つるの剛士が11月4日、東京国際フォーラム ホールCでワンマンライブ『つるの剛士25周年記念ライブツアー~25th ☆ 10th~』のファイナル公演をおこなった。4月21日の東京公演を皮切りにおこなわれた本ツアーは、芸能生活25周年、歌手デビュー10周年を記念したプレミアムアニバーサリーコンサート。この日はゲストに世良公則、宮本美季、江頭勇哉が登場し、25周年を祝うパフォーマンスをつるのと共に披露した。【取材=平吉賢治】

つるのの幅広い活躍を表す老若男女のオーディエンス

(撮影=国府田利光)

 これまでのつるのの軌跡がスクリーンに映し出される演出から始まったライブは25周年アニバーサリーにふさわしく、最終公演への期待感を膨らませる。ドラム、ベース、キーボード、ギター、バイオリン、つるの剛士(Vo/Gt)の6人がステージに登場するとオーディエンスは総立ちで迎えた。「メダリスト2020」から走り出したライブはツアー初日の公演開始の光景を思い出させてくれるが、初日よりもさらにパワーアップしたバンドの演奏、つるのの歌唱が笑顔と共にエネルギッシュに振りまかれた。

 続く「正直者」とアップテンポの2曲を明朗快活なムードで披露。MCでステージ全面をまんべんなく歩くつるのはオーディエンスとの心の距離をグッと縮めているようだった。「どの会場もそうでしたけど、年齢層がバラバラです(笑)」という、つるのの言葉通り、老若男女の幅広いお客さんが集まったホールは温かい雰囲気に包まれていた。「ウルトラマンから始まり深夜のエロDJ、羞恥心に『クイズ!ヘキサゴン』、将棋、育児、観光大使――」と、つるのに触れるきっかけを自身の言葉で並べていたが、それは会場に集まったオーディエンスの年齢層の幅から、つるのが本当に幅広い活躍をしていることをリアルに確認できるものだった。

 そしてつるのは改めて「歌手を初めて10年、音楽を通じて色んな仲間と出会えて、こうやって振り返ってみると『やってて良かったな』と、みなさんの声援を聞いて本当にそう思います!」と、アニバーサリーライブに集まったオーディエンスへ感謝の気持ちを伝えた。

ソウルフルにロックンロール、ゲストに宮本美季、世良公則登場

(撮影=国府田利光)

 つるのはここからはギターを置き、ハンドマイクでのパフォーマンス。バイオリンの音色とピアノの伴奏からしっとりと始まるMISIAのカバーの「逢いたくていま」では逞しくも伸びやかな、頼もしい歌声を会場中に響かせ、山根康広のカバー「Get Along Together」ではJ-POP珠玉のメロディをじっくりと聴かせてくれた。

 そしてライブはゲストコーナーへと続く。一人目のゲストはシンガーソングライターの宮本美季。宮本はつるのへの25周年に対しての祝いの言葉と共に、「つるのさんの歌はソウルフル」と伝えると、その言葉を受けたつるのは「美季ちゃんと一緒にソウルフルに」と、HYのカバー「366日」を届けた。宮本とつるののハーモニーの相性は抜群。素晴らしいコラボレーションを魅せたあと、つるのと宮本はガッチリと握手。ライブはさらなる展開へ進んだ。

 つるののオリジナル曲「ありのまま」はアコースティックセットで披露され、この編成特有の生々しさ、息遣いまでが聴こえてきそうな演奏がふわりとホールを包む。そしてシーキャンドルズの新曲「花火」を疾走感溢れるテイクで走らせ、編成は再びバンドセットへ。セッション混じりにメンバー紹介をはさみ、つるのはSGギターを構えてZIGGYのカバー「GLORIA」をロック魂あふれんばかりに刻みつけた。アコースティックセットからのロックナンバーというガツンとした流れにオーディエンスは腕を一斉に縦に揺らせて熱く応えた。

 一気にロック色に仕上がった会場にさらなる熱気を加えたのは2人目のゲストの世良公則。ロックレジェンドの登場に歓喜が上がるなか「銃爪」が演奏されると、世良は圧倒のボーカル&マイクスタンドパフォーマンスを披露。そんな世良に触発されるように、つるののボーカル熱もヒートアップ。ロックレジェンドとつるののコラボという貴重なテイクにオーディエンスからは大歓声が沸いた。

(撮影=国府田利光)

