スターダスト☆レビューが9日、ライブツアー『還暦少年』東京公演を中野サンプラザホールでおこなった。本ツアーは、昨年6月にリリースしたアルバム『還暦少年』を引っさげ、同年10月27日の神奈川・ハーモニーホール座間から今年の12月29日の福島県とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)まで全81公演を予定している。東京公演最終日となったこの日はアカペラありアコースティックコーナーあり、ギタリストの佐橋佳幸ゲスト出演と、編成も演出もボリューミーなライブで観客を魅了し、スタンディングオベーションの華々しい幕閉じとなった。【取材=平吉賢治】(※ネタバレあり)

ファンタジックな演出、編成、演奏の“スタ☆レビワールド”

根本要(撮影=Mariko Miura)

 諸事情によって公演開始が予定より遅れたこの日、開始予定時刻数分後に根本要(Vo/Gt)から「開演までいましばらくお待ちを――」とアナウンスされた。どうやら開始の目処は不透明な様子。しかし、スタ☆レビはお客さんを長く待たせるという選択肢を取らず、“神対応”に出た。ステージセットで十分な演奏ができないという状況下、サポートメンバー含む6人はステージでセットリスト外の曲をアカペラで披露。「Daydream Believer」(英詞、日本語歌詞混合Ver. カバー)、「SWEET MEMORIES」(松田聖子カバー)、「The Longest Time」(Billy Joelカバー)という3曲を美しいハーモニーで響き渡らせ、オーディエンスにとって嬉しいハプニング的な繋ぎで場を温めた。そして無事ステージの準備が整うと、いざ本編へ。

 ジェットコースターに観覧車という遊び心いっぱいのステージセット。何色にも光るファンタジックな輝きのなか、ライブが走り出すとオーディエンスは総立ちで迎えた。根本の頼もしいボーカル&ギターソロが弾け、「Smiling Face」の花開くようなアンサンブルでは寺田正美(Dr/Cho)、林“VOH”紀勝(Per/Cho)の刻むビートに合わせた会場からの手拍子が楽曲の拍を強める。添田啓二(Key/Cho)、岡崎昌幸(Ag/Key/Cho)も加わっての厚いコーラスもライブの醍醐味。開始3曲でスタ☆レビの音楽が一気に会場中を満たした。

 スタ☆レビのライブといえばパフォーマンスはもちろん、根本のトークも大きな見所のひとつだ。「裏の裏まで、副音声を聞くように」と、笑いを誘い、小気味良い口調でトントンとMCを挟みつつライブを進行させる。このリズミカルさがたまらない。

 続くは“スタ☆レビ自慢のバラード集”とスクリーンに映し出され、2曲のバラードコーナーへ。「夜更けのリフ」では幻想的なブルーとグリーンの光に溶け込むように、清流のような音色の歌唱と演奏で魅了した。そして「お気に入りのTシャツを思い浮かべながら聴いて頂けたらね」という根本の言葉が添えられ「恋するTシャツ」へ。シャッフルビートが景気良く刻まれる中、ステージセット電飾の様々なカラーの変化は、明るく楽しげなスタ☆レビの演奏、存在感をビジュアル化しているかのようでウキウキした雰囲気がホール中に広がった。この曲に限らず、根本が演奏の前後で楽曲への想いやエピソードを交えるのがライブの絶好のスパイスとなって、ショーをより一層楽しませてくれる。

 空気は一変してブルージーな「Blues In The Rain」へと進む。情念あふれる根本のボーカルに渋い音階のギターソロ、添田&岡崎の絶妙な鍵盤のコンビネーションと、とびきりムーディーな空気を醸し、粋な緩急をつける。そしてライブ中盤までのハイライトはここだろうか、「世界はいつも夜明け前」では林のパーカッションに絶好のリズム感で乗る根本のギターカッティングが勢いを急上昇させ、オーディエンスは大歓声に沸いた。そして、叙情的なピアノの音色とゴージャスなハーモニーで響き渡った「木蘭の涙」を披露し、前半を締めた。

“還暦ロックンロール”炸裂

スターダスト☆レビュー(撮影=Mariko Miura)

 公演時間半分程度のタイミングで休憩時間を設けたスタ☆レビだが、休憩中もメンバーは和やかなトークで着座しているお客さんをほっこり楽しませてくれる。休憩明けのセクションはメンバー全員ステージ全面に揃ってのアコースティックコーナーだ。

 3曲が披露されたこのコーナーではバンドセットとは変わってカホンやアコーディオン、マンドリンなどの楽器を加えた編成に、柿沼清史(Ba/Vo)がリードボーカルという曲目も織り交ぜ、バラエティ豊かな演出で魅せてくれた。「かなり歌詞が激しく細かい」という根本の前置きから始まった「月の輝く夜に」ではカラッと陽気なアコースティックグルーヴのなかで歯切れ良いボーカルをバシッと決める。

 スタ☆レビによる竹内まりやのカバー曲「元気を出して」をアカペラで披露し、ここで、アルバム『還暦少年』のプロデューサーでもあるギタリストの佐橋佳幸がゲストで登場。「海月〜UMIZUKI〜」「You’re My Love」などを演奏し、佐橋はスタ☆レビのアンサンブルの一瞬の間をとらえるような隙のないプレイを光らせ、楽曲の持ち味をより一層際立たせる。クッキリとした輪郭で突き刺すような根本と佐橋のツインリードギターもクールに魅せてくれた。

 佐橋が加わる編成の最後の曲、「還暦少年」では“還暦ロックンロール”のエネルギーが終盤で大いに弾け、オーディエンス総立ちに手拍子と熱気は最高潮。続く「Goin’ Back To 1981」では林はサックスでのプレイを披露、根本のロングトーンボーカルがホールの隅々まで行き渡るとオーディエンスも一体となってロングトーン発声。正に会場一体となった空気感のなか、本編最終曲はリクエスト票を募ったなかで第一位に輝いた「流星物語」をもって幕閉じとなった。

華々しいスタンディングオベーションのフィナーレ

スターダスト☆レビュー(撮影=Mariko Miura)

 大盛況となった本編が終わると、もちろんアンコールの声が響き渡る。メンバーが姿を現し、根本は「僕らスターダスト☆レビューは38年間、一度も活動休止を経験しないできました。いつもいつも、ライブをやれることが楽しくて、気がついたら39年目に入っていたというのが本当のところです」と、改めてオーディエンスに伝えた。その言葉には、お客さんに対する愛情と、ライブの楽しさという想いがたっぷりと込められているようだった。

 そしてスタ☆レビは、根本曰く「スターダスト☆レビュー史上ヒットチャート1位。当社比!」という「うしみつジャンボリー」を含む4曲のアンコールに応え、ライブツアー『還暦少年』東京最終公演を締めくくった。

 最後に根本は「僕らスターダスト☆レビューが39年こうやって続いているのは、今日みたいなお客さんに巡り会えたんだからなんだと思いました。本当にどうもありがとう」とオーディエンスへ感謝の言葉を伝えた。

 豪華演出に色とりどりの編成の演奏、温かい笑いありの素敵なボリュームの本公演。その内容がどれだけのものだったということは、終演時のスタンディングオベーションが如実に物語っていた――。

記事タグ