドバージョンのミュージックビデオも公開されたクイーンの名曲「Don’t Stop Me Now」がライブ感たっぷりのパワフルな演奏で披露されると、会場は今日一番の盛り上がりを見せた。尚、この日はフレディー・マーキューリーの命日であった。

 メンバー紹介の後、「いつかビッグバンドで歌えたらと思って温めていた」という「Can You Stop The Rain」が本編最後の曲として演奏された。アンコールでは、TOKUが再びステージに戻り、フレディー・マーキュリーがツアー中僅か15分で作曲したという「Crazy Little Thing Called Love」が披露され、この日のパフォーマンスは無事終了した。

 公演当日には会場で12月4日に発売となる佐藤竹善「Don’t Stop Me Now ~Cornerstones EP~」12"アナログレコードの先行販売が行われ、多くのファンが商品を手に取っていた。また、本家SING LIKE TALKINGのライブでもおなじみの名曲「RISE」と、今回のライブでもビッグバンド・バージョンで披露された「Together」が両A面で収録された7"アナログレコードが、2020年1月22日にリリースされることが決まったという。

 大好評のうちに終了した『Rockin' It Jazz Orchestra ~Live in Tokyo & Osaka~』東京公演であるが、12月28日には大阪公演がオリックス劇場で開催される。

東京公演 バンドメンバー

Pf 青柳 誠
B 川村 竜
Dr 北井誉人
G 梶原 順
Tp 入江圭亮
Tp 小澤篤士 
Tp 二井田ひとみ
Tp 田沼慶紀
Tb 中川英二郎
Tb 半田信英
Tb 鳥塚心輔
Tb 野々下興一
Sax&W.W 本田雅人
Sax&W.W 真野崚磨
Sax&W.W 鈴木 圭
Sax&W.W 鍬田修一
Sax&W.W 竹村直哉
Cho 露崎春女

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