 つるのは世良から「つるの君おめでとう!」とお祝いの言葉を受け、10年前に世良と最初に会った宮島の厳島神社大鳥居前でのライブで「燃えろいい女」を共演したエピソードを語り合った。そして世良とのコラボはもう1曲。奥田民生が作詞作曲を手がけた世良公則 feat.つるの剛士の「いつものうた」へと進んだ。2曲続いたあまりにも熱いロックパフォーマンスは、会場をロックンロールパーティ色に染め上げ、後半での世良&つるの背中合わせのギターソロへと続き、ラストは世良が高らかに放ったマイクスタンドを華麗にキャッチするというアクロバティックな締めくくりを見せた。世良がステージを去ったあと、つるのは改めて世良に感謝の気持ちを伝え「感動するなぁ!」と、喜びを噛みしめていた。

「誰よりも僕はみなさんを応援しています!」

(撮影=国府田利光)

 ライブも終盤、「歌うのは久しぶりかな」という導入で披露されたのは坂本九のカバー「心の瞳」。優しいピアノの音色とつるのの歌声、ブルーのライトをバックに輝かしく光る白色の照明が星空のような世界観を醸し出していた。

 そして最後のMCでは「俳優も歌も絵もトークも、色んなジャンルを着込んだメッセンジャーだと思っている」と、つるの自身を表す言葉を口にした。「伝える人になれればいいなと思っている」というつるのは、MC中はいつでもオーディエンスと近い距離で“トーク&レスポンス”的な触れ合いを重ねながら、ツアーファイナルライブの空気をみんなで温かく共有していた。

 “メッセンジャー”という言葉は正につるのを表すにふさわしい言葉ではないか、という空気は歓声となって会場に表されていた。そして本編最終曲は「新しい明日へ」。ツアーファイナル曲にピッタリの壮大なアンサンブル、歌詞に込められた想いを分かち合うように歌い上げるつるのの姿、頼もしくサウンドを支えるバンドメンバー、笑顔と愛に満ちたオーディエンス、その全てが最終公演のフィナーレを美しくつくり上げていた。

 しかし、フィナーレにはまだ早いといわんばかりのアンコールに応え、再びつるのはメンバーと共に登場し、プリンセス プリンセスのカバー「M」を情熱たっぷりに披露した。そしてMCで釣りの話題から、佐賀で出会ったミュージシャン、YouTuber「釣りよかでしょう。」のテーマソングを歌う江頭勇哉と2人で曲を作ったというエピソードを語り、江頭をステージに招き入れる。そしてまだどこでもやっていないという「トモウタ」を2人でアコースティックギター演奏で披露。2人の絆が音となって会場に響き渡った。

 「誰よりも僕はみなさんを応援しています!」と、つるのは声高らかにオーディエンスに伝え、「色んなことをしていますけど、歌はみなさんとの間をつなぐ表現ツールの一つだと思いました」と、歌に対する、そしてみんなに対する愛情を、真摯な口調で真っすぐ伝えた。

 「みなさんの明日の心が晴れますように!」とつるのは笑顔で会場中に伝え、ツアーファイナル最終曲「にじ」へ。楽曲演奏中はスクリーンに映し出されたオーディエンス個々の姿、そしてこの日のメンバーとゲスト、そしてつるのの姿がスライドで流され、つるのは「いつ撮ったの?」と、サプライズ演出に驚きと喜びを隠せない様子だった。そしてオーディエンスの合唱がホールに響き渡り、ツアーは華々しいフィナーレを迎えた。

(撮影=国府田利光)

 約半年に渡った『つるの剛士25周年記念ライブツアー~25th ☆ 10th~』は、色鮮やかなテイストのセットリストに豪華ゲスト出演、つるのの熱演、温かいオーディエンス、深い幸福感がにじみ出るような空気感のなか、最後の「ピース! シュワッチ!」という、つるのらしい言葉で締めくくりとなった。笑顔と愛と幸せに溢れるファイナル公演は、“メッセンジャー”つるの剛士の、出演者全員の、オーディエンスのからの、太陽のような温かい感情が会場中に染み渡っていた――。

セットリスト

『つるの剛士25周年記念ライブツアー~25th ☆ 10th~』
2019年11月4日@東京国際フォーラム ホールC

01.メダリスト2020
02.正直者
03.逢いたくていま
04.Get Along Together
05.366日
06.ありのまま
07.花火(シーキャンドルズ新曲)
08.GLORIA
09.銃爪
10.いつものうた
11.心の瞳
12.新しい明日へ

ENCORE

EN1.M
EN2.トモウタ
EN3.にじ

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