生駒里奈、矢部昌暉

 生駒里奈、矢部昌暉(DISH//)がW主演を務める舞台『暁のヨナ~烽火の祈り編~』(東京・EXシアター六本木)がきょう23日に千秋楽を迎える。

 草凪みずほ氏による人気漫画『暁のヨナ』が原作。謀反によって王都を追われた王女・ヨナ(生駒里奈)が、専属護衛のハク(矢部昌暉)と共に、神託に従い不思議な力を持つ者たちと生き抜く姿を描く。

矢部昌暉と陳内将

 本作は、原作の8巻から13巻をもとにしている。城を追われたヨナ一行は追手から逃れるため民衆に扮して各地を転々とするなかで民衆の貧困の実態を知る。一方、王座に君臨するスウォンは持ち前の叡智をもって統治していく。別々の道を歩む両者だがある企てによって戦火に巻き込まれることとなる。

 ヨナを演じるのは前回に引き続き生駒、ヨナを支える将軍・ハクは同じく前回と同じく矢部、そしてスウォンは陳内将。謀反で王座が転覆という劇的な展開を見せる前作と比べ序盤は静かに進む。しかし、終盤にかけての盛り上がりはすごい。アクションはハクだけでなく、強くありたいというヨナにもあった。

生駒里奈、矢部昌暉

 そして、観覧して感じたのはチームワークの良さだ。生駒と矢部にとって“初演”となった前作よりも余裕が感じられた。インタビューでもそう語っていたが、そうした言葉はメリハリとなって表れていた。そのインタビューでは「陳内さんは自由にやられていていいなと思いました」と語り「私もぶっこみます!」と語っていた生駒は有言実行していた。ただそのぶっこみからは無邪気なヨナの姿が浮かび上がっていた。

 ヨナは前作よりも人間としての成長が見られた。そうして見えるのはヨナを演じる生駒の自信が少なからずかかわっているように感じる。声の強弱にしかり、ふるまいにしかり、前作からの積み重ねや、彼女自身の成長が役柄にも流れている。

生駒里奈

生駒里奈

 そして矢部。やはり彼にも立ち振る舞いに対する余裕が見えた。強さ一辺倒だけではない、相手を包み込む度量。スウォンと比べ、そうしたところを見せないハクだが、矢部が演じるハクにはそうしたところが垣間見えた。そんな彼の見どころの一つはやっぱり長尺の大刀を持って繰り広げるアクションだ。「重たいのでこなすのが精いっぱいで。ハクは強いのでもっと余裕をもって扱えるようになれたら」と語っていたが、それを体現していた。

矢部昌暉

矢部昌暉

 もう一人、陳内。「襲われるかもしれない不安も演じられたら」と語っていたが、気品あふれる彼からはそうした不安な気持ちが感じられなかった。不安も表に出さない王としての器とみることもできるが、実は演じる上では表現こそないものの、心のどこかにそうした感情をもって演じているとなれば、より一層深みは増す。

陳内将

 さて、チームワークの良さが物語に血を通わせていた。生駒が親しみを込めて“みるぼーい”と呼んだM!LKの塩﨑太智(キジャ)、曽野舜太(シンア)、山中柔太朗(ジェハ)ら新キャストを含め、座長を務める生駒、矢部、そして前作から支える陳内を筆頭に、カンパニーとしての団結力が伝わってきた。それによって生まれる一体感、息の合った展開、そしてユーモア。息をつかせるほっこりとした場面やアクションを含めてバランスが取れていた。正直、きょうで終わるのが心寂しい気がした。次回もこのキャストで見たい、そう思わせる内容だった。【木村武雄】

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