本番までとことん考え抜く

――さて、7月に28歳になりましたが、心境的に変わったことは?

 直感を大事にするタイプですが、大人になっていくにつれて、一回考えることも大事にしています。これまではどちらかというと、ひらめきが優先でしたが、いろんなことを経験していくなかで「こういう風に思ったけどやっぱりこうかな」と考えるようにはなっています。

――その考えが仕事で活かされたことはありますか?

 直接的に反映されているかは分かりませんが、お芝居だったら自分の気持ちをそのまま表現するよりかは、誰かの気持ちやその役柄の気持ちにならないといけないから、自分の気持ちを押さえてその役柄の気持ちはどうなのかなと深く考えることが多くなりました。歌は、自分の直感を信じるというか。ひらめいたものを発信する。それが合っているかどうかはわからないけど、自分が合っていると思うものを突き進む感じだと思います。お芝居は自分がこうかなと思っても物語があるので、監督さんの意見を聞いたり、この役柄はどう思っているんだろう話し合ったり、客観的に考えたり、人の意見を聞いて作っていく。経験することで物事を多面的に考えられるようになったかもしれないです。

――「表現」ということでは芝居も歌も一緒ですが、やっている内容が違いますね。それを両軸やっていることは板野さんにとってすごくプラスな気がします。

 そうですね。でも、お芝居もアーティストにしても本番、あるいは表現する時を迎えたら何も考えていないです。表現するまでにたくさんいろんなことを勉強して吸収しているけど、本番、表現するときが「完成」したときだと思うので。お芝居も考えて演じるとそれが見えてしまいますから。演じる瞬間、ライブの瞬間は何も考えないで心のままに、その時の空気感を得ながら感性で演じたり、表現した方が素晴らしいものになると思います。それに至るまでにいかにため込めるかが大事だと思います。

――お芝居については過去にもそう語っていましたね。秋元康さんのアドバイスを今も守っていいて、演じるまではとことん考えるけど、いざ本番を迎えたら台本は開かないと。ライブでもそれまでの準備が大事なんですよね。

 リハーサルもそうですが、歌詞を改めて考えたり、ダンスについても深く考えています。踊っているときは、体に入っているから考えながら踊っていません。歌っている時も歌詞の意味を考えながら歌っているわけではないと思いますし、歌詞が体に入っているからその空気感で歌えていると思います。もちろん時と場合で考えながら歌う時もあります。リハーサルの時点でどこまで体に入れられるかが大事だと思います。

――6月1日のワンマンライブ以降、新しいスタートが切れていると思います。

 歌詞のなかにも自分の気持ちの変化が表れているかもしれないですね。だけど、そういう意識はなくて。経験を重ねていくなかでお芝居もライブも自然体で構えることなく挑めているのは確かにあると思います。実は「気持ち的には何も考えずに」と思っていても、いろんなことを吸収しないと新しいものは出せないし、同じことの繰り返しになってしまう。そうならないように、もっと新しいものを吸収しないといけないと思うこともあります。今回の「LOCA」でラテン曲に挑戦したというのもその考えの表れかもしれないですし。

――では「LOCA」は自分でもやりたいと思っていたけど、まわりの勧めもあって。

 そうです。「こういう曲はともちんに合うよ」とか。みなさんの意見を踏まえてなので。

――「LOCA」は歌うことも挑戦だったし、新たな扉を開いた曲でもある。

 そうです。今後どうしていくかは分からないけど、LOCAという曲を挑戦して良かったと思います。

――10月・11月とツアーが組まれています。どんな内容に?

 6月1日のワンマンライブとの繋がりがツアーにはあるんです。もちろん会場が違うので全て同じことはできませんが、セットリストをそこまでは変えずに、プラスして『LOCA』の収録曲が組まれていく。ワンマンライブをもっとパワーアップしたものがお見せできればと思います。

――幅広い曲が出来て、原点にも返って、新しい挑戦もしている。今後が楽しみですね。

 今回のツアーもそうでしたが、自分に合っているものを極めていきたいと思います。ダンスにしても、こういう楽曲をファンの方が求めているものはライブで実感しますので、そうしたものを極めていきたいですし、やっぱりダンスはもっと極めていきたい。表現するものを極めて、それを「今のパフォーマンス」としてお見せできる機会を作りたいです。

板野友美

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